2002年02月21日(木) |
予告編シアター(サクツカと嵐) |
今をときめくアイドルグループ『嵐』 毎日取材やドラマで多忙な毎日を送っている。 今日もあるレギュラー番組の撮りのため、某スタジオに集まっていた。
「大変だよ!!」
声と共にドアが開いて、最年少の松潤が入ってきた。 いつもゲンキな末っ子が、今日は息を切らしながら深刻な顔で登場したので、その場にいたニノも相葉も何かあったのかと真剣な顔を浮かべた。
「どうしたの、松潤!」 「も〜一大事!これ見て!」
見て、と言いながら出したものは、ノート型のパソコンだった。
「パソコンじゃん!」 「松潤買ったのかよ〜!」 「うん、卒業祝いに買ってもらったの」
いいでしょ〜と自慢げにパソコンを掲げる松潤。 それに羨ましく思いながら、でも松潤じゃ宝の持ち腐れじゃん!と思う二人。 (だって松潤バカだし) 声に出したらきっと松潤が「バカじゃない!」と頬を膨らませながら怒るだろうから、あえて声に出さずに心のなかで思った。 (そうなったら話進まないしね) (うん。どうせ翔くんがやり始めたから興味持っただけだろうし) (言えてる〜) 心のなかで思う二人。 この間会話は一切なし。 言葉に出してないのに何故意思の疎通が出来てるんだニノアイ! きっと桜井翔ならこうつっこんでいただろう。
「で、何が大変なの」 「あ、そうだよ!これ見て!」
パソコンを立ち上げ、慣れない手つきでキーを打つ松潤。 予想通りの1本打法に、密かに笑い合うニノアイ(だからなんで言葉に以下同文) それから数分。 やっとの思いでネットに接続し、お目当てのサイトに辿りついて顔をあげるとニノアイの姿がなかった。
「ちょっと!二人とも何してんだよ〜!」 「だってあの調子じゃいつ辿りつくかわかんないし」 「時間が勿体無いし。台本でも覚えようかなって」
二人とも、さらりとひどいことを言ってます。
「二人ともひどいよ〜!!」 「あ〜はいはいごめん」 「ニノ、それじゃすっごく心こもってないよ」 「やっぱりアイバちゃんにはなんでもわかっちゃうんだね」 「だってニノわかりやすいし」 「それに愛のせいでしょ?」 「も〜イチャイチャしてないでこれ見てよ!」
ほっといたらどこまでもいってしまうバカップルにストップをかけて、苦心の末に開いたものを見せる。 そこで気づいて、楽屋隅で台本を読んでる大野に声をかける。
「大野くんも見てよ!」 「なんで?」 「も〜仲間のことなんだから!たまにはつきあってよ!」 「なんで僕が・・・・・・」
心底嫌そうな顔を浮かべながら、それでも末っ子のお願いに嫌々席を立つ。
「ほら!」
画面左上、小さな画面の中に、桜井のドラマ共演者である塚本の姿があった。 どうやらドラマのおまけかなにからしく、小さな画面が再生のマークが出た途端動き出す。 塚本がカメラに向かって役名を言い、かわいいと言われて照れる。 そして、カメラマンに迫られて逃げるシーンが続く。 逃げて逃げて、逃げ切った(?)とこで映像はストップした。
「・・・・」
見終わったのに、言葉もでないでいる三人。 ぼうっとしていたけれど、大野が立ちあがった時に出た音によって覚醒する。
「うっわ、何これ!?ヤバイよ〜」 「ね、ヤバイでしょ?」 「うん・・・・やばすぎだよ、これ」
アイドルが口を揃えてヤバイヤバイを連呼するのも無理はない。 画面のなかの塚本は本当にかわいく、やばかったからだ。 しゃべり方も意識してなのかいつもよりトーン高めでかわいく。 ソファに座る姿はちょこんとしててかわいく。 塚本に惚れてる人が見たら一発で昇天してしまいそうな代物だった(現に約2名、TとMは昇天されたとの情報が)
「昨日キャッツのHP見てて発見してさ、もうビックリして!」 「そりゃビックリだよなあ」 「でしょ!?絶対翔くんに見せてあげたいと思って持ってきたの!」 「うん、これは見せてあげたいよ」 「録画とか出来ないのかなあ?翔くん永久保存したいと思うよ、きっと」
うんうん悩みながら、一生懸命考える三人。 翔くん命!な松潤を始め、日々桜井をネタにしてるニノやおもしろがってる相葉も桜井のために悩んでる姿が微笑ましかった。 仲間っていいなあ・・・・・そんな言葉が似合う。 ちなみに、一人足りないと思ってはいけない。 彼はもうとっくに自分の世界に入っているのだから(爆)
「翔くんにこれ見せるの撮り終わってからにしなよ」
黙って聞いてた大野が珍しく発言したことに他メンバーは驚きつつ、しかしその言葉になんで!?とブーイングする。 三人で捲し立てられて、うんざりとした表情を浮かべながらため息を洩らす。
「これを見た翔君がどんなになるか、わかるでしょ?」
そう言われて、三人は想像してみる。 これを見た瞬間の翔くん。 見た後の翔くん。 ・・・・容易に想像出来るのが嫌だ(松潤談)
「ね、ヤバイでしょ?」 「確かに、ヤバイね」 「アイドルの顔じゃなくなってるよ、翔くん!」 「まるで中年親父みたいな顔してるよ〜!!」
どんな想像したんだオマエ達。 本人がいたら雷どころか嵐が吹き荒れるであろうことを思い描いた三人。 しかし、その想像は三人とも同じだったということは、あながち間違ったことだということでもないということで。 それはそれはヤバく、撮りどころかアイドルの危機にまで繋がるのではないかと思われる。
「オレでさえヤバイと思うもん。翔くんが見たらどうなるか・・・」 「オレがなんだって!? 「「「!!!」」」
ビクっとして声のするほうを向くと、予想通り噂の人・桜井翔の姿があった。 ドラマの撮りが終ってきたのか、上機嫌だった。 しかし、ナイスタイミングともいえるその状況に、三人は成すすべもなく立ち尽くしていた。
「なんだよ、みんなして固まって」 「う・・ううん!なんでもないよ!」 「なんだよ、何隠してるんだよ」
後ろ手に隠していたパソコンをあっさりと見つけられてしまい、一気に血の気がひく三人。 なんとかいい方法はないかと考えるが、嵐の中で1番頭いい人を相手に三人が勝てるわけがない。 どうしようかと悩んでいると、隙をついてパソコンを奪われた。
「あ!」 「何見てんだよ・・キャッツのHP?なんでこんなの・・・・・あ、アニ」
アニ、と言われた瞬間もうヤバイと慌てる三人。 (や〜ば〜い〜!!!) しかし、時すでに遅し。 パソコンからはさきほどの塚本の声が響いていた。
「・・・・・・・・・」
画面を凝視したまま動かなくなった桜井。
「翔・・・くん?」 「・・・・・」 「翔くんーー!!」 「・・・・・」
何度も呼びかけても応答なし。 心というより意識ごとパソコンに奪われたようだった。 いつまでたっても帰ってこないような気がして、青くなる三人。
「どーしよ!」 「大野くん!どうしたらいい?」 「知らないよ、僕は」 「そんな〜リーダー!」
だんだんと真面目にヤバいような気がして、泣き声になる3人。 松潤は目に涙を浮かべてる始末。
「あ!」
大野の声に振り合えると、桜井がパソコンを持ったまま立ちあがった。 復活したか!と喜んだのもつかの間。 パソコンを抱えたと思うとそのまま楽屋のトイレに入ってしまった。
「え・・・・?」
何がなんだかわからずに驚く三人。 パソコン持ってトイレ。 なんで?
「あ〜あ。1時間くらいは出てこないかもね」
ただ一人冷静な大野の声が楽屋に響き渡った。
余談。
翌日、相葉の携帯に塚本から電話が入った。
『翔にオレが出てるのとか見せるの禁止!』
なんで?と聞いても答えてはくれなかった。 だけど、電話越しの声がなんだかツラそうだったのは、気のせいだろうか?
☆ヤキモチ焼きな彼を持つと苦労するね、塚本さん!って話(爆)
|