2002年02月16日(土) |
アニの憂鬱(バンビアニ) |
今週中にヤル!と宣言したバンビは、次の日から今までが嘘のように積極的にモー子にアタックしていた。
「今日モー子とデートするから」
呼び出されて、一言言われて。 誰よりも真っ先に報告してくれたのは嬉しいことのはずなのに。 良かったなとか言おうとしたけどなんか言えなかった。
なんでだろ?
バンビはモー子のことずっと好きで。 だから実りそうな今、めでたいことなのに。 「おめでとう」の五文字が言えなかった。 喉でつっかかったまま、声に出せなかった。
「プレゼント買うのつきあってほしいんだ」
アニだったらそいうの得意そうだし。 照れながら言われて、いつもみたいにからかおうとしたけど出来なかった。 バンビの顔みたら、もやもやが増した気がした。 いつも通りにしゃべれなかった。
「なんか、変な感じ」 「何が」 「ん〜?なんっか変な気持ちなんだよ」
二人でマスターんとこ行く途中、ずっと感じてた疑問を口にしてみた。 バンビに言ったってしょーがないけど。 だけど、口に出したら余計なんか変な気持ちになった。 もやもやするような、なんかすっとしない気分。 理由はわかってる。
モー子とバンビが付き合う。
そのこと考えたらこうなった。 だけど、それがどうしてなのかわからない。
「変な気持ちって?」 「ん〜?なんかもやもやするような、気持ち悪いような・・そんな感じ」 「マジ!?」
オレの言葉にバンビは何故か嬉しそうな顔してる。 笑いながら鼻歌歌ってる。
「何嬉しそうな顔してるわけ? 「え?」 「人が気分悪くて悩んでるのにさ」 「ん・・オレの作戦が成功したかなと思ったら、さ」 「何作戦て」
別に、とまた嬉しそうに笑うバンビ。 オレがこうなってるわけをなんか知ってるのかもしれない。 聞き出そうとしたけど「別に」しか言わないし。 なんかふに落ちない。 だけど、こうやって二人で歩いてて、笑って。 バンビと話してたら、少しスッキリしたような気がする。
よくわかんないけど。
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