a Day in Our Life


2002年01月31日(木) タイタニック。(サクツカ)


 撮影の空き時間。暇を持て余してふと見た視線の先に、広げられた腕。
 「・・・・・なにやってんの」
 「タイタニックごっこ」
 腕から繋がった首の先で、人好きのする爽やかな笑い顔。
 「なんでいまごろタイタニック・・・」
 「この前見たんだよ。金曜ロードショーで」
 「それもいつの話だよ」
 「半年くらい前かな(笑)」
 今度は人が悪そうにくつくつと笑ったアイドルは、ふと動きを止めてこちらを見遣った。
 「おいで、ローズ」
 「は?俺がローズなの」
 「そ。そんで俺がジャック。ほら、早く」
 差し出された腕はすらりとしなやかだった。ぴんと伸ばされた指先が大仰しくて、思わず笑ってしまう。
 腕を水平に伸ばして。強く吹き付ける木更津の海風が映画のワンシーンとリンクして、そのバカバカしさにまた笑ったら、後ろからも吹き出す気配がした。指先に力を入れる。そのシルエットは映画で見たとき、まるで十字架みたいだって思ったっけ。まるで祈りみたいな。あのときの二人がなにを祈ってたのかは知らないけど。
 「なんかさ、十字架になった気分じゃない?」
 後ろから控えめに俺の腕を支えながら、囁く声がした。同じことを考えてた。なんとなく、気恥ずかしい気になる。
 「慶応ボーイって、わりに頭悪いのな」
 「うわ、ひでえ。ちょっと思っただけじゃん!」
 ははは、と声に出して笑って。同じこと思ってた、っていうのは言わないことにした。言わないほうがいい気がしたので。
 「おーーいふたりともー。撮影再開だってー」
 遠くで呼ぶ声がした。
 その声に弾かれたように振り返って、今行くー、と叫んだ声が被ってまた、少し笑った。





捏造率200%(増えてる)。
あたしの頭はどんどん溶けて腐ってる気がします。
検索防止に直接的な名前を避けるのもわりと限界。どうしたらいいんだろう。(平和な悩みですこと!)





■■■タイタニック。

これまたキャッツアイ展(しかも伝聞)から妄想・捏造。
私はとうとう見に行けなかったので、先日体現して貰うのをすっかり忘れてしまいました。アイッタ。

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