a Day in Our Life
久し振りに顔を合わせた錦戸は、随分と日焼けをしていた。
「焼けたなぁ」 あまりの黒さに少し笑って、そう声を掛けると照れ笑いのように笑った錦戸は、毎日ボートばかり漕いでますから、と言って自分の腕を見た。ぅわ、黒っ、と改めてまた笑って、それは連日のドラマ撮影にNEWSとしてのバレーの応援と、日々忙しく働く錦戸の爽やかな笑い顔だった。疲れているには違いないのにそうやって笑えるのは久々に会えたからかな、と村上は自惚れてみる。 「ここしばらく会うてへんかったから、積もる話が色々ありますよ」 冗談ぽく言った錦戸に、そうなん?とまずはそっけなく返した村上は、 「そら時間の許す限り聞くし喋るけどな」 自分もそれなり話すことが溜まっていると自覚している。 ドラマの撮影中に出演者達と交わした会話、唯一共演する内のバカ話、バレー会場であった出来事、錦戸の話の合間に村上も、少ないオフタイムをやりくりして最近少しだけサッカーをする時間が出来たこと、ミニゲームで自分が決めた得点の状況を話して聞かせる。そんなに長い時間会えなかった訳ではないのに話は尽きなくて、夢中になって話し込んでいると、ノックと共にドアが開いてスタッフが顔を覗かせた。そろそろスタンバイお願いします、と言われてやっと立ち上がる。 一歩先にドアに向かった錦戸が、ふと立ち止まり、振り返った。 「そうや、あと一つ村上くんに言おぅ思ってたことがあったんやけど」 「何?」 まだ何かあるのかと聞き返した村上に、何やったっけ、と思案顔の錦戸は思い出して村上を見、
「愛してるって言おう思てたんでした」
憎らしいくらい男前に微笑まれて、一瞬虚をつかれた村上は、それからすぐに笑い出した。
***** ダジャレ。
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