沢の螢

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春うらら
2006年03月25日(土)

中世文学なんかに浸かっている間に、季節は移りすぎて、彼岸も過ぎ、今日は3月最後の週末。
いい天気である。
連句の会も一つあるが、こちらには昨年からほとんどご無沙汰。
連句の会も、さまざまあれど、メンバー構成もいろいろで、進んで行きたい会と、あまり気の進まない会とある。
一昨日の会は、個人で連句会を主催している人が、一月前から呼んでくれていたもので、メンバーは常連の3人に、その都度、違うメンバーを3人加えて、やっているようだ。
1月にも呼んで貰い、今年2度目。
いずれもいいメンバーで、楽しく、闊達な座だった。
11時から午後5時でピタリと終わる。
ずるずると2次会まで、引きずらないところも、かえってすっきりしていい。
主催者は男性。
ほかのメンバーはみな女性。
中高年ばかりだから、今更おとこおんなもないようなものだが、やはり女の声は姦しい。
「女のおしゃべり、うるさくないですか」と訊いたら、「いやあ、同じウルサイなら女性の方が、いいですよ。男は、蘊蓄垂ればかりだからね」という答えが返ってきた。
フムフム、なるほどと、いくつかの顔が浮かんできたが、ほかの人が思い浮かべた顔と同じだったかどうか。
忌憚ないおしゃべりの中でも、ある一線を越えないところが、常識をわきまえた中高年グループの良さである。
こういう会には、呼ばれれば喜んでいくことにしている。
今日の連句会も、ひと頃まで、進んで行っていたが、昨年合唱の練習とかちあって、ご無沙汰しているうちに、だんだん雰囲気が合わなくなった。
「たまには来ませんか」という誘いが前回あって、気持ちも動いたのだが、結局足が向かなかった。
そんなわけで、今日も、久しぶりの麗らかな春の一日を、家で過ごすことにした。

この時期、花粉症の夫は、外の空気に触れたくないと言うので(そのくせ夜の飲み会には出かけていく)、毎年、春彼岸の墓参りは私一人で行っていたが、先々週の14日、少し寒いが、花粉も少なそうだと言うことで、夫の運転で、思い切って早めの墓参に行った。
彼岸の中日の頃は殺人的に込むが、その日は、平日で道もすいていたので、すいすいと、霊園に着いた。
高台にある墓地は寒かったが、人が少なくて、静か。
いつもよりゆっくりと、墓地の周りをきれいにし、植木の手入れもし、花を生け、手を合わせた。
ここには、夫の両親と、生まれてすぐ死んだ弟が眠っている。
霊園内のレストランで、遅めの昼食をすませ、帰路についた。

毎年よ彼岸の頃に寒いのは  鷹羽狩行

この句は、作者の母親が言ったことばをそのまま句にしたとか。
確かに、彼岸過ぎから、大分春らしくはなった。
台風のような荒れた風の日も、何日かあったが、やがて、春も終わりにはいる。
21日、甥の結婚式。
WBCで日本が優勝。
めでたさ一杯の一日が終わり、昨日は、父母のところへ。
父は私の顔がわからないようだったが、母は、先週引いた風邪の具合も良くなり、声も、普通に戻っていた。
孫の結婚式に出るつもりでいたのだった。

春宵や母の涙の皺伝ひ



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