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2006年02月09日(木) 『アンナ・カレーニナ』初日

<場所>ル・テアトル銀座9列16番
<時間>1幕18:15〜19:45、2幕20:00〜21:15
<演出>鈴木裕美
<出演>
 アンナ・カレーニナ:一路真輝
 アレクシス・ヴロンスキー伯爵:井上芳雄
 コンスタンティン・レイヴィン:葛山信吾
 スティーバ(アンナの兄):小市慢太郎
 キティ・アレクサンドロヴィーナ(アンナの義理の妹):新谷真弓
 プリンセス・ベッティ(ヴロンスキーの従妹):春風ひとみ
 ニコライ・カレーニン(アンナの夫):山路和弘
 セリョージャ(アンナの息子):夏目卓実
 乾あきお、佐久間義也、中山昇、縄田晋、ひのあらた、伽藍琳、
 高畠ゆうみ、中村友里子、福麻むつ美、BELLE、ももさわゆうこ

よかった。
いや、1幕の時点では長くてたるくて疲れてきていて、
幕間の感想は「まあ、初演初日、こんなもんか」だったけど、
2幕でダダ〜ンと話がまとまって「意外に満足じゃん!」な感想。
山路カレーニンに泣かされ、葛山コンスタンティンに笑わされ、
小市スティーバも新谷キティもいい味だし。周りがよすぎて、
目当てだったはずの井上君と主役の一路さんは霞んでたけど、
「ミュージカル」というより、1本の芝居を見せてもらった感じ。

まあ、その分、歌を聴きたい人にはつらめかな。特に新谷さん。
キャラはすごく可愛くてよくて、2幕コンスタンティンとの黒板の
場面なんて、台詞で拍手くるほどだったけど、歌は音外れてる。
葛山さんも声は驚くほどよいし声量もあって、ガンガンに緊張が
感じられた割には、上手いぞ〜!って感じだったんですが、
少々不安定で、キティとのデュエットでは音がよろめき気味だし、
山路さんは丁寧に感情がこもりまくった歌だけれど、声量が
バ〜ンとあるってタイプじゃない。小市さんも聞かせはしない。
春風さんは少し踊ってくれるけど、歌はほんのちょびっと。
「ミュージカルといえば歌!」の人は、きっとものすごく不満。
でも、多少音が外れたって感情がこもっていればOKな私には
嬉しい限りの、「役者」がそろった舞台だなぁ!という感じ。

井上君は、演技力がどうこう以前に、損な役回りなんですよね。
一目惚れしてからずーーっと押しまくる恋バカの役で、
それ以外の場面がないから、演技で魅せるのがすごく難しい。
スティーバに見送られるラストでは「どこで狂ってしまったのか・・・」
という、後悔と成長、男らしさが見えて、ちょっと良かったけれど、
そこまでのほとんどは、多種類の衣装がかっこいいなぁぐらい。
ただ、「一路さんの若いツバメ」には、まったく見えなかった。
ちゃんと対等の恋人に見える貫禄が出ていて、驚き感動しました。

一路アンナもね・・・。
そのものとしては、すごくいいと思うんですよ。
独りで思いつめていくタイプは、さすがに似合っているし。
ただ、全体が意外なほど群像劇なつくりで、1幕なんて
一番歌ってるのはキティじゃないかってぐらいだったので
感情移入しやすい人ばかり観ながら楽しんでいたら、
最後、アンナが飛び込む前、いきなりクローズアップされて
1人でスポット浴びて熱唱されてしまったりして、びっくりで。
出会いに戻ったかのような駅の場面になったので、
群集がさざめく場面、いきなりアンナが下手に駆け出していき、
汽車の警笛、そして轢かれる音・・・って感じを想像していたら、
人々がはけて、暗くなって彼女にスポット、ロングソロ。
いきなりこれって、舞台のバランス崩れないか〜?と、
?マークだらけで熱唱を聴いちゃいました。ごめんなさい。
しかも、1幕最後、伯爵のフェンシング〜2人のデュエットも、
丸々カットしてもいいんじゃないかと思ってます。ごめんなさい。

セットも好きだったな。しっかり作られていながらも、
ちょっとした家具の置き換えと回り舞台だけで場面を変えられる。
開演前は、「こんなに作りこまれていて駅の場面とかどうするの?」
とか話していたのに、始まったら何の違和感もなく素敵だった。
場面数多い割りに、出てきた役者さんにスポットが当たっている間に、
さっと家具が入れ替えられるだけで場面が変わって、とてもスムーズ。
最期のアンナソロでいきなり劇的になってびっくりしたのを除けば、
演出も大満足かな。あの場面に関しては、ついていけなかった
私の方が悪いという話もあって、強く文句は言えませんし。

目当てを含めた主役たちに感情移入できなかったのは残念だけれど、
山路カレーニンの切なさやセリョージャとの触れ合いに泣かされ、
葛山コンスタンティンの素朴さや新谷キティの可愛らしさに救われ、
小市スティーバの優しさに癒やされて、舞台を観終えました。
カレーニンなんて、その場にいなくても、「娘を引き取った」という
エピソードを聞いただけで、場面を想像しちゃってて泣けるほど
キャラが立っていたし、本当に1本の芝居として、なかなかな満足。
これが楽日になったらどうなるのか。初日から楽しみで幸せです。

あっと、最後に。
カーテンコールで山路さんと井上君に挟まれた一路さんが、
ふっと山路さんから差し出された腕に手を預けて去っていき。
その2人の姿が、とても素敵で観劇後感アップでした(*^^*)



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