2002年03月11日(月) |
離さない(鷹さん事件後のバンビアニ) |
「バンビ〜?」 「・・・・・」
さっきからアニが呼んでるけど、無視。 なんでかって、コイツは気付いてないみたいだけど。 俺は怒ってるんだよ。
「バンビ!」 「・・・なに」 「手・・・・」
小さな声でだけど聞こえた、アニの呟き。 俺の手は、さっきからアニの手を繋いでいる。 これが言いたかったんだろうけど。 だけど、無視。
「なんなんだよぉ」
なんなんだって、こっちが聞きたいってーの!
氣志團の問題も解決して。 モー子の問題も解決して。 落ちついてビールでも飲むか!ってときに辺り見回したらアニがいなくて。 どうしたんだって探してたら道路の真ん中でへたり込んでるアニ見つけて。 また、なんか巻きこまれた!?って思って話聞いたら
「鷹さんに伝授されそうになった〜!」
そりゃいったいどういうことだって聞いたら。 鷹さんに襲われそうになったってんじゃんか!
ちょっと前に小峰に襲われそうになったてのにさ。 目を離すとすぐこれだよ。 日頃からバカだバカだと思ってたけど。 アニの無防備さにはいい加減呆れた。
「アニはもっと自覚持ちなよ!」 「自覚ってなんのだよ!」 「襲われる対象だっていう自覚だよ!」 「な・・・そんなの持てるわけねーじゃん!」 「なんで!?」 「俺男だぜ?!」 「男でも襲われてんじゃん!」 「う・・・」
あ〜もう!気付いてないし! なんでこんなに無防備なわけ? 男だからっていうけど。 今の世のなか男も女も関係ないし。 それに、2回もああいう目にあってんだから、いい加減気付いてもいいじゃんか!
「アニってホント、バカ!」 「バカって言うなー!」 「バーカバーカ!」 「なんだよ、童貞!」
苦し紛れのアニのセリフは、もういい加減聞き飽きたセリフだった。 それ関係ないし。 アニはバカっていうか、鈍感なんだよな。 昔から危ない目にあってるのに、全然気付かないし。 先輩とか近所のお兄さんとか。 危険なヤツラはいっぱいいるのに。 その度に俺とかぶっさん達が苦労してるってのにさ。 目を離すとフラフラ〜っとどっか行っちゃうし。
「とにかく、アニはもっと自覚を持たないと!」 「それはわかったけど。なんでバンビが怒ってるわけ?」
・・・・・言われてみれば、そうだ。 なんで、俺が怒ってるんだ? アニが危ない目にあうのなんて、自業自得だってホっとけばいいし。 アニがどーにかなるのだって、別に俺に被害あるわけじゃないし(時々あるけど) それなのに、なんでこんな・・・・・
小峰に襲われそうになったって泣きついてくるアニとか。 鷹さんにヤられそうになったって涙ぐむアニとか。
そーいうの見たらすっげ腹たってきたんだよ。 無防備なアニにもだけど。 アニを襲おうとした小峰にも、鷹さんにも腹たってた。
それはなんでなのか。 わからないけど。
「バンビ?」 「いいから!とにかくアニはもっと警戒心持ちなよ!」 「わかったかから、いい加減手・・・」 「放すとすぐフラフラするから、マスターんとこ着くまでこのまま!」
だから決して。 繋いだ手が暖かくて。 もう少しこのままでいたいなんて。 思ったわけじゃないからね。
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