おちょこの日記
DiaryINDEX|past|will
日記を書く時間はたくさんあるのに進まない。 毎回、泣きながらこれを書いてる。 生々しく思い出すたび心が張り裂けそうです。 でも、残しておきたいと思う痛み。 父の最期を記しておきたい一心で泣きながら書いてる。
目が覚めて下に行くとやっぱり夢じゃなかった。 横たわる父の顔に白い布がかけてある。
やめて、隠さないで!と涙が出た。
おはよう、お父さん。 布を取ると穏やかな父の顔があった。 あの、苦しそうな顔じゃない。
もう、お父さんはこの世界の美しいものを見てしまったの?
アタシ以外の家族はバタバタしていた。 仮通夜の準備、死亡広告、葬儀の段取り。 その速さにアタシは一人ついていけなかった。
死んだのは解っていた。 でも、認めてはいなかった。
父の顔は寝ているようで、今にも目を開けそうで もう一度アタシの名を呼ぶような気さえしていた。
仮通夜が始まる。 親戚や親しい人が集まってきた。 お坊さんがお経を読んでいる間も涙は止まらなかった。
いったいどれだけの水分があるんだろう 泣いても泣いてもとめどなく溢れる涙 息をすることさえつらいほどに
夜、眠れなかった。 兄と母は寝てしまった。 アタシは父のそばに居たかった。 兄嫁の父と泣きながら父の事を話した。 飲んでもお酒の味さえわからない。
父の顔ばかり見ていた。 ドライアイスですっかり冷たくなった父。 癌のせいで黄疸になっていたから黄色っぽい肌の色。 でも、笑っていた。
ありがとうなんて言わないで。 もういいなんて顔しないで。
死ぬと思っていなかったから何も言わず死んでしまった父
だから今、その顔をするの? 誰よりも優しい、穏やかな顔で笑って。
何度も父の髪をなでた。 顔に触れた。
嫌だ、逝かないで。
まだ、何もしてあげてない。
治ったらやろうって言ってたことだって・・・。
けれど、父はもう何も言わずただ穏やかな笑い顔で眠ってる。 いくらアタシや母や兄が呼ぼうとももう、戻らない。
もう、二度とあの声を聴けないんだ。
|