雑誌の取材でバレンタイン特集かなんかで、オレと翔くんは恋愛の話になった。 だけど語ってるうちに二人してマジ語りになってきちゃって。 さすがにヤバイと思ってスタッフが打ちきったけど、オレと翔くんは納まらなくなって終ったあとも翔くんの家で語ることになった。
「久しぶりだよな、こうやって話すの」 「うん、そうだね」
昔はよく二人でファミレスとか行っていろんな語りしてた。 恋愛話から嵐のこと、その他いろんなこと。 だけど今はお互い忙しくなって、あんまりこうやって改めて話すってことがなくなってた。 それに、オレは大好きな人が出来たから、その人に逢う時間を最優先してたからっていうのもある。 だから久々に翔くんと語ったら、昔を思い出したように止まらなくなってた。 翔くんと話してるのは楽しいし、お互い考えが似てるからかな?何を思ってるとかわかるから話しててラク。
それに、今は共通の『悩み』を抱えてるから。 恋という、悩み(なんってね!)
「さっきの続きだけど、翔くん塚本くんが好きならハッキリ言ったほうがいいよ?」 「簡単に言うけどなあ、ニノだって知ってるだろ、オレが好きな子には意識しちゃってぶっきらぼうになっちゃうの」 「だけどそんなこと言ってたらドラマ終っちゃうよ?もう逢えなくなっちゃうよ?」 「う・・・・・そうなんだよなあ・・・」
翔くんを悩ませている原因である「塚本くん」 ドラマで一緒になった彼に、翔くんは一目ボレしたらしい。 『らしい』ってのは、本人からハッキリ聞いたわけじゃないから。 ドラマの顔合わせした次の日、すっごくご機嫌な翔くんの姿にみんなで「なんかあったんだろう」って話してて。 それが「恋してるから」だって気づいたのは、しばらくしてから。 翔くんが出てるドラマをみんなで見てたらすぐわかった。 いっつもいっつも、目で追ってしまってる人がいるって。 その人ばかりを見てしまってるって。 少しあからさまなくらい、気づけば一人しか見てなくて。
「翔くん、わかりやすすぎだよ〜」
みんなで苦笑い浮かべてたりしてた。
だけど、こっそり思ってた。 オレも、その気持ちがわかるって。 一人しか見えなくて、その人だけを追ってしまうのが、わかる。 だってオレはずっとそうだから。 嵐が結成されてからずっと、ただ一人を見てたから。
「ニノはいいよなあ。逢いたいときにいっつも逢えるんだから」 「だけど、喧嘩したときなんかでも一緒に仕事しなきゃいけないからツライときもあるよ?」 「喧嘩!?オマエとアイバちゃんが?」
同じグループのアイバちゃんこと「ふみくん」 オレがずっと好きな人。 ずっと一緒で、例えグループ解散してもずっと一緒にいたい人。
まだ片思いしてた頃、翔くんにだけは自分の思いを告げてた。 あの頃は翔くんは本気で好きな人がいなくて、恋愛の悩みとかなかったから、いっつもオレの相談にのってくれてた。 そのたび翔くんは時々的外れなこと言うけど、話を真剣に聞いてくれるだけでも嬉しかった。 だからふみくんと両思いになったとき、真っ先に翔くんに報告した。
「良かったじゃんか!おめでとー!」
まるで自分のことのように喜んでくれた翔くんが、すごく嬉しかった。 だから、その時誓ったんだ。 翔くんに本気で好きな人が出来たら、なにがあっても応援するって。 そりゃ、ちょっとからかったりしてるけど(だって翔くんの反応おもしろいんだもん) 翔くんには、ふみくんの次に幸せになってもらいたいと思うから。
「じゃあさ、今度塚本くんのオフ聞くから、デートをセッティングするよ!」 「え!・・・・ってなんでオマエがそんなこと出来るわけ?」 「ふみくんが塚本くんの携帯NO知ってるから」 「なんで!オレも知らないのになんでオマエラが知ってんだよ!」
あ、ヤバイ。 なんか怒ってる・・・つーか、ヤキモチやいてる? 自分の知らないことを知ってるからって感じ?
だけど。 こーいうとこが、かわいいと思っちゃうんだよね。 幸せになってほしいと思うけど、ついからかっちゃうんだよねぇ。
「翔くんのために一生懸命調べたんだよ」 「ホントかよ・・・・・」 「ホントだって。翔くんとお似合いだと思うし。」 「・・・・そう?」 「うん。塚本くんいい人だし、オレ好きだよ。ふみくんには敵わないけどね」 「オマエ、ほんと相葉のこと好きだよな」
そりゃそうだよ。 世界で1番好きだし。
「とにかく、翔くんがんばってよ」 「イマイチ気持ちこもってない気がするんだけど」 「何いってんの!翔くんと塚本くんにはうまくいってほしいしさ。」
本気で思ってるよ。 だから、がんばれ。
いつか、ダブルデートが出来るといいね。
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