a Day in Our Life


2002年01月30日(水) 想像サクツカ。(キャッツアイ展から妄想)


 「タカシってさ」

 撮影の空き時間にふざけて遊んでいて、ふと動きを止めた翔がじっとこちらを見つめてきた。
 「高史って、付き合ってるやついるの?」
 「なに、突然」
 唐突にそゆこと聞く?思いのほかストレートなやつなんだな。その間にも翔はますます顔を覗き込んできた。顔が近い。きれいな肌だなあ、と思った。
 「いやこれだけ男前だったら普通放っておかないよなーと思って」
 「そりゃアリガト」
 っつかそりゃオマエだろ。新手の嫌がらせなんだろうか。天下のジャニーズ事務所のスーパーアイドルにそんなことを言われるとは思ってなかったので正直驚いた。そんな俺の感想や勘繰りをよそに、翔はまだ俺の顔を見ている。
 「俺、高史の顔すげー好きなんだよね」
 どこまで本気なんだか。翔は読めない。
 「…俺は」
 「あ、やっぱいいや。言わなくても」
 「…?」 
 言おうとした言葉を遮られて。
 「高史が誰と付き合ってても関係ないから。…俺、好きになるよ、お前のこと」
 言ってさらりと笑った。これが何万人(何十万人?何百万人だったりして)の女の子を魅了するアイドルの笑みってやつか。なんとなく、圧倒された。嫌味なく柔らかい笑み。背後に花しょってもおかしくなさそう。
 「ってか、好きになってる」
 ポカンとしてる俺をよそに、今度は声に出して笑った。
 俺いますげえつるっと聞き逃してたけど。
 好き。って言った?翔が俺を。よくわからない。どうしてそうなるんだろう。
 ふと目線を上げると翔の笑い顔とぶつかった。相変わらず表情は固定されたまま。だから余計に内側が読めない。そもそも俺はこうゆう、感情の読み合いみたいなのは苦手なんだ。
 「そういうわけだから、よろしく」
 舞台俳優みたいな大仰な仕草で、手を差し出された。
 「…なにが宜しくなんだよこの、スケベ」
 言いながら差し出された手を取って、だらしなく座り込んだままの体勢から引き上げて貰った。つるりとしたきれいな手。やっぱり肌がきれいだと思った。それでも節はしっかりしていて、きちんと使ってる男の手っていうの?そのきれいに伸びた指先が、俺の手を力強く握り込んだ。意外と体温が高い。
 「なにって、いろいろとだよ」
 そっちもいろいろと、心の準備があるだろうし?
 「心の準備ってなんだよ」
 「高史はツッコミ向きだなあ」
 ダメだ、会話がいまいち噛み合わない。詰め寄られてるのかはぐらかされてるのか、いまいち分からなくなった。気がつくと手はまだ握られたままで、それを促すと思いのほかあっさりと外れた。かえって俺の方が、後ろ髪を引かれるような気分になる。
 「…もういい、知らない」
 このまま翔と話してると、情緒不安定になりそうな気がした。翔の横脇をすり抜けて、スタッフの集まる固まりに移動しようと歩き出す。その肩先を高史、と落ち着いた声で軽く呼び止められた。 
 いっとくけど俺、諦め悪いからね。
 悪びれずにそう言ってますます爽やかに笑った翔の顔が、ひたすら凶悪だと思った。





■■■サクライくんとツカモトくん。

キャッツ展(違)に行った薫さん(タカシスキー仲間。つか同志)から、桜井塚本5連写があったのう!とメルを貰って即座にサクツカ!どうよサクツカ!と色めきたった私です。桜井くんがタカシを好きだったら楽しいのに〜とかいう希望がいつしか捏造に変わりました。桜井くんはむかしから、性格が悪そう意地が悪そうというマイドリイ夢があります。(夢なのかそれ)

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