ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2003年10月31日(金) g@me. ゲーム

監督:井坂 聡
出演:藤木直人
    仲間由紀恵
    石橋 凌、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
佐久間俊介は大手広告代理店に勤めるクリエイター。頭脳明晰、眉目秀麗。仕事、恋愛、人生のあらゆるゲームにおいて勝者だった。ところがある日、クライアントの大手ビール会社に新しく就任した副社長「葛城」から、今までの仕事ぶりを全部否定された上にビッグプロジェクトからも外されてしまったのだ。
人生最大の屈辱―怒りと酔いに任せてアテもなく葛城邸までやって来た佐久間は、そこで1人の女と出会った。女は葛城の娘「葛城樹理」―彼女もある事情から葛城を激しく呪っていたのだ。葛城を恨む男女の出会いがもたらしたもの・・・それは「誘拐」というゲーム。佐久間と樹理は狂言誘拐を葛城に仕掛けたのだ。


【感想】
ベストセラー作家・東野圭吾氏の著「ゲームの名は誘拐」の映画化。ぴよは東野氏の作品は大好きで、文庫化されたモノは全部読んでます♪―文庫化されたモノは、ね。(^_^;)
この作品はまだ文庫化されてないので読んでないんだけど(はははっ)、映画を楽しみたければ原作は先に読まない方がいいかもしれないよね。だってミステリー映画なんて「どんでんネタ」が判ってたら面白味ないぢゃん?

主人公「佐久間俊介」を演じるのは、意外な事に今作が映画初主演になる「藤木直人@王子」、ヒロインは「トリック」等でただ今人気爆発中の仲間由紀恵ちゃん。この子地味っぽいけど可愛いよね♪ぴよは結構好きなのさ♪

映画見ていて思ったのは、やっぱり何て言っても「これ、原作は絶対めっちゃ面白い!原作読みたいっ!」って事。
こんな書き方すると「映画はつまんないのかよ」って思われそうだけど、そーじゃないです。映画も相当面白かったです。
要するに、この手のミステリーやサスペンス系というのは、核になる「どんでんネタ」がどれくらい奇想天外でドラマティックか、そのトリックの質である程度面白さが決定付けられちゃうトコロってありますよね?
この映画のどんでんネタは当然原作者・東野圭吾のアイディアな訳ですから「原作が読みたい!」となる訳。

藤木王子は相変わらずお美しい♪(←好みのお顔の俳優さんには非常に甘いぴよです。うふ)
仲間由紀恵ちゃんは、「トリック」のキャラが際立ってハマっていたから、あのイメージがどうしても頭にあるんだけど、今回ワガママで奔放で色気のある美女の役を実に上手に演じていたと思う。

身代金強奪のプロセス等、既存の映画では刑事側からの視点、もしくは犯人と刑事と双方からの視点を交錯させて見せて行くものばかりだったのに対し、この作品は全て犯人側からのみの視点で展開されて行く。
これは非常に斬新で新鮮なアイディアだったと思うし、まるで自分が誘拐犯になったような楽しさ?も味わえた。

狂言誘拐から驚きのどんでんネタが展開されるまでは、ぴよ文句なしに楽しめたんだけど・・・その後の展開がちょっとゆるい感じがしたって言うかね、正直言うと空港のエピソードは必要なかったんじゃないかって気すらするんだわ。
(このシーンは原作にはないと聞いたのですが、本当ですか?未確認です・・・)
美男美女が絡むサスペンスだから、当然色恋沙汰がなければ観客は(つーか、明らかに藤木王子ファンに対してか?)納得しないだろうって事なんだろうけど、妙にメロウな恋愛ドラマの色を強くし過ぎた為に勢いが今1つ・・・

映画の展開は楽しめたんだけど、恋愛ドラマの部分はどうもぴよには入り込めなかったよーで、ここんとこの部分がどうにもかったるく感じちゃったんだろーとは思うんだけど。ラストの展開もなーんかしっくり来なかったし。

でも、話は面白いです!派手なアクションがある訳じゃないからスクリーン映えどうのこうのっていう楽しさはないですが、サスペンスとしてはとてもよく出来た作品だと思いますです♪
・・やっぱ東野圭吾氏の原作がすっごく面白いんだろーなー♪ふふふ。絶対に原作読まなくちゃ♪





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2003年10月30日(木) セクレタリー

監督:スティーブン・シャインバーグ
出演:マギー・ギレンホール
    ジェームズ・スペイダー
    ジェレミー・デイヴィス、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
リー・ホロウェイは自傷癖のある内向的な女の子。精神病院からようやく退院したリーは、社会復帰の一歩としてとある個人弁護士事務所の秘書の職を得た。リーのボス、ミスター・エドワード・グレイはタイプのミスに赤ペンで○を付けてツッコミを入れるような細かいタイプ。
ところがグレイのお仕置きに快感を覚えたリーは、進んでミスをしてグレイの「愛のムチ」を求め、そしていつしかグレイ本人もリーにお仕置きをする事が快感になっていたのだった。


【感想】
2002年サンダンス国際映画祭で話題独占して特別審査員賞を受賞。メアリー・ゲイツキル著のベストセラー短編小説「Bad Behavior(悪いこと)」を元に作られた、一風変わったラブ・ストーリー。

元々自傷癖がある女が、実は自分はマゾだったんだ!と気付き、更に相方の男も実は自分はサドだったんだ!と気付き、結局お互い相性ピッタリぢゃねーか♪という、「なんじゃ、そりゃ」恋愛映画(笑)
弁護士のミスター・エドワード・グレイの役を演じるのは、『セックスと嘘とビデオテープ』でこの系統のハマリ役はコイツしかいない!と映画界に名を知らしめたジェームズ・スペイダー。今回もサディスティックなお仕置きに快感を覚えつつも困惑する変態男(をい)を好演しています♪

「アメリカ女性に熱狂的に支持された!」というフレコミですが、ぴよは熱狂的にならなかったぞ(いきなりコレだ。笑)
大体からして「自傷癖」ってのが理解出来ないので。痛い事キライなんです。ふん。

元々何故リーに自傷癖があるのか、っていうのが映画中で説明されていないんだけど、理由なんてどーでもいいのかもしんない。たぶんリーがマゾであると自覚する為の展開として、「自分で自分の体を傷付けるよりも、他人からいたぶられた方が気持ちいい♪」という心理変化が欲しかったからだけなんだろうな、と。
もしかしたらマゾである事を自覚していなかった為に、自分で傷付けて快感を得ていた、という意味なのかも?

ネタが「サド・マゾ」というキワモノでありながら、内容は普遍的恋愛映画になってるのは面白い。
この映画ではお互いの性癖がたまたまピッタリ一致していた事で、お互いが必要不可欠な存在になって行くというアプローチだけど、本来この映画の言いたいのは、恋愛っていうのはお互いの魂が呼び合う「唯一無二の存在」を探し当てる事で成就するんだよ、という事なんだろうと思う。

個人的に好きなシーンは、リーが友達と話していて、友達が自分の上司からセクハラ発言を受けたと憤慨するトコロ。
「アナタのボスはどーなの?」と友達に聞かれたリーが、「私のボスは最高よ♪ボスはセクハラ問題に詳しいから云々・・」と答えるくだりには笑っちゃったわよ!
セクハラ問題に詳しい(ハズの)弁護士が面接した時に聞いてきた事が「キミは妊娠しているか?妊娠する予定はあるか?結婚は?一人暮らしか?」って、セクハラ発言満載(笑)
つーか、お尻叩いてお仕置きってさー・・・セクハラ以前の問題だろーがっ!!(^_^;)

リーがタイプミスした紙を額に入れて廊下に並べて飾ってあるシーン・・・ミスター・グレイが「このままじゃダメだ!」と、額を次々と壊していくんだけどネ、この2人にとって「赤ペン添削」は心の絆なのねぇ〜♪と、微笑ましく見れましたわ。
自分の事じゃないからネ。ぴよが同じ事やられたら、それこそボスの尻叩いて暴れるトコロだけどサ。(笑)


フツーの何処にでもあるよーな恋愛映画に食傷気味の方には、こういう映画は楽しめるかも!?
でもぴよは・・・痛いのはダメよ。つーか、いくらカッコ良くてもこんなボスだったら仕事辞める。うん。(苦笑)





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2003年10月29日(水) レッド・サイレン

監督:オリヴィエ・メガトン
出演:ジャン=マルク・バール
    アレクサンドラ・ネグラオ
    アーシア・アルジェント、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
12歳の少女が1枚のDVDを持って警察に保護を求めた。DVDには少女の母親がメイドを惨殺するシーンが写っていたのだ。ところが母親は政財界に顔の利く武器商人だった為、警察も簡単に手が出せない。警察はアテにならないと悟った少女は、母親の手から逃れる為に警察から逃げ出し、偶然逃げ込んだ車に乗っていた男に助けられた。
男は秘密組織の元傭兵で、かつて誤って少年を殺してしまった事で心に深い傷を負っていたのだ。少女は男に頼み、3年前にポルトガル沖で遭難して亡くなったと言われている父親を探し出す事になったのだが。


【感想】
フランス人作家モーリス・G・ダンテック著の「La Sirene Rouge」の映画化。監督はリュック・ベッソンの秘蔵っ子、オリヴィエ・メガトン。フランス映画だけど会話は全て英語で展開されています。

心に傷を持つ元傭兵の寡黙な男と母親の魔の手から逃れる少女。母親の放った殺し屋達と銃撃戦を繰り広げながら、父親探しの旅に出る2人―何やら、どこかで見た事のあるような映画のツギハギみたいな印象がありますが。
ストイックな男と少女の組み合わせ、ってだけで「レオン」とか想像しちゃうしね。

映画全般通して「設定が曖昧」と言うか、「生ぬるい」っていう感じがする。
少女を助ける男ってのが、かつて傭兵時代に誤って幼い少年を撃ち殺してしまった事がトラウマになっているっていう設定なんだけど、それが「少女を父親の元へ届ける」という行為の理由付けになっている感じがあまりしない。
突然現れた少女に、いきなり「父性愛」とか「幼女性愛」みたいな盛り上がりを見せる男、って感じで(をい)
せめて過去のトラウマが「我が子と妻の危機を救えずに、見殺しにしてしまった父親」という設定だったら、多少は納得出来たかもしんないなーと思ったんだけど。

女刑事の心理状態や位置付けってのもかなり曖昧。
自分の子供時代の写真をデスクに飾ってたりして、何か彼女にも過去がありそうな見せ方をしておいて、彼女の心理状態に関するシーンが全く出て来ない。
少女を何とかして助けたいと上司に食い付いた割には、「非公式で少女の保護に当たれ」と言われても今1つ乗り気じゃない様子だし、そのクセ事件後は「警察を辞めてしばらくポルトガルにいたい」と言い出す。
彼女は何か精神的に病んでいるのでしょうか?(笑)

更に訳わかんないのが少女の母親。
ぴよは映画がクライマックスに突入するまで、「母親は自分の犯した殺人を隠す為に我が子を殺そうとしているんだな」と思ってたんだけど、実はそーじゃなかった。明らかに我が子をぶっ殺そうとしてるよーにしか見えなかったのに、実は母親は少女を溺愛している愛情溢れるママだったのだ(爆)
だったら殺し屋なんて使わずに、国境封鎖するとか・・もっとソフトに我が子を取り戻す方法考えりゃいいのに。
それくらいの権力はこの溺愛ママにはあるでしょうに。(^_^;)

等々、ツッコミどころ満載の銃撃アクション映画。
役者が悪いのか、それとも見せ方が悪いのか、肉弾戦シーンもスピード感が今1つで目新しい感じはない。
銃撃戦も見慣れちゃったしなぁ〜・・・今更この程度のシーンじゃワクワクしないのよネ。

そしてクライマックスは何故か建物が派手に吹っ飛ぶ。
ただのボート小屋なのに、きっと少女の父親はビルが吹っ飛ぶくらいの量の爆薬を隠し持っていたのでしょう(笑)


映画のコピーがさ、「男にとって少女は赤い妖精(レッド・サイレン)だった」っていうんだけどさ、
確かにクライマックスシーンで少女は赤いTシャツ着てましたネ♪・・・って、それだけかよ!?

うーん。なんだったんだろ?この映画。






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2003年10月28日(火) サンダーパンツ!

監督:ピーター・ヒューイット
出演:ブルース・クック
    ルパート・グリント
    ポール・ジアマッティ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
パトリック・スマッシュ少年には深刻な悩みがあった。それは「信じられないくらいオナラが出る事」―オナラの勢いでこの世に生を受けたパトリック、そのオナラの凄まじさに父は家を出て行き、姉には恨まれ、母はショックでアル中になった。学校では「屁コキ虫」とあだ名を付けられ、クラスメートに虐められる日々。
そんなパトリックの唯一の友人は、全く嗅覚のない天才発明家アラン少年。オナラに悩むパトリックの為に、アランはオナラをしてもガスを吸い取ってくれるという画期的な機械「サンダーパンツ!」を発明してくれたのだ。


【感想】
『ハロルド・スミスに何が起こったか?』等を手掛けるピーター・ヒューイット監督、イギリス映画。
つーか、先に鑑賞した「えびボクサー(2003年10月7日鑑賞)」もイギリス映画なんですけどネ、今イギリス映画界は何を考えているのでしょうか?いわゆる「名作系」「アクション娯楽大作系」ではハリウッドに勝てないと悟ったイギリス映画界が、何か間違った方向に走り出しているのでしょうか?(笑)

この作品、元々当時「サンダーバード」の実写映画化の企画を立ち上げていたヒューイット監督が、冗談で「オナラ映画作ったら面白いよねぇ〜」と話していたのをそのまま実現させちゃったそーなんだ。
(サンダーバードの映画化は頓挫してしまったけど)
なので、タイトルが「サンダー・パンツ!」・・ある意味、サンダーバードに対するオマージュなのでしょうか?(^_^;)

最初っから最後まで「オナラ一辺倒」のオナラ映画。
オナラや糞尿系ネタって、笑いの世界規格だよね。どこの国の、どんな年代の人にも必ず笑ってもらえる笑いの王道。
なのに、この映画は「笑いの世界規格」を、これまた「道徳の世界規格」に当てはめて大真面目に作り上げている。

人は誰しも欠点を持っている。
しかしながら、欠点を克服し、そしてその欠点を逆に「才能」として伸ばしてやる事も出来る。
諦めてはいけない。欠点というのは、努力と心持ち次第で誰しも長所に成り得るのだ!

・・・普通作るか?こんな映画。(笑)

「オナラ」ってだけで笑えるので、おバカ映画としての基準はきちんと満たしているが、話の展開は至極真っ当で、ともすると悲哀すら感じさせるシーンも満載・・・しかしながら、あの裁判シーンは(しかも殺人絡み)、この映画のトーンにしてはちょっとやり過ぎな感じがしたんだけどなぁ。
殺伐としたエピソードはもっとタイトでも良かったよーな気がするんだけどね・・・何か目頭が熱くなっちゃって(をい)

イギリス映画だから?なのか、アメリカを微妙に皮肉ってる所なんかは結構面白い。
チャチなNASAの内部、そして地球を救えるのはNASAの精鋭科学技術者達ではなくてガキ集団。
更にアメリカのハズなのに、宇宙服にはちゃーんと英国国旗が貼り付けてあるしネ。

映画の内容的に、はっきり言って「子供向け」って気がするんだけど。
非常に真面目に道徳観・人生観を説いている訳ですし。
「道徳」を大上段に構えて説教垂れたって、子供は興味を持たないし聞く耳も持ちゃ〜しない。
けれど、子供が大好きな「オナラネタ」で楽しく道徳を見せれば、きっと喜んで聞き入れてくれる事だろう。


問題は、
ネタが「オナラ」なだけに、親御さんがこの映画を敢えて子供から遠ざけてしまう可能性が非常に高いという事だ。
要するに、ネタは思いっきり子供向けのいい話なのに、大人の目にしか触れる機会がないという・・・

そこんとこでこの映画は破綻しちゃってるのだ。(笑)






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2003年10月27日(月) アイデンティティー

監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ジョン・キューザック
    レイ・リオッタ
    アマンダ・ピート、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
翌日死刑執行予定の連続殺人犯の再審理が決まった。彼が犯行前に書いていた日記帳が見つかったのだ。
再審理の為に犯人は移送中―外は記録的な豪雨になっていた。とあるモーテルに暴雨の為に立ち往生して集まって来た人々―女優と付き人、3人親子、新婚夫婦、娼婦、そして囚人移送中の警官と連続殺人犯。これにモーテルの主人を加えた11人が一晩モーテルで夜を明かす事になったのだが、拘束してあったハズの連続殺人犯が逃走。次々とモーテルの人々が殺されて行く・・・更にこのモーテルに集まった人間には意外な共通点があったのだ。


【感想】
アメリカでは初登場1位を獲得したサイコ・ミステリー。ですが日本ではあまり宣伝されてませんわネ(^_^;)
この映画、冒頭に「まだこの映画を見ていない人に、決して結末を話さないで下さい」という注釈までご丁寧に流れます。この手のやり方は「シックス・センス」や「サイン」等でも既に使用されているので、この注釈見た途端に「なんぢゃ・・・大どんでんを期待させたB級モノかいな」と、多少鼻白んだのですが。

「結末を話さないで下さい」と注釈垂れるだけあって、何書いてもネタバレしそうですわ。
この先は、この映画を未見の方はご覧にならない方がいいと思いますです。(最近本当にこういうの多いな。苦笑)


では、なるべくネタバレはしないように書いて行きましょうか・・・


少なくとも予告編を見た人なら、ある程度の推理材料は持っている。これは予告編で流れている情報だからここに書いても差し障りないだろう・・・連続殺人犯は解離性同一障害(多重人格)である事、モーテルに集まった人間が1人ずつ何者かによって殺されて行く事、そして登場人物全員の誕生日が同じ日である事。

これらの材料や状況は既存のミステリーで何度も使い古されたネタばかりで、特に目新しい設定は見当たらない。

大体からして「サイコ・ミステリー」なんて銘打ってる映画ってのは、ミステリー慣れしてる人なら登場人物が出揃った所で、まずいかにも怪しそうなキャラは度外視して、メインキャラの中から犯人を探そうとする。コイツが一番怪しいなぁ〜と値踏みしたら、後は自分が目星を付けたキャラが犯人である事の証拠を映画中から探そうと「確認作業」に入る事でしょう。
正にぴよがその口だ。(笑)

で、お約束通り犯人の証拠集めをしながら映画を見ていたぴよは、映画が展開されていく内に、どうしても目星を付けたキャラが犯人だと仮定すると辻褄が合わないシーンが出て来て困ってしまったのだ。
「あれ?今のシーンだけ見たらコイツが犯人じゃないと説明がつかないぞ?じゃああのシーンはブラフか?」

はい♪すっかりこの映画の思うツボにハマってるぢゃーないですか!(爆)

正直言って「名前で観客を呼べる役者」は使われていない。せいぜい「名脇役」と呼ばれる程度の役者陣でありながら、どの登場人物もきちんと己のキャラを打ち出していて、11人の登場人物の名前と設定が混乱する事はない。
展開にダレる部分もなく、一見辻褄が合わないようでいて、後のどんでん返しできちんと破綻する事なくネタが収束していく妙技。正に脚本勝ちなんでしょうなぁ〜!

こんなに面白い展開なのに(ま、どんでん返しまでは察しのいいヤツなら読めるかも?)
この映画は余りにトリッキーに作り過ぎてしまったんだと思う。
確かに非常に練られた脚本だったと思うものの、ラストシーンを見終わった時にぴよが感じたのは
「この脚本家は明らかに自分の考えたトリックに酔ってるな」という事。
トリックに観客が踊らされる事を脚本家や監督に見透かされて、「ふふーん♪どーだ!スゴイだろー!」と自慢されたよーな気がして、ちょっとイラついちゃったってのは、ぴよの性格に問題があるからなのかい?(^_^;)


余りに出来すぎた脚本であるが故、観客は食傷気味になってしまう。
素晴らしい脚本をコケ下ろすよーで気が咎めるが、そう思ってしまったのは仕方ないのだ(苦笑)






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2003年10月26日(日) マグダレンの祈り

監督:ピーター・ミュラン
出演:ノーラ=ジェーン・ヌーン
    アンヌ=マリー・ダフ
    ドロシー・ダフィ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
1964年アイルランド。レイプされた少女マーガレット、美しい孤児バーナデット、そして未婚のまま子供を産んだローズ。三人の少女がマグダレン修道院に送られて来た。
マグダレン修道院―キリストによって改心した娼婦マグダラのマリアにちなんで名付けられたその修道院は、性的に“墜落した”女性たちを神の名の下に矯正する施設。入所した女達は囚人のような制服を着て洗濯部屋で働かされ、私語は厳禁。家族と会う事も外部の人間に接触する事も禁じられたこの修道院で、彼女達は生きて行かなくてはならなかったのだ。


【感想】
2002年のヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞した作品。このマグダレン修道院は1996年までアイルランドに実在し、延べ3万人もの女性がこの修道院で過酷な労働を強いられ、そしてその多くがこの地で不遇の死を遂げたそうです。
この映画はかつてマグダレン修道院で「奉仕と浄化」という名の虐待を受けた女性達から実際にインタビューを取り、そして忠実に再現した恐ろしい映画だ。

元々この修道院は、体を売って働くような女性、カトリックの教義に反するような性的に堕落した生活を送る女性の更正施設としてスタートしたのだが、この映画に出てくる3人の少女は、1人はレイプされ、1人は未婚の母になり、そして1人は孤児院にいたのだがたまたま容姿が美しく男の目を惹いた・・・
特に彼女らに問題はないものの(未婚の母は教義に反するかも?でもマリア様だって未婚で子供産んでるやんけ)簡単に言ってしまえば「家族のお荷物」、我が子が辱めを受けて世間体が悪いから、又は孤児院で扱いに困ったからという理由だけで修道院に送られてしまったのだ。

実際にこういう「お荷物扱い」されて修道院送りになった女性は多かったんだろうと思う。
それにしても、そこまでして守りたい世間体って一体何だったのでしょうか?映画中修道院から脱走して家族の元に逃げた女性がいるのだが、父親が怒り狂って我が子を修道院に連れ戻すシーンがある。
父親は顔を真っ赤にして怒り「お前に帰る家はない!」と我が子に吐き捨てるように言うんだけど、カトリックという厳しい戒律の中にあっては我が子への愛情よりも世間体の方が重要視されていたという事なんでしょうか?
どーにも解せない感覚で、アイルランド人達と膝突き合わせて小1時間語説教垂れたい気分です。(^_^;)

長い間この修道院にいると、入所させられた女性も、そしてそこで監視している修道女達も精神が病んで来る。
「自分達は堕落した女達を更正させてやってるんだ」という大義名分が、修道女達を恐ろしいサディストにする。そしてそのサディスト達に長きに渡り虐められ続ける事で、卑屈になり人間性を失う女性達・・・その中にあって「絶対にここから抜け出してやるぅ!」という希望を失わなかった少女達にスポットを当てて映画は見せているけど、実際はどうだったんだろうか?

1996年になってようやくマグダレン修道院は廃止された。
まだ廃止されて10年も経っていないのですよ。この修道院から解き放たれた数多くの女性達は、今尚アイルランド各地でトラウマを抱えて生きているのです。カトリック教会の弱体に伴い廃止されただけで、この国の敬虔なカトリック教徒達の感覚というのは、今も「修道院帰りの女」というレッテルで彼女達を蔑視しているのではないだろうか?

宗教と宗教が生み出す倫理と、それに踊らされる人間の弱い心。
決して「カトリック=悪」だなんてぴよは言っていませんよ。
ただ、それにのめり込み敬虔であるが故に生み出される悲劇というのは、何と恐ろしい事か。
今世界各地で勃発している戦争のほとんどは、この「宗教の倫理観」または「政治による洗脳」によって引き起こされている事を考えると、この映画の話というのはただ単に「こんな気の毒な女性達がいたんだねぇ」だけで終わらせていい話ではないような気がする。

ふーん。珍しくマジメな事を考えてしまったぴよです。


    


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2003年10月25日(土) スティール

監督:ジェラール・ピレス
出演:スティーヴン・ドーフ
    ナターシャ・ヘンストリッジ
    スティーブン・バーコフ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
リーダー・スリムを筆頭に、オーティス、フランク、そして紅一点のアレックスの4人は超一流の銀行強盗集団。知性と計画性と運動能力、冷静な判断力とチームワークで、難攻不落の銀行からまんまと大金をせしめたのだ。
とある銀行を襲ってせしめた大金の中に、2000万ドルの無記名債券を見つけたスリム達。ところがこの無記名債券はシンジケート絡みのヤバイ金だったのだ。おまけに何者かに「自分達の素性を警察に通報されたくなければ、廃棄処分となる高額紙幣を奪え」と脅迫されてしまったスリム達。彼らに選択の余地などなかった・・・


【感想】
本来なら今年の夏に公開予定だったのに、人気映画に押されまくって上映館の確保が出来ず、ようやく12月公開にこぎつけた作品。監督は「TAXi」シリーズでお馴染みジェラール・ピレス。

「トリプルX」辺りから俄然人気の出て来たXスポーツを駆使して、アクションを小気味良くスタイリッシュに見せるやり方は、TAXiでメガホンを取るピレス監督ならお手のモノでしょう。
映画冒頭からローラーブレードで街を疾走したり、橋の上からダイブしてパラセイルで逃走、派手なカーチェイスに火薬芸まで、アクション映画で観客が見たい全ての要素を余す所なくふんだんに見せてくれる♪

上映時間も1時間20分ちょっとで、ぐいぐい引っ張ってダレずに終わらせる潔さはアクション映画としてハナマルだと思うものの、キャラクターの描き込みや設定に関しての説明を全部端折っている為に、まずからして「何故コイツらは強盗集団なのか?」「コイツらはどういう繋がりのメンバーなのか?」「何が目的で強盗を始めたのか?」等、映画冒頭から疑問符が飛び交いまくり、そして最後までその答えがないってーのはどーなんだろ?(^_^;)
ま、説明なくてもアクションが派手だったらそれで楽しいからいいんだけどサ。

主人公の銀行強盗集団チームの横顔が全く判らないから(だけではないと思うんだけど)、正直言って主人公グループに全く魅力を感じない。特に紅一点のアレックス嬢、せっかくの紅一点なのにまるで魅力を感じられない。
ヤローばっかりだと絵的に見てて面白味がないから、必要もないけどオンナ1人加えておきました♪と言わんばかりの役ドコロでは面白味に欠けるぢゃーないか!

まあ、そうは言ってもこの手のジャンルは「いかにアクションがエキサイティングか」
これさえ押さえてあれば、話が凡庸で目新しいモノが何一つなくても、キャラクターが魅力的じゃなくても、きちんと楽しませてもらえるので及第点は付けられます(笑)


ぴよは個人的にこーいう映画を「愛すべきニワトリ映画」と呼んでいる。
「映画を見終わって3歩歩いたら内容を忘れてしまう軽〜い映画」を、最大の賞賛を込めてこう呼んでいるのですが

正にこの映画は「ニワトリ映画」の王道です♪





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2003年10月24日(金) シービスケット

監督:ゲイリー・ロス
出演:トビー・マグワイア
    ジェフ・ブリッジス
    クリス・クーパー、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
NYからサンフランシスコに移住し、自動車ディーラーとして莫大な財をなしたものの、一人息子の死によって失意のどん底に突き落とされた富豪チャールズ・ハワード。自動車産業の発展により職を失った名調教師トム・スミス、アメリカ大恐慌によって両親に捨てられ天涯孤独の身になった文学青年ジョッキーのジョニー・ポラード。
3人の傷ついた孤独な男達が偶然出逢った。そして小柄で足が曲がり、気性が荒い為に誰からも見捨てられていた1頭の孤独な馬「シービスケット」と彼らは出逢い、奇跡が生まれたのだ―


【感想】
ローラ・ヒレンブランド著、436万部を超える大ベストセラーノンフィクション「シービスケット・あるアメリカ競走馬の伝説」の待望の映画化。既に今年度のアカデミー賞最有力との呼び声の高い一作!

時代は1930年代のアメリカ・大恐慌時代。この時代に今も伝説と語られる名馬「シービスケット」が、絶望の淵で苦悩していたアメリカ人達に希望の灯を点したのだ―この映画は、実在する名馬・シービスケットと、この名馬に携わった3人の男達の運命のドラマ。映画中に出てくる人名は全て実名になっている。

映画は、競走馬とそれにまつわる男達の様子を見せているようで、実際はこの時代の希望をなくしたアメリカ人達が、シービスケットを通じて希望を見出し立ち上がって行ったという「時代」を表現している。
それは、シービスケットの馬主で富豪のハワード氏が、何度も「未来」というセリフを口にする所からも言えると思う。
演説中「ゴールはこのレースじゃない。ゴールは未来にある」と語るくだりがあるし、乾杯のセリフは「未来に乾杯」だった。更に彼はシービスケットを「未来への橋だ」と表現している。

また、シービスケットの生い立ちとその後の栄光が、この時代のアメリカに実によくシンクロしていた事も「伝説の名馬」と呼ばれる所以だろうと思う。

悲運のジョッキー「ポラード」を演じたトビー・マグワイア君(スパイダーマンでお馴染みベビーフェイスの彼♪)
騎手という役柄を演じる為に、なんと10kgも減量をしてこの役に体当たりしています!
顔なんて頬の肉が削げ落ちて、すんごい精悍な顔立ちになっちゃっててびっくり!「スパイダーマン」を演じてた時のずんぐりむっくりしたボクちゃんは何処に行っちゃったのー?てな感じですわ。

スパイダーマンの時には何とも思わなかったけど、トビー君の演技はとても良かった♪今後注目しちゃおーっと♪

映画自体が「時代」を表現したかったからだろうと思うけど、3人の男達がシービスケットと出会うまでの各々の生い立ちを見せるくだり(簡単に言っちゃうと映画前半)が、丁寧に描き込まれ過ぎてて少々ダレた。
見てて「いつお馬さんが登場して来るねんっ!」ってイライラしちゃったもん。(^_^;)

その代わり・・って言う訳でもないんだけど、シービスケットと3人が出遭ってからの展開はワクワクドキドキ♪あっちゅー間に引き込まれて行きますです♪
レースシーンなんて、「行けぇぇぇ!」って心の中で叫びながら、思わず腰が浮いちゃったもんね♪(笑)
競馬に全く興味がない人も、競馬のウンチクを全く知らない人でも、大興奮間違いなしの臨場感溢れる映像。


この手の「名作系」のお約束通り、何のヒネリもなくオチも磐石な王道映画。
しかし非常に丁寧に作り込まれた「実話の映画化」において、何のヒネリが必要だろうか?
役者の名演技と、映画に携わった人達の、この作品に対するこだわりと情熱と愛情があれば、後は何も必要ない。

映画への情熱と、「シービスケット」という名馬に対する愛情がスクリーンから溢れ出る。
ぴよはこの映画、かなり好評価。前半のダレるくだりがもうちょっとタイトだったら☆5つ決定だったね♪





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2003年10月23日(木) ぼくの好きな先生

監督:ニコラ・フィリベール
出演:ジョルジュ・ロペス
    13人の子供達、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
フランス中部、オーベルニュ地方にある小さな小学校。ここの小学校で1つの教室に3歳から11歳までの13人の子供達が、ロペス先生からあらゆる事を教わっている。あと半年で35年の教師生活に幕を閉じるロペス先生、子供達はその事実がなかなか受け入れられないでいる・・・


【感想】
ニコラ・フィリベール監督のドキュメンタリー作品。この映画に出演している「ロペス先生」を始め、小さな小学校に通う子供達、その親、親戚、全てが丸々本当の先生と生徒とその家族。役者は一切出て来ない。
(だからドキュメンタリーって言うんだけどさ。笑)

ドキュメンタリー映画と一口に言っても、その見せ方には何がしか作為的なモノを感じたり、又は多少の演出(ヤラセと言う人も多いだろう)はあるものだ、というのがぴよの持論。
しかしながらこの映画は、本当の丸々ドキュメント。何の演出もない。
畜産業を営む小さな村にある、一つしか教室のない小さな可愛らしい学校で繰り広げられる、ロペス先生と子供達の日常。それがそのままそっくり何の手も加えないでスクリーンに淡々と流れて行く。

子供達は時に小さな諍いを起こしたり、学業について行けずに漠然とした不安を持ったり、友達となかなか打ち解けずに引っ込み思案になっていたりする。それは劇的な事でもないし特別な事でもなく、どこの学校にもある、どこの学校にもいる、ごくごく普通の子供達の姿だ。

でも、こんなに「普通の子供達の素朴な姿」を今一体どこで見られるだろうか?
TVのチャンネルをひねれば、日々信じられないような少年犯罪のニュースが垂れ流されている。町を歩けば、髪の毛を茶色く染めて巻き髪にした小学生が、得意げにブランドの服を着て闊歩している。

まるで時代から忘れ去られたような美しい自然と、そこに息づく小さな子供達の日常。
そして子供達の成長を、子供達の視線で優しく包み、そして人生の師として正しい道を示すロペス先生の愛情溢れる姿。
全編ノスタルジックな詩情溢れる映像が、今の日本が失った美しいモノ全てを余すところなく見せてくれる。

子供達の生き生きした輝く瞳に、思わず見てるこっちが目を細めて微笑んでしまう。


が。
寝不足状態で見てはいけない。
何故なら、余りに見てて気持ちいい映像に(しかも何も起こらない日常風景が淡々と流れるだけ)

ぴよは強烈な睡魔と闘うハメになったからだ。(苦笑)






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2003年10月22日(水) 変身パワーズ

監督:ペリー・アンデリン・ブレイク
出演:ダナ・カーヴィ
    ジェニファー・エスポジート
    ブレント・スパイナー、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
ディスガイジー家は何世紀も前から特殊な変身術の秘技を使い、世界を悪から守って来た家系。しかしファブリッツオは秘技を自分の代で封印して、息子のピスタチオに伝えなかった。変身術の血を受け継ぐピスタチオは、何故か自分の内側から沸き起こる「物真似願望」を抑えきれずにいて、いつも周囲から浮きまくっていた。
そんなある日、悪徳財宝コレクターに両親を誘拐されてしまった。犯人はどうやら両親を脅して、変装術で世界のお宝を盗もうと企んでいるらしい・・・ピスタチオは両親を救出する為に、変身秘技を習得して悪に立ち向かったのだ!


【感想】
ショービズ界の大御所、アメリカではコメディアンの重鎮とも言えるダナ・カーヴィが主演、彼のお得意物真似芸&形態模写に特殊メイクをふんだんに使って観客をギャフンと言わせる超大バカ映画!

話の展開は「オースティン・パワーズ」シリーズ程破綻していないものの、とにかく余りにも強引な変装の数々!!
カメが出て来た時には笑うのを通り越して呆れたねっ(笑)
・・いや、それがまた本当にカメに見えるくらい(んな訳ねーけど)ウマイから笑っちゃうんだけどさ♪

意味もなくダナ・カーヴィが出来る物真似を差し込もうとするからなのか、映画中に既存の有名映画のパロディがふんだんに出てくるのも一つの見ドコロだと言える。例えばそれはスター・ウォーズだったり、エクソシスト、燃えよドラゴン、ロッキー等々・・・どのシーンでどの映画のパロディが出てくるのかを探すのも、映画ファンには楽しめる要素になってると思う。

また、ダナ・カーヴィには出来ても父親役のジェームズ・ブローリンにまで物真似させる訳にはいかないので、父親が変装する時は有名人をカメオ出演させる事で、これまた観客を喜ばせようという趣向。ソツがないわぁ♪

悪徳財宝コレクターが何故か尻にしまりがなかったり、ピスタチオが飼ってる犬が異常に芸達者だったり、木目細かくちょこちょこ笑わせて楽しませる要素がふんだんに盛り込まれてて、更にこの手の映画のお約束はちゃんと守って上映時間は1時間20分と短くまとめている所も好感が持てる♪
更にラストのスタッフロールには未公開シーンとNGシーンを盛り沢山。加えてスタッフロール後には更に更に細かいオチも用意して、最後の最後まで観客を楽しませようという欲張り企画、ぴよは大好きですわん♪
・・・正直言って、一番面白かったのはスタッフロールからだったりするんだけどさ♪(をい)

結局はダナ・カーヴィの芸に頼った映画だから、彼の形態模写を見て楽しめれば万事OK!
日本でも物真似番組はかなりの視聴率を稼ぐドル箱番組だけど、こういうのはやっぱり万国共通なのねぇ〜♪

おバカ映画ファンなら、とりあえず押さえておいて損はない一本!






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2003年10月21日(火) Kill Bill キル・ビル

監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ユマ・サーマン
    ルーシー・リュー
    ダリル・ハンナ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
ザ・ブライドは長い眠りから目覚めた。かつて最強の暗殺集団のエージェントだった彼女は、自分の結婚式の最中にボスのビル達の襲撃を受け、夫やお腹の子を殺されたのだ。奇跡的に一命を取り留めたブライドは、それから4年間も昏睡していたのだった。ブライドは自分の全てを奪った者達への復讐を誓い立ち上がった―――「ビルを殺せ!」


【感想】
世界一のおバカ監督「クエンティン・タランティーノ」の、超話題のおバカ映画!←いきなり言いたい放題
予告編見た時から「これは・・・ヤバいか?(何がだよ)」と思っていたんだけど、やっぱり!!


タランティーノ節、炸裂!


この一言に尽きる、やりたい放題の超おバカ映画。(笑)
チャンバラ大好き♪な東洋の神秘に憧れて止まない西洋人のガキに、とてつもない大金握らせてやりたい放題やらせたらこんなん出来ちゃいましたー♪ってなノリの、とにかく誤解と偏見とお楽しみに満ちた(謎)とてつもない映画ですわ。

とにかく首が飛ぶ!足が飛ぶ!腕が飛ぶ!
飛ぶ!飛ぶ!血しぶきなんてちょこっと切っただけで、3人分の全血液分くらいジャンジャン飛ぶ!!(笑)
バッサバッサ斬り倒して、ジャンジャン体が飛びまくるんだけど、ぜーんぜん殺伐としていない。むしろ見てて気持ちいい♪

展開上で日本が舞台になるんだけど、とにかく「西洋人が憧れるじゃぱん」満載で楽しいったらありゃしない!
とにかくどいつもこいつも日本刀持ってるし、日本刀持って飛行機に乗るのだって「じゃぱん」はへっちゃらさ♪(笑)
東京の料亭(料亭っつーか、最近よくありがちなジャパネスク・パブだな)の庭は冬の北陸張りに雪積もっちゃってるし!

他にも、タランティーノの大好きな事が満載だ!例えば・・・

何故かルーシー・リュー演じる「オーレン・イシイ」の生い立ちをアニメーションで見せたり
(これはタランティーノが日本のアニメーション・ファンだからなんだと思う)
日本人にはお馴染み「ウィーク・エンダー」の♪チャッチャラッチャチャッチャ〜♪←判る?
それから突然浪花節な演歌(女囚シリーズの「うらみ節」って歌なんだってさ。ぴよ知らなかったさ)が流れたり、
ヘタクソな英語で登場する千葉真一は、何故かキャストクレジットが「サニー千葉」になってたり(爆)

ユア・サーマンとルーシー・リューが話す日本語の会話も超笑える!
どーいう脳味噌してたらこんなすっ飛んだ映画作れるんだろ!?
「天才とバカは紙一重」と言うけど、本当にタランティーノったら紙一重の超大バカだよねぇ〜♪(をい)

ここまですっ飛んでると、安心して笑えるから楽しいぢゃーないか!(^_^;)
しかもこの映画・・・続きモノですよ!!
最初に映画のタイトルが出て来た時に「Part.1」って小さく書いてあるから「ん?」とは思ったものの、まさか本当にこんな思わせぶりなシーンで終わるとは思ってもみなかったよ。ぴよ、てっきりこれ一作だけの作品だと思ってたもん。

次回作?
見るに決まってるぢゃん!!
これだけ本気で作って(しかもふんだんに金かけて)超おバカな映画なんて、そうそう見れるもんじゃない♪


ところで・・・この映画って、日本以外でもトーゼンだけど上映してるんだよねぇ?(^_^;)
日本以外でこの映画ってウケるの?






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2003年10月20日(月) キューティ・ブロンド ハッピーMAX

監督:チャールズ・ハーマン=ワームフェルド
出演:リース・ウィザースプーン
    サリー・フィールド
    ルーク・ウィルソン、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
ピンク大好き♪ブロンド娘のエル・ウッズ。ハーバード・ロースクールを卒業し大手法律事務所の一員になったエルは仕事も恋も絶好調!結婚式を間近に控えた彼女は、ある日愛犬「ブルーザー」のママが化粧品会社の動物実験に使われている事を知って、動物実験の廃止運動に乗り出そうとしたもののあえなく惨敗、法律事務所をクビになってしまった。諦めきれないエルは、動物実験を規制する“ブルーザー法案”を成立させる為にワシントンD.Cに乗り込んだのだ!


【感想】
昨年爆発的大ヒットを飛ばした「ブロンド娘エル・ウッズ」が再びパワーアップしてスクリーンに登場!?
前作では高級住宅街ベル・モアで育ったブロンドお嬢様が、自らの努力とパワーでハーバード・ロースクールに入学し、周囲を巻き込んで愛とハッピーを振りまくサクセス・ストーリーだったのに対し、今作品はエルのその後―恋も仕事も手にしたエルがペットのブルーザーを巡り大奮闘するというもの。

話題のファッションは必見♪女子舌なめずり確実のキュートでカラフルでラブな衣装にヘア・メイク&小物、更にエルの愛犬「ブルーザー」の衣装まで凝りに凝ってて、これ見てワクワクしないオンナなんて世の中にいるわきゃ〜ない!

が。

前回かなり楽しませてもらった「エルのポジティブ・シンキング」が、今回かなりパワー・ダウンしているのが残念!
逆境に立たされても持ち前の天真爛漫な性格で自らの運命を切り開いていく、というのがエルの持ち味だったとぴよは勝手に思ってるんだけど、今作は全編通して「都合のいい周囲の手助け」に救われているだけにしか見えない。

優しい婚約者に慰められ、仲良くなったホテルのドアマンから有力な情報を提供してもらい、たまたま同じ社交クラブだった議員に後押しされ、更にたまたま愛犬が恋仲になった犬の飼い主が、これまた法案を通すのに手助けが絶対に必要だった議員だったり・・ここまでご都合主義を押し通されると、さすがのぴよも「う〜ん」と首を傾げてしまう。

クライマックスのエルの演説が説教臭すぎるのも・・・もっと言うと、今この時期にエルに「アメリカ国民はもっと言いたい事をはっきり口にしよう!」「アメリカはビューティフルな国だ!」と声高に叫ばれても、日本人のぴよにはシラ〜ッとしてしまった、というのが正直なトコロか。(^_^;)


あんまり今のアメリカの世界的立場とか、そーいうモノを考えないで見れば・・ねぇ(苦笑)
ま、日本でも大人気のチワワ「ブルーザーちゃん」の超キュートで絶妙な演技、そして最新ブランドに身を包んだエルの可愛い笑顔を見るのが目的だー!と割り切って見れば、そこそこ見ドコロは多い楽しい映画だと思えるんですけど。







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2003年10月17日(金) 死ぬまでにしたい10のこと

監督:イザベル・コヘット
出演:サラ・ポーリー
    マーク・ラファロ
    スコット・スピードマン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
23歳で2人の子持ちのアンは、ある日腹痛で倒れた。病院で検査した所「ガンで余命2〜3ヶ月」と宣告されてしまう。
1人夜更けのコーヒーショップで自分の23年間の人生を振り返った。17歳でファーストキスの相手との間に子供が出来てそのまま結婚。19歳で次女を産み、今は失業中の夫と子供2人の4人で実家の裏庭でトレーラーハウス暮らし。父親はもう10年も刑務所にいる―ほんの数秒で回想出来てしまう人生。アンは自分の病を誰にも告げずにいようと決意し、そして「死ぬまでにしたい事」のリストを作って実行する事にしたのだ。


【感想】
ガンで余命いくばくもない主人公が、自分の残り少ない人生を謳歌し、そして自分の死後愛する人達に幸せでいてもらえるように最大限の努力をしようとする・・・かつて泣きまくって見た「マイ・ライフ」という映画と全く同じネタなんだけど、マイ・ライフはお父さんがガンで、こちらは若い人妻が主人公。

この手の「余命いくばく系」は、愛する家族が自分の存在を忘れないように、自分の死後も家族が幸せでいられるように、と頑張るってのがお約束だと思うんだけど(マイ・ライフは正にそれの王道)、この映画が面白いトコロは「家族の為に」は勿論の事、更に「自分の為に」頑張る所。

17歳で初めての相手とそのまま結婚しちゃって、まともに恋のランデブーを楽しんだ事もない23歳。
夫は優しくて自分を心から愛してくれるし、自分ももちろん今の状態に不足はない・・・けれど、夫以外の男とだってヤってみたかったんだよぅ〜!っていう、すっごくシンプルな「女の恋愛願望」を彼女は叶えようと頑張るのだ。
コレがすっごくぴよは気に入った!

ダンナは確かに失業中で(映画が進む上でダンナもようやく職を得る)貧乏若夫婦なんだけど、決して「こんな不甲斐無いダンナに一生仕えて私の人生終わるなんてイヤー!」っていう展開じゃなくて、自分も心からダンナを愛しているし、ダンナもすっごいイイヤツ。でもダンナだけで終わるのはイヤ!っていう所が良かった。
これが「ダンナが不甲斐無いから」っていう理由だったら、ただの三流不倫ドラマになっちゃうトコロだけど、死を目前にした女が人生を振り返ってみて、不満のない結婚生活だけどそれでも・・・という展開だったからこそ、彼女が自分の人生の最後を本気で前向きに生きようとしたパワーを感じる事が出来たんだと思うのよね。

アンは自分でリストアップした10の「死ぬまでにしたい事」を着実に消化して、そしてその短い生涯を終える。
映画の展開考えると滅茶苦茶泣けそうなんだけど・・・ぴよは全然泣けませんでした。

それはこの映画がつまらなかったからじゃなくて、この映画の作りが非常に爽やかだったからだと思う。
夫と子供達はアンが望んだ通りの形で幸せになり、そしてアンが秘密の情事を持った恋人は、アンをいつまでも忘れずにアンが彼に望んだ前向きな人生を歩む事になるだろう・・・映画を見ていて「よし、よし♪」という満足感と充足感で満たされたお陰で、「悲しい」という気持ちにはならなかった。


情緒が足りないとも言えなくはないけど、ぴよはこういう作りで良かったと思う。
余命いくばくもない、というネタで「泣かせ」を嫌味な程演出する映画はもう見たくないって気持ちもあるのかも。

ぴよは自分の父親をガンで亡くしているので、余計にそう思うのかもしれない。






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2003年10月16日(木) NOVO ノボ

監督:ジャン=ピエール・リモザン
出演:アナ・ムグラリス
    エドゥアルド・ノリエガ
    ナタリー・シャール、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
あるオフィスでコピー係の仕事をしているグラアムは、5分前の記憶さえ直ぐに無くしてしまうという変わった記憶障害の持ち主。ある日オフィスに派遣された新しい事務員・イレーヌに社内を案内する役を仰せつかったグラアム。奇妙な行動をするグラアムに興味を惹かれたイレーヌは彼を食事に誘い、その日の内にベッドを共にした。
グラアムの記憶障害を知ったイレーヌは、マンネリ化する事のない彼との恋愛に新鮮な感動を覚えたものの、付き合いが進むに連れて不安になって行くのだった―彼は毎朝目覚めた時、横に眠る私の顔さえ覚えていないのだ。いつか2人には恋人らしい絆は生まれるのだろうか?


【感想】
5分前の記憶が残らない、自分が誰かも自分の過去も何もかも忘れてしまっている・・・「前向性健忘症」ネタで一番メジャーなのは「メメント(2002年6月5日の感想を参照)」なんじゃないかな?
この映画も前向性健忘という記憶障害になった男との恋愛を楽しみ苦悩する女と、記憶障害になった男が迷走する話。

ヒロインは今年のシャネルのミューズ、新進女優のアナ・ムグラリス。
とにかく脱ぐ!脱ぐ!出しまくる!さすがシャネルのミューズを務めるだけあってすんばらしいスタイルしてます♪アナの真っ裸見るだけで金払って見た分の元は取ってると言っても過言じゃーない(笑)
ついでに言うと、主人公グラアムを演じるエドゥアルド・ノリエガも出しまくってんだけどネ。こっちはいいってか?(爆)

で、
2人がイヤという程脱いで絡んでイチャイチャすんのは勝手にやってもらって構わないんだが、全く持って退屈なのだよ。

まずからして、説明不足過ぎ。
オフィスの女社長は何故グラアムに情事を持ちかけるのか?何故彼に固執するのか?彼と元々どういう関係なのか?
グラアムの監視役フレッドとの関係もイマイチよくわからない。記憶障害になる前からの友達のようだが、それが何故同じ会社でお目付け役を仰せつかってるのか判らない。
更に何故グラアムが一人暮らしをする必要があるのかも不明。これは後の展開上一人暮らしにしておかないと都合が悪いからなんだろーけど、それにしたって一人暮らしをする必然性をストーリー上に盛り込んでおかなければ、観客は見てて納得が出来ないっしょ。

そんなこんなで訳もわからずとりあえずセックス三昧なシーンが続く訳ですから、いくらシャネルのミューズがバンバン脱ぎまくってくれても、かったるくもなるってーもんですわ(笑)

で、結局この映画が何を言いたかったのかもわかんないんだから始末におえない。(^_^;)
(以下、ネタバレなので、未見の方はドラッグしないよーに!)
少しずつ記憶を取り戻し始めたグラアムが、イレーヌと自分との新しい「絆」を作って行くという未来探しの話?

それにしては中途半端なオチの見せ方で、なーんか納得行かないんだなぁ〜・・・
ホント、この映画って裸とエッチシーン見たらそれで万事OK、つーかそれしか印象にないんだよな(をい)






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2003年10月15日(水) クジラの島の少女

監督:ニキ・カーロ
出演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ
    ラウィリ・パラテーン
    ヴィッキー・ホートン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
ニュージーランドの小さな浜辺の村。そこには遥か昔、新天地を求めてクジラに乗ってこの地にやって来たという、伝説の「勇者パイケア」を祖先に持つ部族・マオリ人が住んでいた。この村に伝説の勇者と同じ名を持つ少女パイケアが生まれたが、男でなければ族長になれないしきたりを重んじる祖父コロは、彼女を受け入れられない。村の後継者にと期待していたパイケアの父がこの地を去ってしまったので、コロは新たな後継者選びをする為に伝統を教える学校を作ったのだが・・・


【感想】
マオリ人作家ウィティ・イヒマエラの原作本を映画化。実際にニュージーランドにはこの映画の「勇者パイケア伝説」を今も語り継ぐマオリ人達がいて、その素晴らしい伝統・芸能・芸術の後継者が減って来ているという問題を抱えている。
こういう問題はマオリ人に限った話ではない。
日本でも田舎の過疎化、伝統芸術・芸能の後継者問題は度々口にされるよね。

ぴよは「いたいけな子供が頑張る」「美しい自然」「動物とのふれあい」「伝説」「芸術・芸能」というキーワードに弱い。
「愛と感動の!」なーんてコピーのハリウッド物ヒューマンドラマにはなかなか泣けないぴよも、上記のキーワードが絡んで来る「ご当地映画」にはかなり涙腺が弱くなるんすわ。(^_^;)

そんな「ぴよの涙腺刺激ワード」をムギュギュゥ〜ッ!っと詰め込んだ映画。泣くなっつーのがムリだっちゅーに!(笑)

伝説と伝統に固執する余り、人として最も大切な「家族の愛」を置き去りにしてしまうジイちゃん。イマドキの若者はどんどん村から出て行ってしまい、残ったのは年寄りとやる気のない若者と伝統を小バカにするガキしかいない。
伝統を守り、後継者を育てたいジイちゃんとイマドキの若者(ガキ)との温度差は、そのままそっくり今日本でも嘆かれる過疎化が激しい田舎の苦悩に当てはめて見る事が出来ると思う。

ジイちゃんにどんなに冷たくあしらわれても、それでもジイちゃんを愛し、伝統と勇者伝説を信じて愛する孫娘パイケアのひたむきな様子が実に愛らしい。パイケアを演じたケイシャ・キャッスル=ヒューズちゃん、この映画でスクリーンデビューだそうですが、実にウマイです。マオリ人女優というのがどれくらい映画界で需要があるのかぴよにはわかりませんが、このまま埋もれないで大きく育って欲しいですな♪

話はこの手の映画にありがちな「伝統芸術のご紹介」的ベタな展開ではありますが、変にヒネる必要はありません。
こーいう系が好きな人というのは、ただ見せてくれるだけで満足なんですから♪(をい)
簡単に言っちゃえば「ウルルン」と「世界不思議発見」をドラマティックに見せてるだけなんだけど、これらの番組にハマってる輩だったら絶対に見て損はない感動の映画。

パイちゃんが学芸会でスピーチするシーンでは滂沱の涙でしたわよ。ここら辺りからパイケアとクジラとのシンクロ、伝説の蘇り、そしてラストの出港式での歌と踊り・・・もう何見ても感動しまくってぴよの涙腺ダダ漏れ(笑)


ですが。
一緒に見に行った友達は、全くつまらなそうでした。(^_^;)
何かこの映画には「特殊なツボ」を持った人だけに訴えかける、謎の暗号が発信されているのでしょうか?(爆)






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2003年10月14日(火) エデンより彼方に

監督:トッド・ヘインズ
出演:ジュリアン・ムーア
    デニス・クエイド
    デニス・ヘイスパード、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
1957年コネティカット州、キャシーは愛すべき夫と子供達に囲まれ、雑誌の取材を受ける程の理想的ブルジョア家庭の主婦だった。ところがある日夫の忌わしい秘密が露呈した事でキャシーの人生は一変する。彼女の苦悩する心を唯一慰めてくれる存在だった黒人庭師・レイモンドとのたった一度の逢瀬が誤解を招き、小さな町の格好のゴシップネタになってしまったのだった・・・


【感想】
オスカーにノミネートしまくり、更に世界中の映画賞をノミネート&受賞しまくりの名作系。主演はオスカー女優のジュリアン・ムーア、時代は今正に旬のファッション出まくりの年代と来りゃ〜・・見ない訳に行かないっしょ!

この映画のコピーからして名作系の匂いをプンプンさせてる。
『その美しさに、強さに、切なさに・・・溢れる涙を止められない。』
既に見た人から散々「ウルトラスーパーメロドラマ」と聞かされてたぴよも、このコピーにはしてやられたねっ!


どこで泣けばええのん?


・・・また吠えちゃったよ。(^_^;)

まー、確かにメロドラマだ。
木目細やかな時代考証とか色とりどりの落ち葉舞い散る美しい風景、ジュリアン・ムーア演じるキャシーが身にまとう可愛らしい衣装、ギリギリの線で関係を持たない美しい精神愛(つっても所詮は不倫だけどな)、どれもこれもかなり完成度の高い作りにはなってると思うんだけどネ、

根本的にぴよはこの手のネタが好きじゃないらしい(これ言ったらお終いか?苦笑)

メロドラマを気取りながら「差別ネタ」を軸に据えているのが名作の匂いを醸し出しているんだろーけど、ぴよはこの差別ネタの落としドコロが個人的に好みじゃないんだよな。
確かにこれがこの時代の実際の所だったんだろーけど、最後の最後まで救いのない差別ネタというのは、見ていて余りに辛いのだ。少なくともレイモンド親子がハッピーな予感を漂わせてくれないと、ぴよは悲しいのだ。

黒人差別に恋愛感の差別、人種間と男女間という2つの差別を見せる事で「差別」に対する偏狭な人間の心を浮き彫りにしようと試みたのかとも思えるけど、結局の所そのどちらにも答えはなく、逃げる事でしか解決を見出せないという・・希望も期待も何も持てないオチというのはどーなんだろうか?

大体からして、キャシーという女性はコピーの語るような強い女性だったのか?
これは切ない話なのか?(レイモンド親子の行く末はかなり切ないけど)
レイモンドとキャシーの関係は、ただ肉体関係がなかっただけで美しいと言ってるだけ?


メロドラマだ!と言い切るなら、ぴよには「真珠夫人」の方がよっぽど楽しめる。
差別問題を提起したい!と大見得切るなら、せめて答えになる方向性か、答えが出せないなら救いくらいは欲しい。

どっちつかずの話というのは、どーにも尻がむず痒くなって気分が良くないのだ。






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2003年10月09日(木) スパイキッズ3−D ゲームオーバー

監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ダリル・サバラ
    アレクサ・ヴェガ
    シルベスター・スタローン、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
世界の危機を2度も救ったカルメンとジュニの「スパイキッズ」、ところがジュニは仲間に裏切られたショックでスパイ組織「OSS」を脱退し、1人で探偵稼業を始めていた。そんな折、話題のヴァーチャルゲーム「ゲームオーバー」が発売された。ところがこれは悪のプログラマー・トイメーカーによる、子供達を洗脳するプログラムだったのだ。陰謀を察知したOSSはゲームの世界にカルメンを送り込んで阻止しようとするものの、カルメンは消息を絶ってしまった。
姉のピンチに立ち上がったジュニ。ゲームをクリアして、カルメンと世界の危機を救う事が出来るのか!?


【感想】
大人気「スパイキッズ」シリーズのファイナル。映画の内容自体は全然ファイナルって感じしないんだけど、これはたぶん主人公を演じている子役2人が育ち過ぎて、全然スパイ「キッズ」じゃなくなっちゃったからだろうと思う。(笑)

今回の目玉は、何と言っても世界初の3-D立体映像を駆使した映像でしょう。
監督のロバート・ロドリゲスが「タイタニック」等でヒットをとばすジェームス・キャメロンに協力を依頼、新開発のカメラを使用して映画スクリーンに完全立体3-D映像を実現させたという、正に鳴り物入りの一品だ!
映画鑑賞の際は全員に3-Dメガネを配って、3-D映像になる前にはスクリーン上でちゃんと「メガネかけてねーん♪」とクレジットまで入れてくれるご親切設計。映画の大半の部分は3-D映像になってて、確かにガキだけに見せるには勿体無い超ド迫力映像になってます!


が。  ←だから、字デカ過ぎるってば。(苦笑)


やっぱり内容はただのお子向け映画だった。
最初っから「お子向け映画だ」って言ってるんだから、お子向けなのを文句垂れるぴよもどーかと思うが、前2作のヒットの要因は子供に人気だったからだけではあるまい。
今の映画界、大人の鑑賞に堪えうるお子向け映画を作るのが使命なんではないか?と勝手に息巻くぴよにとって、3-D映像だけに頼った展開では逆にせっかくの最新技術が勿体無い気がするんだよねぇ。

もっとも・・・大体からして無理矢理ゲームの世界に子供が入り込んで、立体映像見せてハイ、お終い♪な内容だから、展開もクソもないですけど。

スタローンの悪役は面白かった。
ちょっとコミカルで、コスプレとかしてくれて、子供が見て楽しめる悪役としてはなかなかいいキャラしてた♪
イライジャ・ウッドが意外なトコロにチョイ役で出てきた時は驚いたけど(彼が出演してるのをぴよは知らなかった)、大人が見て喜べるのはここらの豪華な出演俳優陣を見つけてほくそ笑むトコロまでか。


内容度外視で、最新3-D映像と役者見て楽しむ分にはイケてるんじゃないかな?
今後この3-D映像を利用した、もっと大人が楽しめる映画が出来るであろう事を期待しましょう♪






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2003年10月08日(水) 阿修羅のごとく

監督:森田芳光
出演:大竹しのぶ
    黒木 瞳
    深津絵里、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
昭和54年冬、三女滝子の呼びかけで久し振りに竹沢家の4姉妹が集まった。70歳になる父に愛人と子供がいると言うのだ。滝子が雇った探偵の調査資料に見知らぬ女と父が写った写真があった。4姉妹は母に悟られぬよう、約束をする。
未亡人の長女・綱子の不倫、次女・巻子は逆に夫の不倫に気付いてしまう。三女・滝子は潔癖症が故嫁き遅れ、四女・咲子は売れないボクサーと同棲―それまで冠婚葬祭くらいでしか顔を合わさなかった4姉妹は、父の不貞をきっかけに各々の抱える問題がさらけ出されていくのだった。


【感想】
向田邦子氏原作の同名タイトルの映画化。「向田邦子原作→映像化」と言うと必ずセットで出てくるのが久世光彦氏だと思うが、今回メガホンを取ったのは久世氏ではなく森田芳光氏。
ぴよはこれはちょっと嬉しかった。久世氏も悪くはないのだけど、はっきり言って彼の演出にはちょっと飽きた(苦笑)
向田邦子の世界を「良き昭和の時代」だけでなく、もっと「女の業(ごう)」の部分を掘り下げてくれる、女の業の部分を艶かしく見せてくれる演出が見たかったのだ。

この映画は、とにかくキャストがいい。よくもこれだけ「金の取れる俳優」を集めたもんだ。(笑)
深キョンの演技は置いておいて(こらこら)、それぞれの役者が自分に与えられた役を、実にうまく咀嚼し、そして自分なりのキャラクターを作り込んでいたと思う。向田氏の原作とはイメージが食い違う部分も多々あるものの、逆に向田氏のイメージだけを先行させると役者の持ち味が消えてしまう。
その点、このキャストは各々うまく自分の役を料理していたな、という印象をぴよは持ったんだけどね。

ぴよが大笑いしたのは、三女・滝子の恋人「勝又静雄」を演じた中村獅童のキャラ。この人スゴいよ!とにかくスゴい!!
シリアスで暗く、淡々となりがちな展開の中で、中村獅童のキャラクターが観客のテンションを実にうまく維持させている。彼のキャラがなかったらこの映画は「久世と同じぢゃん」っていう感想になっちゃったかもしれない。(笑)

話の持って行き方もウマイと思ったんだけど・・・もうちょっと前半〜中盤までのエピソードがタイトでもよかったんじゃないかと思う。森田氏がこの作品に思い入れが強かったという現れなのかもしれないが、それにしても少しエピソードを盛り込み過ぎていて、正直言ってダレてしまったのは残念。
母の死後、三女・滝子と四女・咲子が積年の思いをぶつけ合いさらけ出すくだりも、もう少しシンプルなエピソードでもよかったんじゃないだろうか?
(じゃあどういうエピソードならすっきりしたのか?と聞かれると、ぴよにも答えが出ないのですが。苦笑)

仲代達也氏が演じる竹沢家の父、彼のキャラはこれで悪くないが、もう少し父親自身の心の内が見えるような演出も欲しかったような気もしたんだけどな。「阿修羅」な女の業を木目細やかに演出している割に、女の業について回る「男の業」の描き込みが薄かったように思う。
・・あまり盛り込み過ぎると、上映時間が更に長くなって収拾つかなくなっちゃいますかね?(^_^;)

4姉妹の「阿修羅」をコツコツ見せながらも・・・やっぱり八千草薫はスゴかった。
彼女が公園で次女・巻子と対峙し、あの柔和な顔がゆがむ瞬間―――ぴよは鳥肌が立ったよ。
彼女のあの表情なしに「女は阿修羅だよなぁ」というセリフをこの映画に使う事は出来ない。
八千草薫という大女優に、惜しみない賛辞を捧げたい。



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実はこの映画、試写会で見たんですけどネ、
試写室の映写機が故障していて、ブッチブチ映像が切れるんですわ。
15分から20分おきにフィルムが切れて、その度に2〜3分映画が中断する、の繰り返し。(涙)
2時間15分という、邦画にしては割と長い上映時間の作品なのですが、更に更にすんごい大作を見たよーな疲労感が・・

きちんと通しで見ると、この映画の感想がまた違ったものになったかもしれません。
映画が公開されたら、再見したいと思います・・・くすん。






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2003年10月07日(火) えびボクサー

監督:マーク・ロック
出演:ケヴィン・マクナリー
    ペリー・フィッツパトリック
    ルイーズ・マーデンボロー、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
イングランド中部で、かつては有望なボクサーだったが夢破れてパブを経営するビル。ある日「なんでも屋」をしている友人から、巨大エビを使って人間vsエビのボクシング興行の話を持ちかけられた。冴えない生活を変えるビッグチャンスだと直感したビルは、虎の子の貯金をはたいて巨大エビ「Mr.C」を購入、何かと面倒を見てやっているアマチュア・ボクサーのスティーブとスティーブの彼女、そしてMr.Cの3人+エビの一行は、TV局へ番組の売り込みをする為にロンドンに向かったのだが。


【感想】
予告編を見た時から「これは絶対にぴよのツボだ!」と確信していた一作!
何しろ巨大エビだよ。2m10cmもあるエビだよ!しかもすっげー安い着ぐるみみたいなエビだよ!!


これがですネ、
予告編で勝手にイメージしてた「おバカ映画」とはまるで違ってて驚きました。
いつもの感想だったらここで「予告編に騙された云々・・」と書くトコロですが・・・今日は違います!

決してこの映画は「おバカ映画」ではありません。
おバカ映画どころか、物凄く真っ当な「ハート・ウォーミング・ストーリー」なのです!
驚きぢゃーないですか。こんなアホみたいな着ぐるみ巨大エビ出しておいて、ハート・ウォーミングだYO!(笑)

予告編ではやたらにエビが大暴れするシーンを強調して見せてますが、この映画はエビちゃんに関わった人間達の心の葛藤、迷走と苦悩、そして成長を瑞々しく爽やかに見せる、愛と感動のヒューマンドラマなんです!!
・・・ごめんなさい。ちょーっとウソ付いちゃってるかもしれません。(^_^;)

いやでも・・人間ドラマの部分は、割ときちんと描き込みが出来てたと思うんだよね。どこにでもいるオヤジと若いカップルを、どこにもない設定で、そしてきちんと観客を巻き込んで感動のクライマックスシーンに持ち込む妙技。
恐ろしい程安っぽい映画なのに、何か訳の判らないパワーで押し切られてしまいました。(笑)

この映画の何がツボって、本気で真面目にハートウォーミング・ストーリーを作っている・・・なのに、エビ。(爆)

これが人間同士だけの話だったら、どこにでもある3流ドラマで終わってしまうトコロだけど、安っぽいエビを本気で感動ドラマの立役者としてキャスティングしている所が、ぴよのツボにドンピシャ来ちゃったねぇ〜!!
ビルが優しいまなざしでエビの体をマッサージしてやったり、エビがTVの海中映像を見て、足をばたつかせて身悶える姿を見たビルが、エビの心中をおもんぱかって実に切ない表情をする辺り・・・すんごい笑えるハズなのに、何故かちょっぴりぴよまで切なくなっちゃったりして、もう訳わかんなかったっす!(笑)


それにしても、足かせのなくなったエビのあの動きには腰砕けましたわ!!
大真面目に作れば作る程キワモノになって行く感動映画。これでビルが「愛」を取り戻しちゃうんだからスゴ過ぎるってば!

映画のコピーまでもが感動を呼び起こすぢゃーないか!・・・「もう、海には帰れない!」ですぜ?(爆)





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2003年10月06日(月) 巌流島 -GANRYUJIMA-

監督:千葉誠治
出演:本木雅弘
    田村 淳
    西村雅彦、他
オススメ度:☆+


【あらすじ】
1612年、現在の山口県下関市近くの無人島・舟島(後の巌流島)で、佐々木小次郎と宮本武蔵の伝説の決闘―現在「巌流島の戦い」と呼ばれる―が行われようとしていた。宮本武蔵はこの決闘に圧勝したとされているが、後の武蔵はこの戦いについて多くを語ってはいないし、彼の晩年に書かれた「五輪書」においても、この戦いについて一切触れていないのだ。また、この決闘を境に武蔵は闘いのスタイルや芸術に対する趣味嗜好が大きく変化したともいわれている。いったい巌流島で何があったのか?


【感想】
日本テレビが手掛けるオリジナルムービーの第1回作品。宮本武蔵はNHK大河ドラマやコミック等で取り上げられていて、今正に旬の素材。この「英雄視」されている宮本武蔵が、実はとてつもないワルだったとしたら?・・・という、一風変わったアプローチなんですが。


2時間ドラマの特番モノで充分です。


いきなり結論を書いちゃったから、もう感想書く事なくなっちゃったぢゃ〜ん。(笑)

TV局が作る映画ってのは、どーしてこんなに陳腐なんでしょうか?
「踊る大捜査線」でフジが一山当てたのを横目で見ていた日テレさんが、ちょっと色気出して「自分達も大ウケするよーな映画作っちゃおうよ♪」って欲かいちゃったんでしょうか?
何にしても、話はつまんないし、見せ場は面白くないし、とにかく溜息モノですわ。

モッくん(って今も言う人、いる?)はかなり頑張って「汚くて下品な」宮本武蔵を作っていましたが、どーもしっくり来ません。映画冒頭からセリフがかんでて何言ってるのか今1つ判んなかったりして(苦笑)
西村雅彦が演じる佐々木小次郎はなかなか面白かった。小次郎のキャライメージを、西村雅彦氏のお得意な「本人は到ってマジメなんだけど、見てるこっちには飄々としたキャラに見える」という設定にする事で、彼がクソ真面目な顔をすればする程「コレは何かあるな♪」と期待させる楽しさがあります。

・・・期待させますが、何もありませんでしたけど。(涙)

この映画の作りで一番間違ってたのは、「映画は真面目に作ってるんだけど、真面目になればなる程笑える」という、難しいテイストに脚本を作ってしまったという事なんじゃないでしょうか?
どーせなら、最初っから「ブラック・ユーモア満載のギャグ炸裂パロディ映画!」と銘打って、とことんおバカ映画にしちゃった方がまだ観客の笑いが取れる分だけマシだったと思うんだよね。

それを、妙にコ洒落た高等技術で観客のウケを狙おうとするから、こういう失敗作になっちゃう。(^_^;)


大河ドラマで馴染みのいい名前に釣られて観客が来ると見込んでの企画なのか・・・
少なくとも大河ファンが見に来たら激怒し、そしてキャスト目当てで見に来た人は溜息を付く。
そんな悲しい映画ですな。(笑)






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2003年10月03日(金) 28日後

監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィー
    ナオミ・ハリス
    ミーガン・バーンズ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
ケンブリッジ霊長類研究所から凄まじい感染力の「凶暴化ウイルス」を持った猿が逃げ出し、ロンドンはパニックに陥った。感染していない者は国外逃亡し、国に残ったのは感染者と逃げ送れたわずかな人々―事件が起こる前に交通事故で昏睡状態になり、28日後にようやく病院のベッドで目覚めたジムは、その余りに様変わりした町の様子に驚愕する。感染者に襲われそうになった所を寸での所で非感染者に助けられたジムは、この国で何が起こったのかようやく判ったのだが・・・


【感想】
「ザ・ビーチ」で賛否両論(つーか、どちらかと言えば酷評された)ダニー・ボイル監督の新作。・・とエラそーに書きましたが、ぴよは「ザ・ビーチ」どころかダニー・ボイル監督の作品を1つも見た事ありませんわ。(苦笑)
イギリス映画ですが、出演してる俳優さんもほとんど聞き覚えのない名前ばっかり。

さて。
事件から28日後に昏睡から覚めたジムがロンドンの町を歩き回るんですが、これがスゴイんですわー!どーやって撮影したんでしょう?冗談抜きで人っ子1人いないんすよ!
「バニラ・スカイ」でタイムズ・スクエアを完全に人払いしてトム・クルーズを走らせたのなんて、チョロいチョロい(笑)
とにかくロンドン市内から完全に人の気配を消しちゃってますもん!・・・たぶんこれはCGを駆使しているんだろうと思うけど、こういうCGの使い方ってすごく好感持てます。わざとらしいアクションやオモチャみたいなキャラクターにCG使うよりも、こっちの方が断然CGとしての効果が生きてると思う♪

凶暴化した感染者に襲われるくだり等の「絵でビビらすシーン」は、正直言ってそれ程物珍しいモノはなかったんだけど、この映画は決してホラーではないとぴよは思うので、話の流れとして見て楽しんで頂ければいいんじゃないかと思う。

この映画は、絶望的状況におかれた人間がどこまでアイデンティティーを保てるのか?自分の命が危険に晒された時、人はどういう選択をするのか?そして未来に希望はあるのか?・・・そういう、「人間が人間として生きる根源」を探るような話だと思ったんだけど。

ジムという主人公の存在は、人間が人間として生きる上で大切なモノを観客に示そうという、象徴的存在なんだろうな。彼は人っ子1人いないロンドンの町を彷徨いながら、廃墟のような建物の中に入りながら、「HELLO」と声をかける。
「HELLO」―挨拶は人間の基本。人間関係を構築する上で、挨拶は欠かせない。挨拶から人の繋がりは始まる。
すごくシンプルなメッセージだけど、今この世の中に一番足りない「人として生きる基本」がこの映画の中にはある。

映画はラストシーンが2通りあって、まず一通り話が終わってスタッフロールが流れた後で「What if(もしこうだったら?)」と、別バージョンのラストシーンが出て来ますが・・・

ぴよはスタッフロール後のラスト(別バージョン)の方がしっくり来ると思ったんだけどな。
話の展開的に、元々の脚本としてあったのはこの別バージョンの方だったんじゃないかと思うんだけど。
最初はこの別バージョンで作ってみたものの、スポンサーか配給会社辺りが試写した段階で「コレはー・・ちょっとやり過ぎなんぢゃないのぉ?」ってクレームが入って、致し方なくラストシーンだけ撮り直したって感じがプンプンするぞよ。(^_^;)

きっと、監督と脚本家は「なんだよー!オレ達が作ったモノにケチつけんぢゃないよぅ〜」とクダ巻きたい所をグッとこらえて、「だったら映画の後に別バージョンのオチって事で、本来のラストシーンも流しちゃおうぜ♪」的ノリで、小さな抵抗を試みちゃいましたぁ♪・・・ってな展開だったんじゃないかなぁ〜(笑)


DVD化されたら、別バージョンのオチが本編になってたりなんかしてね♪






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2003年10月02日(木) インファナル・アフェア

監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック
出演:トニー・レオン
    アンディ・ラウ
    アンソニー・ウォン、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
警察学校に入ったヤンは、その高い才能を見込まれて極秘捜査官としてマフィアに潜入した。一方マフィアの構成員になったラウは、ボスの命令で内部事情をマフィアに流す為に香港警察に入隊させられた。それから10年―ヤンはボスの片腕に、そしてラウもその才能を開花させて警察で順調に出世街道を歩むようになっていた。
ある日マフィアの麻薬取引の情報がヤンから提供されて、一網打尽にしようとした所、ラウからの密告によりマフィアは逃げおおせてしまう。お互いに内通者がいる事が判った警察とマフィアは、それぞれ内通者探しを始めるのだが・・・


【感想】
ハリウッドではこの映画のリメイク権を巡り激しい争奪戦が繰り広げられ、ワーナーブラザースが史上最高額でリメイク権を獲得、更に主演をブラッド・ピットが演じる事が決まっているそーですわよ♪
ついでに言うと、既にこの映画の続編「インファナル・アフェア2」が本国香港では最近公開になったばかりで、初日興行収入はPart.1の1.5倍を叩き出したという・・・アジアで超話題の一作が遂に日本上陸だぁーーー!

本当は警察官なんだけど、マフィアの潜入捜査官をしている内に精神的に病んで来た男と、本当はマフィアなんだけど、警察に潜入して情報提供者をしている内にどんどん出世しちゃって、社会的地位と美しい婚約者を手に入れた事で「正義の味方すんのも悪くないぢゃん♪」って思い始めた男。
立場は本来逆なのに、各々自分のいるべき場所ではない所で生きている男2人の話。

映画冒頭トニー・レオンとアンディ・ラウの青年時代を、それぞれショーン・ユーとエディソン・チャンという、アジアでは今人気の若手注目株が演じているのですが・・・2人の事をよく知らないぴよは、どっちがどっちだったんだか訳わかんなくなって、ちょっと混乱しちゃいました(苦笑)

加えて、お互いのプロフィールや潜入してる10年間の軌跡の部分がかなり駆け足で説明されているので、そこまで至るのにどんな背景の2人だったのかという肉付け部分を・・・この感想を書く為に公式HPのイントロダクションとストーリーの部分を読んでようやく判ったというていたらくでして。(^_^;)
ま、映画見てここの部分がよく判ってなくても、ちゃんと映画の筋は判りますから大丈夫!(をい)

骨太な男のドラマの王道!
割と淡々と話が展開してるよーに思ったんだけど、見せ場もきっちり押さえてるし、主要キャラの心理描写もソツがない。
トニー・レオンもアンディ・ラウも、実にウマいと思ったね。ちょっと脚本に説明不足な感はあったけど、でもそれをカバーして余りある2人の演技と、そして周りを固める名優達の演技でグイグイ観客を引っ張ってくれる♪

ただね、
ケリー・チャンとの絡みは必要ないだろ。(ぼそ)
汗臭い男ばっかり出て来たんぢゃー観客が納得しないだろーと思って、わざわざ気を利かせてくれたつもりなのかもしんないけど、はっきり言ってケリー・チャンはいらん。

クライマックスの展開はぴよが想像してたのとかなり違ってて驚きましたけど!
もしこの映画みたいな設定が事実あったとしたら・・・この映画のオチが真っ当だと思うんだけど、どーも最近キャストを見て展開を想像してしまうクセが付いてしまって。(^_^;)
この映画から「初心に戻ってピュアな気持ちで映画を見なさい!」とお叱りを受けたよーな(笑)


このネタ、きっとハリウッド・リメイクしても面白くなると思う!
ブラピが演じる「インファナル・アフェア」が今から楽しみになって来たぞ♪






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2003年10月01日(水) マッチスティックメン

監督:リドリー・スコット
出演:ニコラス・ケイジ
    サム・ロックウェル
    アリソン・ローマン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
詐欺師稼業を営むロイは病的な潔癖症に加えて広場恐怖症の男。度々その潔癖症が故にパニック発作を起こすので、相棒のフランクはロイに精神分析医を紹介した。精神分析医とカウンセリングを進める内に、ロイには14年前に離婚した妻との間に子供がいたかもしれないという事が判ったのだ。精神分析医に頼んで元妻に連絡を取った所、14歳になる娘・アンジェラがロイに会いたがっているという。はたして娘と再会したロイだったが・・・


【感想】
「エイリアン」「ハンニバル」「グラディエーター」「ブラックホーク・ダウン」と、様々なジャンルの作品に手をかけるリドリー・スコットの新作は、潔癖症の詐欺師が活躍する!?スタイリッシュ・コメディー。
実はぴよはこの監督が好きではないので(彼の作った作品が好きではない、だな)期待してなかったんですが・・

詐欺師ロイを演じるニコラス・ケイジのキャラクターが実に楽しい!
超潔癖症で食器を汚すのすら嫌い、カーペットにシミが出来るのが嫌で家の中は土足禁止。更に何事も3つ数えるクセがあって、ドアを開ける時は「1,2,3」と数えながらドアを3回開閉してからじゃないと決して開けないというこだわりぶり!
この異常に神経質で、パニックを起こして過換気症候群になったり、チックが出たりする様子が実にコミカルで、ニコラス・ケイジの演技が実に巧みで笑わせてくれた♪

映画前半は、詐欺師稼業の様子や精神分析医とのやりとりと、ロイの潔癖症によるエピソードで観客を軽く楽しませておいて、14歳になる娘のアンジェラと出会ってから、俄然話が面白くなって来る!

アンジェラを演じたアリソン・ローマンは、「ホワイト・オランダー」でその演技力を高く評価された若手女優だけど、今作でも実年齢よりもかなりお若い14歳という年齢を全く違和感なく演じ切っていて、その演技力の高さは本当に素晴らしいの一言に尽きる!!彼女は本当に実力派女優だねぇ。今後も注目して行きたい1人だわっ♪

それまでのコミカルで軽妙な展開から、いきなり話がハードになって来て「え?コレはちょっと違うんぢゃないのぉ?」と、その意外な展開に正直言って多少鼻白んだのも束の間・・・
これ以上書くのは無粋というモノでしょう。この続きは是非映画館で楽しんで欲しいな♪

映画中に細かく伏線を配して、それをオチに上手に結び付けているのも好感が持てる♪
サム・ロックウェルの使い方もいいし、各々のキャラクターが見事にマッチしていて絶妙。
特に凝った撮り方はしていないのに、惹き込まれて楽しませてもらって、そして驚きの展開に納得のオチ。
何もかもが実に調和の取れた完成度の高い映画を、久し振りに堪能させて頂きましたわ♪


この映画のキャッチ・コピーは「2003年秋 絶対キレイに、だまされる」
コピーに偽りなしの映画は、本当に珍しいですよ!・・・ぴよもすっかりキレイにだまされちゃいました(笑)





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