Sotto voce
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2007年05月31日(木) ひとり膝を抱え眠る夜。

職場の同僚が寿退社した。

遠距離恋愛中だったのが、
彼の異動でさらに遠く離れてしまうということで
彼についていく決意をしたようだ。

ただ、なにせ寿退社報告が今週月曜日、
退社日が今日、明日には職場の寮を退寮、
明後日には彼の元へ出発、と
ずいぶん慌しいんだなあと
別れを惜しむ暇もないと言う気も。

同僚・元同僚が結婚ラッシュと言うことで
オネーサマ方の「はよ結婚しなさい」口撃(笑)の矛先が、
独身組では一番上の私に向けられる。



結婚したい人ならいるわよ、ただ相手にその気がないだけで。

・・・そんなこと、口が裂けてもいえないけど。

結婚したくないわけじゃない
でも、その望みは今の好きな人とじゃきっと叶わない。

・・・最後に彼からメール来たのいつだっけ??

そんなことすら思い出せないほど、彼からの連絡がない。
結局今夜も、逢いたい気持ちを抱えたまま
届くはずのない連絡を待ちわびながら一日を終えていくのだろう。

ずっとひとりで平気なわけがない。
寂しくて苦しくて泣きたくなる。
だけど今のあたしには、ずっとひとりでも平気!と
豪快に笑い飛ばすキャラを前に出すことで
今の職場に立ち位置を見出そうとしている。


2007年05月25日(金) 言葉は刃。

今、ある人のサイトを立ち上げる手伝いをしている。

多忙な作者に代わって、
その人の作品を掘り起こし、
ものによっては紙媒体のものをテキスト化し、
改めてweb上に晒す為の作業をしている。

自分を詩を書く人だから余計にそう思うのかもしれないが、
正直過去の作品を掘り起こす、というのは
肉体的にはもちろん、精神的にも辛い作業だ。

その人が綴った言葉が
その作品が書かれた頃の自分の心境にリンクして
心の中の古傷を深く鋭く抉られそうな
治りかけの瘡蓋を思いっきり剥されたような
そう言う感覚に陥ることがある
どうしようもなく不快な気分になって
吐きそうになったことも一度や二度じゃない

その作者に関わっているから
その人がどんな人かどんな行動をしてきたか
その時々のことが思い出されて仕方ない。

言葉は刃、言葉は毒。
使い方によっては高い殺傷能力を持つ。
そういう紙一重の危うさを含んでいる

降りようと思えば簡単にできるだろう
でもあたしはその人に約束をした、
任せてもらったからにはきちんとやる、と。

作業をしながら自分にも言い聞かせている
逃げるな、と。
過去の自分の気持ちと向き合え、と。


2007年05月10日(木) 早く次のを。

ずっとわかってたけど、それでも『心変わり』を願ってた。

醒めたふりしてるけど、興味はないと思ってたけど
私だって一応女、愛する人と幸せになりたい。
今、隣にいる人とこの先の人生を歩みたいと思ってた。

でも、昨日決定的に気づかされた。
彼の未来図に、私はいない。

友達としてなら、私が離れなければ、
彼は私を側に置いてくれるだろう。
『永遠』を願うなら、恋愛感情は捨て去らなければ
きっとこの先つらくなる。

両親をみていて、結婚に夢を抱けなかった私が、
いつの間にかこの人となら…って思えるようになってた。
その気になったのに、相手にはその気はないなんて皮肉なもんだ。


恋愛感情は封じてしまおう。
彼が、友達として私をこの先大切にしてくれるのなら、
それでいい、楽しい、って思えるように。


2007年05月09日(水) マイホーム。

長年住んだこの家を、
手放さないといけないかもしれない。
自業自得とはいえ、とうとうそんなところまで、
父は、我が家は追い詰められてしまった。

この家が建ったとき
我が家は希望と笑顔で満ち溢れていた
20年後に家族は崩壊し
家すら手放さなければならない、
そんな設計図は一枚だってなかったはずだ。

この家を手放して身軽になろうか
父は簡単にそんなことを言う。

手放した所で父が抱えてるものが
どれだけ軽減されるのか。
築20年の家が、父が背負ってるもの全てを
ゼロにする力などないと
私ですらわかっているのに。

家を手放した所で軽減されるのは
父の負債の一部とこの家にかかる税金ぐらい?
それぐらいじゃどれだけ楽になれるというのか
むしろ、新たな住処を探しても
今度は『家賃』というものが必要になると言うのは
父の頭の中にはないのか。

嫁に行くか死ぬか、それ以外では
この家を出て行くことは、父を見捨てることは許さない
遠まわしではあるが親戚連中から念を押された。

寝る間を惜しんで、何もかもを我慢して死に物狂いで働いて
そうすることで一人で生きていくことを選択した方がよいのか
沈みゆく泥舟に父と乗っかったまま暮らしていくのかよいのか
混乱した頭の中では答えを出すことすらできない。

一睡もできない夜もある。
めまいがして倒れそうになる日もある。
それでも明日は、現実はやってきて
何もなかったように生きていく、その繰り返しが
私を今こうやって立たせている、動かしている。


安積 紗月 |MAILHomePage

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