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2006年03月09日(木) |
『ハゲレット』(初日) |
<場所>紀伊国屋ホールC列3番 <時間>全1幕19:00〜21:10 <原作>ウィリアム・シェイクスピア <翻訳・監修>小田島雄志 <脚色>鈴木聡 <演出>山田和也 <出演>ハムレット:近藤芳正、 オフェーリア:笹本玲奈、ホレーシオ:陰山泰、 ポローニアス:石田圭祐、レアティーズ:鈴木浩介、 オズリック、役者、墓堀りほか:福本伸一、 ローゼンクランツ、役者ほか:木村靖司、 ギルデンスターン、役者ほか:桜井章喜、 マーセラス、隊長、牧師 ほか:湯澤幸一郎、 フォーティンブラス、役者、墓堀りほか:土屋裕一、 ガートルード:久世星佳、クローディアス:ベンガル
ものすごーく『ハムレット』でした。 いや、勝手に、「ハゲてることを悩んでいる物語」に なっているんだと思っていたんですが、思い切り間違いでした。 悩んで悩んで悩みすぎてハゲちゃってるけど、ハゲても、 そのことよりも悩むことが多すぎて、髪は二の次って感じ。
どちらかというと「今、目をそらしたな?そらすな!」と 相手に繰り返しているハムレットは、ちゃんと真正面から 悩みにぶち当たっている証拠として誇らしく思ってる節すら 感じられて、思わず「すげぇ・・・」と感心してしまったり。 先日観た『夏ノ夜ノ夢』とは、ある意味、真逆と言えるかも。 あっちは、福田恒存訳で覚えているセリフが、結構な量、 そのまま使われていたけれど、テーマからして全く違う話。 『ハゲレット』では、小田島訳のセリフには、ほとんど 気づかなかったけれど、『ハムレット』の精神がある感じ。
言葉遣いとか、簡単な設定とかは、 現代風味になっていて分かりやすいんですけどね。 「オフェ」とか、省略した愛称で相手を呼んじゃってたり、 だいたい、オフェーリア、処女じゃなかったりもするし。 個人的には、そこは変えなくてもよかったんじゃないかと 思ったりもしましたが、玲奈オフェのサバけっぷりには 似合っていたから、若干当て書きの部分もあったとか? 「いーじゃない、それくらい」なんて言うオフェーリア(^^; 先王の亡霊の表現方法を筆頭に、笑いも満載。
あんまり周りが気楽に生きちゃっているだけに、 一人で勝手にやたら真剣に悩んでいるハムレットの姿は、 ちょっと可哀相でもあり、可愛げがあっておかしくもあり。 父の死後に、速攻で叔父と再婚した母を責めたところ、 「だって、そうしたかったんだもん♪」と言われる姿も哀れ。 途中でレアティーズが(彼が言うのはキャラがあまり合ってない 気がして、納得いかなかったのですが)「あの方は、ハゲて ますます味が出てよくなった」とハムレットを評すんですが、 観終えてすごく納得。もうちょっと肩の力抜いて生きな?と、 声をかけてあげたいような、せっかく隣にいるんだから、 もう少し眺めていたいような気分だったりも。 いつも通りのハムレットなのに、こうも見られるんだなと、 とても納得して観終えました。楽しかった。 あ、でも、途中休憩は、ちょっと欲しかったかな。
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