おちょこの日記
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2005年08月17日(水)


日記を書く時間はたくさんあるのに進まない。
毎回、泣きながらこれを書いてる。
生々しく思い出すたび心が張り裂けそうです。
でも、残しておきたいと思う痛み。
父の最期を記しておきたい一心で泣きながら書いてる。


目が覚めて下に行くとやっぱり夢じゃなかった。
横たわる父の顔に白い布がかけてある。

やめて、隠さないで!と涙が出た。

おはよう、お父さん。
布を取ると穏やかな父の顔があった。
あの、苦しそうな顔じゃない。

もう、お父さんはこの世界の美しいものを見てしまったの?

アタシ以外の家族はバタバタしていた。
仮通夜の準備、死亡広告、葬儀の段取り。
その速さにアタシは一人ついていけなかった。

死んだのは解っていた。
でも、認めてはいなかった。

父の顔は寝ているようで、今にも目を開けそうで
もう一度アタシの名を呼ぶような気さえしていた。

仮通夜が始まる。
親戚や親しい人が集まってきた。
お坊さんがお経を読んでいる間も涙は止まらなかった。

いったいどれだけの水分があるんだろう
泣いても泣いてもとめどなく溢れる涙
息をすることさえつらいほどに

夜、眠れなかった。
兄と母は寝てしまった。
アタシは父のそばに居たかった。
兄嫁の父と泣きながら父の事を話した。
飲んでもお酒の味さえわからない。

父の顔ばかり見ていた。
ドライアイスですっかり冷たくなった父。
癌のせいで黄疸になっていたから黄色っぽい肌の色。
でも、笑っていた。

ありがとうなんて言わないで。
もういいなんて顔しないで。

死ぬと思っていなかったから何も言わず死んでしまった父

だから今、その顔をするの?
誰よりも優しい、穏やかな顔で笑って。

何度も父の髪をなでた。
顔に触れた。



嫌だ、逝かないで。

まだ、何もしてあげてない。

治ったらやろうって言ってたことだって・・・。



けれど、父はもう何も言わずただ穏やかな笑い顔で眠ってる。
いくらアタシや母や兄が呼ぼうとももう、戻らない。

もう、二度とあの声を聴けないんだ。








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