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ネット語、あるいはネット人格
昨日の話に続く。 さまざまのホームページを見ていると、すでに名のある人の物は別として、多くは、ネット上の名前(ハンドル名というそうだが)を名乗って、自分のホームページを運営したり、ひとのサイトに書き込んだりしているようだ。勿論、本名を使っている人も、少なくないので、それはここでは触れない。 私自身も、文芸に関するいくつかのサイトに、参加しているが、いずれもハンドル名である。虚構の世界で違う自分を演ずるという愉しみもあり、違う名前を名乗ることで、かえって本当の自分がさらけ出せると言うこともある。 しかし、いくら別名を名乗ったところで、そこにいるのは、紛れもない私であり、表現したことについての責任は、私にある。だから、むしろ、現実の世界よりも、違った気の使い方、細かな神経の配り方が、必要なのではないだろうか。 実際に顔を見て話をするのと違い、ネット上では書かれた言葉だけで、その人を判断するので、時に思わぬ誤解や、人の神経を逆なでするようなことにも遭遇する。 実際の場では決してしないような不作法な物言いや、初対面の場ではおそらく使わない表現を、ネットでは平気で使ったりする。 グハッ、ガバッ、グシュッといった擬態語、擬声語の不必要な多用、また自分を動物や鳥になぞらえた名を付けるのはいいが、メッセージの中で「ワンワン」だの「カアカア」、「ヒョロヒョロ」といった鳴き声などを織り込む。お互いにそれを共通言語として愉しんでいるところは、それでいい。しかし、私なぞは、その手の表現が大嫌いだし、出来ない。これは、私の偏見で、好みの問題であるから、違う意見があって構わない。 ただ、出来れば、解説無しの日本語で、解り合える場所に、身を置きたいと思うだけだ。言葉ほど、デリケートな物はないのだから。そして、私自身、自分の言葉が一人歩きする危惧をいつも抱いている。
2002年01月14日 12時06分45秒
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