「子供の頃、「チ・ヨ・コ・レ・エ・ト」と号令を掛けて、歩を進める遊びをしてました。そのころ、チョコレートなんてなかったんです。 イヤ、あったのかも知れませんが、普通の家には、手の届かないものでした。 それが、いまや、2月になると、街の角々で、リボンなんか掛けて売っている。 そして、勤め先のおじさんたちに配るため、若い女性がいくつも買っていきます。 家のオジサンも現役の頃、そんなチョコをもらって、戸惑っていました。 私は、食べる役目を引き受けましたが、「ホワイトデー」なんかに協力したことはありません。 「アナタが返したかったらすれば」と冷ややかでしたので、オジサンは困って、まとめてご馳走したりしたらしいです。 そのうち、投資するほどの効果がないと思ったのか、女の子たちがチョコをくれなくなって、助かりました。 食べたいときは、ブッカキチョコのビターを買って、酒の肴にします。これが一番です。 つまらない風習はやめて、そのお金を、アフリカなどに寄付すればいいんです。」 あるサイトの掲示板に、こんな記事を投稿した。 私よりは一世代若いと思われる男の人のサイトである。 「今日の問題」という題で、時々時事問題を書いていて、ちょうどバレンタインデーのテーマが載ったところであった。 「読みましたよ」という挨拶代わりに、書いたのである。 すると、「アフリカに寄付」のところで、「厳しいですね」と、返事があった。 そこでまた投稿し、「真に受けないで下さい。そんなことを言いつつ、私もネットのお友達に、チョコをばらまきました。中には本物のチョコが届くと思った人もいるようです」と書いた。 するとまた返事があって、「本気にした人はかわいそうだなあ。」とため息をつくような記事が載った。 私は、ユーモアのつもりだったが、男の人は案外、こんなチョコひと津のようなことも、気に掛けるのかと、意外だった。 連句のボードにも、「殿方にはチョコ進呈」と書いたが、本気にしているのだろうか。 ちょっと心配になった。
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