a Day in Our Life


2003年01月01日(水) A HAPPY NEW YEAR。(横雛SS…S?)


 大晦日にTVで先輩のコンサートを見ながら迎える年越しって正直どうやの。寂しい話やで、思いながら確実に過ぎった顔があったけど、それには気付かなかった振りをした。会いたい人はいるし会える場所にもいる。だけど会おうとは言われなかったしそんな馴れ合いは自分達らしくない気がして。会いたいのを我慢するのは体に悪いよって、言うたんはタッキーやったかな。その通りやけどもうあと数分で新年が明ける今、そんなことを言ったところで。そのタッキーは目の前のTVの中で笑ってた。肝心な時に側にはいてくれへんねんな。一方的にやつあたりしたところで答えが返る訳でもなく。蕎麦でも食うか、と立ち上がったタイミングで携帯が鳴り出した。こんな時間に誰だろう、と着信表示を確認する動きが止まる。

 …こうゆうの、テレパシーって言うんやろうか。

 「…ヨコ?」
 『こんな時間に悪い、起きとったか?』
 「起きてたけど…」
 どないしたん、こんな時間に。疑問は希望に変わっていく。
 『2日のラジオの入りって何時やったっけ』
 「いつもと一緒や」
 『そやったか』
 「うん。…それだけで電話してきたん?」
 『やってマネージャーさん捕まらんし』
 ぼそりと言ったヨコの声が、子供みたいで。思わず笑ったら、『笑うなや、アホ』って怒られた。
 「うん、ごめん」言いながら見やったTV画面では、先輩達がカウントダウンを始めていた。2002年が終わっていく。あと数秒。
 「なあ、ヨコ。今年も一年ありが」
 言いかけた瞬間、年が明けた。アハッピーニューイヤー。TVの音声に混じって『あけましておめでとう』、ぶっきらぼうなヨコの声が聞こえた。
 『今年もよろしく』
 「…こちらこそよろしく」
 その声があまりに待ち構えたようだったので。聞かないし、答えないだろうと思うけど。こんなおあつらえ向きのタイミングで接触を図ってきた、ヨコらしくない優しさと心配りが嬉しくて、また少し笑った。
 『やからさっきからなにを笑っとんねん』
 やっぱり怒り口調のヨコの声も、少し弾んで聞こえて。
 新しい年の一番初めに聞いたのが大好きな人の声だったことに、心の底から感謝した。

 今年一年も幸せでありますように。


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正月ポエム。

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