沢の螢

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あやかし
2002年12月15日(日)

今日珍しい人からの電話。
2ヶ月前まで、私の連句ボードに参加していて、途中からやめた人。
何が気に入らなかったのか、突然プツッとボードから居なくなったのだった。
それまでは、毎日のように電話をかけてきていたし、夏には、私の山荘にも来て、仲良くしていた。
ネット連句で、私の捌き方に不満を言ってきたが、ネットはネットの世界、彼女だけがメンバーではないのだから、いろいろ考えて、捌いたつもりだった。
それが気に入らぬからといって、挨拶もなしで消えたのだから、ずいぶん失礼な人だと、私も、こちらから何かを言う気はせず、放っておいた。
ご機嫌を取ってまで、ボードに参加してもらう必要はないのである。
なぜ急に今頃になって、電話をかけてきたのかわからないが、2ヶ月の間、彼女なりに、気にはなっていたのかも知れない。
先月、連句関係の人たちが20人ばかりで、何かの行事に出かけ、私は誘われていなかったが、彼女も、そのメンバーに加わっていたということをきいた。
声をかけてくれてもいいのにと、あまりいい気持ちはしなかったが、要するに友達甲斐のない人だったのだと思うことにした。
自分の得になるようなつきあい方しかできないのだなと、思った。
今日の電話は、あるパーティーに行きましょうという誘いだった。
でも、話している内に、誘いのほうは口実で、私から、何かを引き出そうとしていることがわかった。
そんな風に人を疑うことも、今まで私は、あまりしなかった。
でも、連句の世界は、頭のいいすばらしい人がたくさんいる反面、インテリ特有の詐術に満ちた意地悪や、弱者を侮る悪さも存在するところがある。
それは、人間の集まるところでは、どこにでもあることかも知れないが、表向き紳士淑女を装っている人たちのそれは、まことに始末が悪い。
私は、ストレートにものを言うので、誤解されやすく損な質であるが、ひとには、誠実に尽くしているつもりだし、偽りの人間関係は持ちたくないと思っている。
自分で言うのも変だが、かなりのお人好しだと、思っている。
だから、サービス精神がありすぎて、誘導尋問に引っかかりやすく、訊かれたことは、つい正直に言ってしまうところがある。
私の言ったことが、すり替えられたり、逆に、言いもしないのに、その場にいたために、私のせいになっていたり、なんてことはざらである。
人を疑うことをしないので、そういう結果になるのだが、このごろ、そんなことでさんざんイヤな思いをしたので、今日の電話にも、つい、あれっと思ってしまったのだった。
彼女は、私から、この2ヶ月間、私がどんなところで連句をやっていたか、それとなく聞き出して、満足したらしく、長い電話を切った。
久しぶりのおしゃべりで、こちらも、つい、以前のように気を許してしまったが、あとには、苦いものが残った。
パーティーの誘いを、曖昧にしてしまったことが悔やまれる。
メールで、簡単に、断りを入れることにした。



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