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2006年03月13日(月) |
『ジキル&ハイド』(韓国版・来日ツアー初日) |
開演前にはちょっとびっくり。 会場1階席最後方の席1列くらいに、韓国語の文字。 何だろうと思ったら、一面にはられた韓国語の横に小さく 「プレス席」と日本語が。こんなに韓国取材陣来てるのか。
しかも、開演前の挨拶が韓国語。「間もなく開演です」とか 言ってるんだろうことは想像できるけれど日本語が続かず、 もしやチョ・スンウも見たことありませんなんてやつは、 ここに私しかいないのだろうかと心配になったりも。 韓国語放送の後の間に耐え切れず、隣の友人に 「日本語は?」と聞いてしまった直後に、日本語放送。 よかったぁぁ(泣)と心の中で泣きつつも、心配にもなり。 華と力で押し切れるかもしれないジキハイが観たいだけで 来てしまったけれど、私、ムチャクチャ場違いなのかも? そんな不安に囲まれまくりながら観始めた舞台です。
『ジキル&ハイド』(韓国版・来日ツアー初日)
<場所>ゆうぽうと7列17番 <時間>全2幕、18:30〜21:10ぐらい <主な出演>ジキル&ハイド:チョ・スンウ エマ:イ・ヘギョン、ルーシー:キム・ソニョン
いや〜良かった!私、この演目については 勢いと華が至上主義のところがあるのですが、 それも十分に満たしていて、かつ、演技面でも大満足。
主役はもう、めちゃめちゃかっこ良くってですね、 カーテンコールでの最後のパフォーマンスなんて、 単純なのに一瞬で目を奪われ、心臓わしづかみにされ、 思わず友人連中と「うひゃぁ!かっこいい〜!!」なんて 叫び合っちゃったくらい。でも、そんな声もかき消す拍手の渦。 そして、そんなにかっこいいというのに(顔は好みじゃないけど)、 実際に観ている最中は、華とか歌とか、そんなものより何より、 演技力・・・、特に、何も話しても歌ってもいない時の ストレートばりの演技の魅力に、惹きつけてくれていた。 ジキルとハイド、本当に間近で見てても別人に見えるかも。
とにかく主役絶賛モードだったのも確かなんですが、 それ以外もとても納得したからこその、これだけの満足感。 まずは、翻訳と構成かな。韓国語は全く分かっていないので 実際のとこ、どれくらい字幕が意訳されているかによって 変わってくるのかもしれないのですが、字幕で読む限りは、 ここで何が起こったのかとか、時間軸はどうなんだとか、 無駄なことで悩む必要のない舞台。・・・っていうか、 こんなことで悩まされ続けた日本版が間違いなのですが、 ずーーっと悩みがあって、しかもそういう悩みが似合わない 作品であるだけに、そうでないことがものすごい幸福で。
ただまあ、悩む余地がないのが嫌な人もいるかな? ジキルはハイドのことを「憎めない自分の一部」だと、 はっきり言い切っちゃっているし「この町を出ろ」という 手紙をもらったルーシーの反応は、どちらにも取れる 日本版の歌詞を「喜び」方向に演じたマルシアと反対に 「ああ、また捨てられた」という歌詞になっているし。
それらの表現まで役者に委ねる手もあるのかもしれないけど、 私は、分かりやすく堪能できるこの舞台が、とても好き。 BWで観た時にとても好きだったものに似て、赤と黒と 単純なラインをメインに作られた割とチープな舞台美術や、 停電→雷など、定番だけど怖かったり悲しかったりする、 分かりやすく単純な演出もなかなか好き。
ルーシーもうまかったけれど、あまりに華奢で貧弱なので、 ハイドにいたぶられて、自分の内の思いを否定しながら 身を任せるなんて場面は、痛々しくて個人的に見たくなく。 友人には「観る側のメンタリティだね」と切られてしまったけれど、 私には、これを観られる感覚の持ち合わせがないです・・・。 個人的に特筆は、エマ。自分の意思でもって「ついていく」を 選択している女性の強さや賢さが、とても美しく、素敵。 実は少々お年が上なのか、ウエディングドレスとかはあまり 似合っていないのだけれど、そんなの問題なしと言い切れる 賢く貞淑で皆の憧れのお嬢さん。その芯の強さがあってこそ、 エンディングに泣きまくることになるのであって、彼女もまた、 今回の舞台を〆てくれた最高の人だなと思いました。
何しろ、いろいろとすごく満足。 後ろの書割とかは、そこまで要らないと思ったり、 アンサンブルさんたちが踊りすぎてるのは、多少気になったり、 (でもあれだけ踊れて歌えるキャストがそろうのは、すごい) アターソンが単なる「弁護士」としての風格ばかり目立っていて、 年齢差も大きく、ちっとも友達っぽくないのが嫌だったりとか、 ちょこちょこあるけど、メイン3人と演出が非常に良かったから。 いいなぁ、演技がすごくできて、華もあって、歌も結構歌える人。 「どうだ!」って俺様パワー満載で、満足でした♪
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