沢の螢

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同期会
2006年05月13日(土)

学生時代に入っていた合唱団の同期会に行く。
本当は一番いい季節のはずなのに、冬に戻ったような寒い一日。
行きも帰りも雨だった。
参加者18人。
親の介護や、自分自身の病気などで、出て来られない人も何人かいたが、いつも顔を見せている人たちは、大体来ていたし、賑やかに話が弾んだ。
若い時のように声は出ないし、音程もあやしくなっているが、昔唱っていたレパートリーは、なんとかハモった。
1分スピーチが、みな、5分くらいかかって、思いの外、時間を取られてしまったのは、お互い老化現象なのである。
ひとの話は長く感じるのに、自分の番になると、ついつい長くなってしまうのも、特徴。
年に一度の顔合わせだから、近況を聞いても、たいてい帰る頃には忘れてしまう。
立食パーティなので、食べたり飲んだりしながら、いくつかの固まりが出来、話はそれで充分な気がする。
折角だから唱う時間を多くした方がいいのに、と正直思ったが、いざ自分の番になると、やはり5分くらい喋ったようだ。
近況として、父の亡くなった話をした。
あっさりと聞いてくれたのは、もうみんな、もっと早くに親を亡くした人が大半だからである。
自分自身の老いが迫っていて、連れ合いに先立たれたひともいるのだ。

三人の幹事が、毎年開いてくれる会。
昨年、もう発展的解消をしようかという話も出た。
出てくるメンバーは大体決まっているし、元気な人はそれぞれ、仕事や趣味で忙しいし、合唱の同窓会はほかの年次でもやっているので、そちらに合流してもいいのではないかという案である。
しかしやはり、同期の会は得難いので、続けましょうと言うことになり、今年もいつもの場所に顔を合わせた。
午後四時に集まり、九時に解散。
同じ電車に乗る人と、途中まで一緒だった。

今日は、晴れていれば、同期会の前に行くところもあったのだが、寝坊してしまい、慌ただしく出かけるのもイヤなので、そちらはパスした。
もう一日に一つのことだけでいいと思うようになった。
これも、加齢現象であろうか。
することが沢山あって、いつも忙しく、あちこち飛び回る生活をするのを自慢にするひとが、私の時代は結構いた。
リタイアする年になっても、相変わらず、同じような日々を送り、その人たちは、ひとより忙しいと言うことが、未だに誇りなのだ。
今日もそんな人が何人かいた。
若い頃は、「すごいなあ、エネルギーがあるなあ」と感心したものだが、今は、思わない。
なんで、そんなに忙しくなきゃならないのと、冷ややかに見ている。
そう言うタイプのひとは、多分、どんなに時間があっても、足りないのだろう。
死ぬまで、何かに追われて暮らすに違いない。



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