出会った頃は、バレー部で熱血してるヤツって印象だった。 髪の毛金髪に染めてるくせに、妙に体育界系なノリで。 体育だけはノリノリで熱血してて。 体育になると燃えるやつなんて思ってて。 俺とは反対なんだろうって思ってた。 あの頃から俺はオトナが信じられなくて。 何に対しても冷めて接していたから。 だから、黒の行動とか信じられなくて。 理解できなくて。 きっと、ソリあわないだろうって思ってた。
だけど、付き合って見ると。 黒崎は意外に付き合いよくて。 熱血っていってもバレーに対してだけで。 あとは、俺や内山とノリ一緒で。 気付いたら一緒に行動することが多くなった。
俺と内山と黒崎で。 ヒマ見つけては遊びいったり。 黒も適度に部活さぼったりしてたから。 日曜なんか遊びいったりして。
一緒にいる時間が増えて。 黒崎っていう存在が大きくなって。 そのうち俺にとって黒崎が「特別」な存在になった。 気付いたら、黒崎は誰よりも大事な存在になった。
内山と俺と黒崎。 三人で遊ぶことが多かったけど。 黒崎が部活終ったら俺の家で過ごすようになって。 二人きりの時間が増えて。
お互い、言葉にしないけど。 居心地よくて、一番大切な時間を共有するようになった。
親友というには大事な存在になった。 ある日、ふとした瞬間に、どちらともなく近づけた顔。 重なる唇。 目を閉じて受け入れてくれた黒崎。 その瞬間から、親友から恋人に変わった。
誰よりも大事な黒崎。
ずっと、一緒にいたいと願ったあの頃。
今も、ずっと願いは一つだけ。
きっと、取り戻してみせる。
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