a Day in Our Life
「俺は亮の、痛みも弱さもよぅ知っとるよ」
それが何?くらいの気軽さで村上は笑った。 「強気なキャラクターの裏で本当は気にしとることも、傍若無人に見えて本当は優しいことも。毒舌は隠れ蓑みたいなもんやねんな?すぐに強がる癖も、よぅ知っとる」 ホンマは全然格好よくなんかないねんな?と笑う村上の言葉に、見透かされたようで恥ずかしくなる。けれど不思議と不快ではなくて、泣きたいくらいに嬉しいとも思った。まるで言葉に傷付いたように見えるその涙は、そうではないこともたぶん、目の前の村上には分かっていた筈だから、安心して錦戸は泣き笑いの表情を浮かべた。 「男前が台無しやで」 格好よくはない、と言った側から男前だと訂正した。だからそれは表面ではなく、内面の話で。本当はダメなのによくなろうと頑張っている人が好きなのだ、と村上はまた笑った。 「…何やろなぁ。村上くん」 泣いているのに笑っている。錦戸にもよく分からなかった。ただ、自分でも分からないのだけれど。内側から溢れるようにただ、そう思う。 「好きです。ホンマに、俺」
この人が好きなんだと、心の底から思った。
***** 明★ネタ。
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