便蛇民の裏庭
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2002年01月31日(木) 性差なく

それでなくてもクラスから浮いた存在だった。
転入してきて、ひとつ年上で。
その転校や留年の理由はとんでもないことになってた。

ぼくが一番驚いたのは
暴走族のアタマの子供を妊娠して中絶。
学校に居られなくなって留年して転校したというもの。
みんなドラマの見過ぎだろう。

ぼくは当時、今みたく金髪だったわけでもない。
いたって目立たない普通の生徒だった。
でも、そんな噂はなかなか消えなかった。

普通に恋の話をしたくても
「あんたからしたら、私たちの恋愛なんかばかばかしいでしょ」
「子供だと思ってるんでしょ」
そんな風にいわれたり。

そしてなぜか、いつも恋の相談を受けてた。
普段親しくもないのに
そんな時だけ寄ってきて、解決したら去っていく。
ぼくは来る者は拒まないし去る者も追わない。

でも、恋くらいしたい。
誰かを好きになって、
目が合ったとか、話ができたとか、
ドキドキしてみたい。

14の冬、ぼくの操は失われた。

もう恋愛も結婚も、できないと思った。
男性に触れることなんか、できそうにない。
クラスの男の子すらみんな怖かった。










15の冬、ぼくは告白をされた。
しかも授業中。

「ぼくはもう処女じゃないし、普通の子じゃないから」
「彼氏が居るの?」
「・・・いやー、レイプされちゃってねーあはは」

なぜそんなことをいってしまったのだろう。

彼は涙を流した。
鼻水をたらしてボロボロ泣いた。

「ひどい、なんてひどいことをするんだ。
男の方が絶対に力も強いのに、何で女の子を無理やり・・・」

ぼくをヤったのは男。
でも、目の前で泣いているこの人も、男。

目の前でぐちゃぐちゃになってぼくのために泣いている
頼りなさげなこの少年に、
ぼくは一瞬で恋に落ちた。

そしてその冬、ぼくのリハビリが始まった。






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2002年01月25日(金) ということさ

ホームページのアドレスを教えて、といわれても
日記を読まれたくない相手というものもいる。
ぼくのこと、よく知ってる人には読まれても平気かもしれない。
でも、そんな人あまりいないんだな。

実際、友人にはまだ一人にしか教えてない。な、酒仙童子。
長いメール友達の一人にも教えた。
それ以外の人にはホームページを作ったことすらいってない。

そこで今回、
見せていい部分とそうでない部分を
パッキリ分けてホームページを立て直した。

日記で知り合う人は
ぼくのすべてを見れる。
身近にいる人間には、
表面しか見えない。

ぼくは温室を大切に思ってる。
つまらない同情を欲して書いてるわけじゃない。
自分が排泄する場をここに持ってきただけ。
出産後の後産みたいなもの。
完全に出し切っておかないと体調が元に戻らない。

書くという行為が、
自分を癒すことを知った。

すっごくいやなことがあったとき
誰にでもいいから手紙を書く。
恨みつらみもすべて吐き出す。
書き終えた頃にはすっきりしてるから
その手紙を破き捨てる。

そんな排泄物とか恨みつらみを読まされる人間は
たまったもんじゃないだろうけど。


2002年01月21日(月) ご指導願う

ぼくを好きになる人というのは、多分、きっと、もしかして、
ゲイの素質があるのではないだろうか?

だって、ぼくに女らしい一面はない。

下半身は確かに女性だけれど、
見た目は限りなく男のような気がする。
これでふくよかな胸があったら少しは違うかもしれない。
でも、ない。
考え方とかも、なんだか男みたい、といわれる。

髪をながーくしていても、
それでも男性と間違われる。
巷には、髪の長い男性もごまんといるし。

一緒に食事に行き、料理を取り分けてくれるような子を見ると、
あー、女の子って感じがするなー、と思う。
ぼくは取り分けてもらったものをひたすら食べる。

いろいろと気はつく。
でも、気を利かせられない。
ずっと頭の中で考える。
考えてるなら行動にうつせ。
でも、うつせない。

ニューハーフのお店に連れて行かれたとき、
おねいさんたちに怒られた。

「あなたおなべ?」

「せっかくタダで女に生まれてきてるのに、何それ」

「私たち、いくらかかって女になったと思ってるの?」

ハイ、ごもっともです。
ゴメンナサイ。

おねいさんたちはキレイだった。
さすが、女になりたくてなっただけある。
ぼくみたく

生まれてみたら女だった

というわけじゃない。
胸もぼくより大きくて。

ニューハーフのおねいさん。
是非是非、お友達になって欲しい。
と、それ以来ずっと思ってる。


2002年01月18日(金) タバコの話

ぼくはいかにもタバコを吸いそうな風貌らしい。

食事に行くと
「喫煙席でよろしいですね?」
とかいわれる。
普通は喫煙席か禁煙席か訊くのではないのか?
灰皿も、どんと目前に出される。
火を貸してともいわれる。
タバコを差し出してくれる人も多い。
手元にないので吸わないでいる、
と思われるようだな。
でも吸わない。

いや、正直に言おう。
吸わないのではなく、吸えない。

母は切りっぱなしのピースを吸っている。
もしくはハイライト。
タバコの種類はわからないが、
キツイ系のタバコらしい。
時々、ジョーカーという変なタバコも吸う。

そんなモノを「ちょっとトイレ行ってくるから吸っといて」と
小学生の娘に差し出しやがる。
断ると「つまんない子ーっ」という。

あまりにススメるので吸ってみたこともある。

ぐぇほ。けほけほけほけほ。

それを見て笑いやがる。

祖母もかなりのヘビースモーカー。
なぜか立ち膝してタバコを吸う。

相方に、ついでにタバコを買ってきてと頼まれる時、
ナニを吸っているのかがわからなくなる。
相方は昔から・・・
あれ、なんだっけ?

見てきた。
セブンスターだった。

それでお店に行くと、
マイルドセブンだったかなぁ、
と首をかしげる。

もっとわかりやすいタバコだったらよかったのに。
いや、ひょっとしたらものすごくわかりやすいタバコなのか?

ぼくの目には、みんながお札をくるくるっと撒いて
火をつけて吸っているように見える。

遠慮してるんじゃない。
美味しくないから吸わない。
むせちゃうだけだから。
だからお願い、ぼくにタバコを勧めないで。


2002年01月15日(火) 掃除機さん

家電製品は10年程で壊れ始めるとか。

うちの家電製品は揃って8年モノだ。
コタツなんぞはもう
ぼくが高校の時に買ったものだから
10年以上経っている。

テレビとビデオは買い換えた。
さすがに子が手出しするものの壊れ具合は激しい。
次は洗濯機か?冷蔵庫か?
と怯えてたら、掃除機が壊れた。

ホースに亀裂が入って
吸い込みが悪くなって
そろそろかなぁと思っていたら
飲み物の蓋を吸い込んで詰まってしまった。
どうやっても抜けないし。

8年間、よく立派に働いてくれた。
子の玩具を吸い込んだり土や埃を吸い込んだり。
掃除機さん、今までアリガトウ。

そんでさくさくと電化製品を見にいった。
目的はもちろん掃除機。

が、色んな物が

「私を奪って!ここから連れ去って!」

と、呼びかけてくる。
いちいち連れ帰ってたら破産するのだが。

「おにいさん、ちょいと遊んでかなぁい?」

と、身をくねらせる家電製品たち。

あたしったらこんなすごいこともできちゃうのよ
試してみたくなぁい?

みたいみたいっ。

と、一人家電製品と語らう。

散々浮気したあとに
ようやく本命を射止めて帰る。
家電ショップに限らず
どこへいってもそうだがな。

いらっしゃいまし、掃除機さん。
これから一生懸命働いて
子の玩具を吸い込んだり土や埃を吸い込んだりしておくれ。


2002年01月10日(木) 写真

突然ですが。

ぼくはどうも写真を撮るのがヘタ。
カメラが悪い訳でもないと思うんだけど。←ちょっと思っているのか?
肝心な被写体のピントも合わないし、大いにズレてるし。
撮ろうとするものがまた厄介だし。
ちっこい素早いネズミでしょ。
そして植物のアップでしょ。
ボケボケでなに写っているのかわからんのだよ。

そんなクセしてイッチョマエに
欲しいカメラはEOSKISS。
実はそれしか知らない。
宝の持ち腐れといわれようとも、
いつか手に入れて見せるぜ。
まずはヘソクリためないとな。

観光スポットでボーっとしてると
「シャッター押してくださーい」
という観光客に捕まって、逃げられない。
けれど、思い出の品を台無しにしたくはない。
なので相方に頼む。

一人の時はつらい。
ココロの中で
「ごめんなさいごめんなさい」
と、謝りながらシャッターを押す。

母が撮る写真はもっとできが悪い。
必ず指でフラッシュをふさいでいる。
心霊写真かのようなものばかり撮れる。

最近見に行くようになったHPには
あぁっなんてなんてっなんていい写真なのぉー!!
と、叫びたくなる写真が溢れていて
叶わない欲望が湧き起こる。

こんな写真が撮りたい。

この風景を、この瞬間を、切り取りたい。

でも。
自分で撮ってみたらあら不思議。

ぼくが見てたのはこんなだったか?

正直にいいます。
羨ましいです。ハイ。



2002年01月09日(水) 外は猛吹雪

こんな寒い日はお風呂でしょ、やっぱり。
子供と一緒にぬくぬくと入浴。

あー、今頃とうちゃんは外で寒い思いしてるかもねー。
かわいそうにねーあははははー。

すると微かに聞こえるカンカンカンカンという音。
あぁっ、灯油切れでストーブが怒っている。
相方に給油を頼んでおいたのにぃ。

こんな状態でいたら速攻で家の中が真冬になってしまう。
灯油灯油。急いで給油せねば。
子供らが風邪ひいてしまう。

風呂から上がり、急いで服を着込む。
髪なんぞ乾かしてられない。
「かーちゃん灯油入れるから、いい子で風呂に入っててね!」
子供にいいきかせる。
そして覚悟を決めてコートを着て外へ飛び出す。





やはり外は猛吹雪。
それも半端じゃなく。

吹き付ける風が頬を切る。

階段が吹き付けられた状態で凍っている。
滑って転ばないように急いで物置へ。

物置。凍っている。
ドアが開かない。

ドアと格闘している間に髪の毛が凍っていく。











うぉーーーー!!
家の前で遭難するー!!












思い切りドアを蹴飛ばす。
ドアが開いた。
大急ぎで灯油入りポリタンクを担ぎ上げ階段を上る。

無事灯油を入れ終わった頃には体がすっかり冷え切っていた。
頭が凍るっていうのはなかなか怖い。

相方ごめんよ、敬わなかったぼくが悪かったよ。
でも灯油くらいちゃんと入れておいてくれ。


2002年01月07日(月) 枯れ木に花を

ぼくは母のことを名で呼んでいる。
母という気がまるきりしないからだ。

母の仕事はラブホテルのベッドメイク。
夜の出勤で朝の帰宅なので、昼間寝ておかなくては体が持たない。

母はベッドメイク以外のこともやらされている。
もしも知らないでそんなホテルに入って
フロントで出くわしたら、笑うしかない。

そうならないようにと、
母はきちんとどこで働いているか教えてくれる。
ぼくが他の男性とそういうところへ出没すると読んでいる。
ぼくがこれほど長い間、
一人の人と付き合ったことなどないから、
という。

「ぼく、結婚したんだよ、一応いっておくけど」

「結婚なんて紙切れ一枚でどうにでもなるよ。
要は気持ちでしょ。
抱いてくれない旦那と暮らしてて楽しいかい」

「もう慣れたから」

「あんたも枯れたもんだねー」←失礼な!

でも、枯れておかないとね、
やってらんないんだよ、色々とね。

ちなみに母は下着をTバックしかもたない。
まだまだ花盛りだな。くぅ。


2002年01月05日(土) 新年の恒例行事

それは『家族風呂』へ行くことだ。

家族風呂。
なぜかサウナ付を借りる。
ちょっと入ってすぐに出てしまうくせに。
ぼくはダメだ。
きっとすぐに倒れてしまう。
裸で救急車は勘弁だ。
でも、ちょっとだけ入りたい。

今回はサウナなしを借りた。
子が大きくなったせいか、
以前来た時より少し風呂が狭く感じる。

先に子をざぶざぶと洗う。
そして子らは湯船で遊ぶ。
子はさっさと茹るので、さっさと上がり、
脱衣所でテレビを見ている。
そんなのを眺めつつ、のんびりと体を洗い、
ゆったりと湯船につかる。

子らはお約束ですってんころりんと転ぶ。
「ほら!気をつけないと!」
とかいいながら相方も転びそうになる。

うちの風呂は狭い。
子供と2人で入ってももう窮屈極まりない。
しかも膝を抱えて座らないといけない。
その周りには玩具が溢れてて
風呂に入ってるのか玩具に入ってるのかわからなくなる。

ゆったりと寝て入れたら極楽だろうな。
こうさ、湯船の周りにロウソクなんかさ。
アロマとかさ。
バブルバスとかさ。
あぁ、いいねぇ。

便母が職場からもらってくるんだよな。
バブルバス。
でも自力で泡立てないといけないんだな。

そう、家族風呂の広々感がたまらない。
子供が走り回ってもいいくらいだ。
玩具を何個浮かべたって気にもならない。

湯気で盛大にもうもうとしている家族風呂。
ボーっとしてても冷えることはない。
というか、入った瞬間から暑くて仕方がない。

湯上りはいつまでも汗がひかない。
いつまでもとめどなく汗が流れ出る。

で、そのあと外に出る。
髪の毛が一瞬で冷える。
でもなんだかこう、体から湯気が出そうな感じで好き。


2002年01月04日(金) 帰って来た酔っ払い

たっだいまー♪

でも、酔ってない。
あんなに飲んだのに。
やっぱり朝までいかないとダメなのか?
ん、そこんとこどうなんだ、酒仙童子よ。

酒仙童子にいただいた誕生日プレゼントは

『セイロン弁慶草』

軽く土にさすか、葉っぱを水に浮かべておくと
芽が出て子持ち葉っぱになるという代物だ。

君はわかっているな。
ぼくの欲するものを。

君とは温室も裏庭も知り尽くした間柄だ。
飲むペースも同じ。
気兼ねなくガンガンいける仲だ。
今日は今ひとつ時間がたらなかった。
今度は帰さないわよん。

ぼくが未婚だったら
君と共に旅に出るのだが。
妻子持ち 夫子持ちのぼくを許しておくれ。


2002年01月03日(木) 普通さ、あぁ、そうさ

誕生日の1日。


子供のスキーセットを買いに行く。
そしてついでに子供の靴を買う。
自腹で念願のデジカメを買う。






相方から『誕生日おめでとう』の言葉はない。






・・・いいの。
本来、誕生日というものは

『生まれたことをありがたく感謝する日』
なのだよ。
『産んでくれてアリガトウという日』
なのだよ。

と、自分に忠告を与える。



相方の趣味であるパチスロに連れて行かれる。
何年ぶりだ、こんな賑やかなところにきたのは。
目が痒くなるし耳が痛くなる。

渡されたメダルをわけのわからないまま
ただただ黙々と機会に投げ込んでいく。
黙々とメダルがなくなっていく。

ぼくには向かない趣味だ。



帰宅すると掲示板に誕生日おめでとうの書き込みが。
あぁ、今年は初めて誕生日おめでとうをもらったよ。

メールチェックをすると友人からのバースデーカードが。
あぁ、ありがたいねぇ。
持つべきものは友達だねぇ。

明日、いや、もう今日だな。
君よ、一緒に飲み明かそうではないか。
愛すべき酒仙童子め。
共に夜の藻屑と化そう。




最後に
「29歳にもなったら、
めでたくもないしょ?」

という相方の言葉を胸に刻んでおこう。


2002年01月02日(水) わたくしごとだ

どうでもいいことなんだけど。

今日、29歳になりました。

今でこそ、
年末も正月も関係なくお店やってて
コンビニなんかもあって
欲しいものはいつだって手に入る。

いいねー、ありがたいねー。
本当にいいのかどうかわかんないけどね。

ぼくが小さかった頃。
ケーキを年末に買って置いておく訳にもいかず。
誕生日ったって何にもない。

餅は山ほどあったけど。
それに親戚の家にいるときはご馳走も作ってもらったけど。

そんな時、ばーちゃんがね、
「誕生日なのにかわいそうだから」って
仏壇からロウソクをもってきた。
そんで焼いた餅にさした。
年の数だけ。
その餅を見て幼心に思った。

あぁ、まるでぼくの人生のようじゃないか。

ばーちゃん、ありがとう。
ぼくはね、嬉しかったんだよ。
でも。

誕生日のたびに、そして餅を焼くたびに。
思い出すんだよ。
あの八つ墓村な餅を。


2002年01月01日(火) 今回は勝利

何がって、年末入浴争奪戦。

母上と一緒に、のんびり紅白を見てたんだな。
おぉ、森昌子だよ、なんて盛り上がってたんだな。
そして気付いた。

あ!風呂も洗ってない!!

大急ぎで風呂を洗い、お湯をためる。
この時点で30分前。

お湯がたまった頃、すでに5分前。
大急ぎで裸になって風呂場に飛び込む。
そしてカウントダウン15秒前に入湯。

はーぁう、極楽極楽

今年は勝ったぞ。
お湯の中で握りこぶし。

お湯の中でみんなからの新年の挨拶を受ける。
至福の時だ。

が、しかし。
相方は昨年ぼくからこの栄冠を奪ったことなど忘れていた。
孤独な戦いよのぉ・・・


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