5月に父が亡くなり、新盆を迎える。 昨日は、お盆の提灯を買いに行き、ついでに、スーパーとか、デパートをハシゴして、ウインドウショッピングをしてしまった。 見るだけでいいのに、半額ですと言うのに釣られて、サンダルと、ホームドレスなんか買ってしまった。 両手に、提灯と、衝動買いした私用のグッズと、食料品と、お菓子と、盆花で、結構な重さと嵩になり、よろよろと帰ってきた。 でも、最近、物を買わなくなったなあと思います。 昔は、デパートなんかで、洋服や靴やバッグを、飽きもせず見て歩いたものだが、最近は、何も欲しいと思う物がなくなり、滅多に行かない。 聞くところに拠ると、買い物の欲が無くなるというのは、老化現象なんだそうだ。 ロンドンにいた頃、セールの日に、ハロッズの階段を駆け上って、ウェッジウッドなんかを手に入れたりしたことを思い出す。 やはり、あのころは、若かったのだ。 そして今日は迎え盆の日。 珍しく早起きし、夫の運転で父の墓へ。 幸いすいていて、1時間弱で着いた。 墓石の前が、傷んでいたので、修理を依頼してあったが、完成したというので、それも、確認することになっている。 石屋で花を買い、墓前に移動。 広い霊園なので、歩いてはちょっと行けない。 墓碑には、新しく父の法名が刻まれており、墓の周りも、すっかりきれいになっていた。 石屋が来たので、納骨の状態も見せて貰った。 父の親、兄弟など、10個の骨壺が収まっている。 昼近くなので、ものすごい暑さ。 線香に火を付ける間に、夫のシャツは、汗で背中が濡れたようになった。 花を供え、手を合わせる。 子どもの頃、祖父の後ろで、毎朝お経を読まされた記憶があるが、忘れてしまっている。 経本を開き、読んだつもりで、合掌した。 そのまま母の元へ。 車の中は、亜熱帯である。 クーラーがやっと効いた頃、母のいるハウスに着いた。 そこでは火事の危険を避けるため、蝋燭や線香の火が使えない。 そこで、仏壇は親たちがいた時のまま、私の家に置いてあり、母の処には、手頃な台に、父の法名を書いた繰出位牌を置き、そのそばに親族の位牌を置いて、供養できるようにしてある。 先日、葬儀の勤行を勤めてくれたお寺の住職に聞くと、仏壇は私の処、位牌は母の処と、分かれているが、それは構わないと言う。 「遺族の事情で、いろいろな場合がありますからね。要は亡くなった方への、供養のお気持ちですから」というので、そこのお寺で、位牌に法名を書き込んで貰ったのだった。 台の傍に、持ってきた提灯をセットする。 豆電球で明かりがつくようになっている。 台には、なすで作った馬を置き、「これに乗って、お父さんが帰ってきたんだから、拝んで頂戴ね」というと、母はとても喜んで、提灯のスイッチを点けたり消したりして、具合を見ていた。 明日からは、毎日、親族が、来ることになっている。 家に帰ったのは3時半。 早起きしたおかげで、時間が有効に使えた。 それにしても、暑かった。 後で、今年最高の気温だったと知った。
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