a Day in Our Life


2002年01月20日(日) オリーブ発売記念。(タカツカ)


 「お似合いだねって言われちゃった」


 ぽつりと高史が言った。
 「雑誌。見た人から」
 「ああ、」
 高史の言葉に発売されたばかりの、自分たちが載った雑誌を思い浮かべて少し照れた。二人一緒にカメラに収まって。まるでカップルみたいだって、くすぐったい半面、嬉しくて。ともすれば緩みそうになる頬を押さえてふと、目線を上げると、なにかを言いたそうな高史と目が合った。
 「なに?」
 「うん、」
 答えたはいいけど複雑な顔をして、高史は黙り込む。高史の沈黙が読めなくて、俺はやや首を傾げた。無理に聞くことは本意じゃないから、追い詰めないように気をつけて、軽い動作で続きを促した。
 「…なんかさ、嬉しくて。胸がいっぱいになって。何も言えなかったんだ」
 惚けたような、そんな声。
 俯いたままの高史の睫毛が、瞬きの瞬間にばさりと音を立てた。
 「すごくいい表情してるねって、当たり前じゃんそんなの。蒼佑と一緒なのに」
 ふたり並んで。笑って、って言われる前に笑ってた。
 「きっと俺、いままでで一番いい写真が取れたんだと思う。蒼佑と一緒にカメラに収まりながら、これが俺の好きな人ですって言って回りたかったくらいなんだ、本当は」
 一緒にいるだけで、自然に顔がくだける。
 隣りに立って、軽く肩が触れただけで嬉しくて。
 笑ってばかりで、むしろ真面目な表情をするのに苦労したくらいで。
 そんな自分たちが、ありのままで伝わったのなら。
 「蒼佑」
 顔を上げて、鮮やかに笑った高史が。
 「大好き」
 言って抱きついてきたのと、俺が高史を抱きしめたのはたぶん、同時だったと思う。
 強く抱きしめ合って、満足げに息を吐いた。触れたところの温度が上がって、そのあたたかさがそのまま、高史の存在をありありと意識させる。
 俺のコイビトは、素直で明るくて、我が儘で可愛くて。
 好きで好きでたまらない、と思う。
 それが出来るなら、そこら中に宣言して回りたいんだ。
 「………俺も」
 俺も好きだよ。


 そんなこと、言わなくたってきっと分かってると思うけど。

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