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2006年01月23日(月) |
『グランドホテル』前楽 |
<場所>国際フォーラムCホール、9列43番 <時間>1幕もの:2時間20分くらい <演出>グレン・ウォルフォード <出演> オッテルンシュラーグ : 藤木孝 エリザベッタ・グルーシンスカヤ : 前田美波里 フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵 : 岡幸二郎 オットー・クリンゲライン : 小堺一機 フレムシェン : 紫吹淳、ラファエラ : 諏訪マリー、 ヘルマン・プライジング : 田中健、エリック : パク・トンハ 劇場主:児玉謙次、ウィット:田中正彦 運転手:岩崎ひろし、弁護士:清水明彦 ダンサー:西島鉱治・向高明日美 金澤博、家塚敦、 初音ひかり、西原純、佐々木誠 小原和彦、西村元紀、青山航士、高山光乗 柳橋さやか、上野聖太、高橋千佳
よかった〜。 最初のうちは、端から見ていたせいもあってか 「グランドホテル形式」に慣れられなくて、 どこで誰が何をやって何を歌っているんだか、 全然分からないまま話が進んでいくよぉ(^^;と、 焦りまくったんだけれど、それなりに見ていくと、 人が関わりあったり関わらなかったりしていって、 最後に、ずっとサービスする側だったエリックの 人生もクローズアップされて、納得のエンディング。
開幕当初、演出がまずいだの何だの、どうも不評で 行く気なくしていたところに、「『有頂天ホテル』の前に 行っておくといいかも」的な三谷話を聞いたもので、 宣伝に載せられて、フラリと当日券で行っただけなのに。 確かに演出は、お金かかってそうなセットに対して、 趣味の悪いバラとか、お椀大のシャンパングラスが変だし、 見せるべきと思われる場面が、えらい遠くで演じられて、 何をやってるんだかさっぱり分からないとか、全体に 中途半端だけれど、でも、作品として好きだぁ!と満足。
話もいいけれど、演じ手もよかったと思う。 アンサンブルさんたちの勢いある踊りもよかったし。 「客に求められなくなったバレリーナ」という雰囲気が、 エネルギーに満ちあふれた感じの美波里さんに 似合うかは心配だったけれど、静のプライドがあった。 男爵と一夜を過ごした後、頑なになっていたのが、 柔らかく女らしく開いて、すごくかわいらしく見えてきて、 それが、何事も実感なく世間離れして生きていた男爵に 驚きと変化をもたらした瞬間って、びっくりしたなぁ。
岡さん@男爵は、むちゃくちゃお似合い。 借金が「他人の金」という意識も実感はないだろうし、 盗みや死にしても、美意識に反しない理由があればOK のような印象で、オットーにも優雅な貴族様の生活を彩る 気まぐれなボランティアみたいに声をかけていた彼が、 盗みに入った部屋で、人助けをして殺されるなんて。 でも、あの朝の会話の後なら、すんなり分かった。 それだけに、最後に駅へ向かうグルーシンスカヤには 泣きそうになった。直前のラファエラの、どうしても エゴイストになってしまう恋心の表現の後だったから、 余計にかもしれないんだけど・・・。
フレムシェンは、野心がはっきりしているのに、 素直で可愛くて、とにかく脚がきれいでよかった〜。 踊りもGood!でも、チャールストンに関しては、 相手の岡さんが、悲しいほど踊れていなかったので、 場面としてはイマイチになってしまったのが残念かも。 小堺@オットーも、前回のLSHよりずっと好きだった。 温かく一生懸命で、地道に優しい。大金にも変わらない。 男爵からライターを渡される場面は、どんな表情なのか よく見えなかったんだけれど、最後にエリックに渡す時、 オットーは男爵から、好意を受け取ってたんだなと、 何となく理解できたようで、やっぱり、ほろりときたかも。
藤木@医師は、ものすごい存在感で、舞台を締めてた。 けれど、実は一番よく分からなかったのも彼でした。 ここに長居できるほど金持ちか有名人なんだろうけど、 医師と言っても、自分こそが病人みたいな感じだし。 ただ、彼が何者かは分からなくても、彼がいることで、 作者視点というか、作品を俯瞰から見る視線が得られて、 偏って感情移入することなく「グランドホテル形式」を きちんと楽しめたのかなと思うと、有難かったです。 途中途中に、アンサンブルたちの人生まで織り込んで、 人生そのものを描いたような面白さのあるこの舞台、 もう一度観ることができたなら、彼がいることの多い 下手側から、観たかったなあと、非常に思いました。
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