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2005年07月20日(水) 蜷川版『十二夜』

蜷川版『十二夜』(歌舞伎)

<時間> 
序幕16:30〜18:04、2幕18:34〜19:20、3幕19:40〜21:00
<場所>歌舞伎座2階7列14番
<原作>W.シェイクスピア
<訳>小田島雄志、<演出>蜷川幸雄
<出演>
 尾上菊之助:斯波主膳之助(セバスチャン)、
        獅子丸(シザーリオ)、琵琶姫(ヴァイオラ)
 中村信二郎:大篠左大臣(オーシーノ公爵)
 中村時蔵:織笛姫(オリヴィア)
 尾上菊五郎:丸尾坊太夫(マルヴォーリオ)、捨助(フェステ)
 市川亀治郎:麻阿まあ(マライア)
 市川左團次:左大臣・洞院鐘道(サー・トービー・ベルチ)
 市川團蔵:比叡庵五郎(織笛姫の家臣、フェービアン)
 尾上松緑:安藤英竹(サー・アンドルー・エーギュチーク)
 尾上松也:久利男(従者、キューリオ)
 坂東秀調:幡太(従者、ヴァレンタイン)
 坂東亀三郎:役人頭・嵯應覚兵衛
 河原崎権十郎:海斗鳰兵衛(アントーニオ)
 市川段四郎:舟長磯右衛門(船長)


えっと、蜷川さんの初歌舞伎なんですが。
私自身が歌舞伎慣れしてないので、従来の歌舞伎との
相違点みたいなものは、全くさっぱり分かりません。
ただ、「菊ちゃんの『十二夜』観ない?」と誘われて、
ちょっとそれは素敵かも〜♪とついていっただけで、
その点は、とてもとても満足して帰ってきました。
やっぱり似合うよ〜、菊ちゃんかっこいい〜(*^^*)
美人さんだし、眉目秀麗な若衆だし、目の保養。

彼も勿論ですが、とにかく「きれい」な舞台でした。
幕開き、蜷川お得意の鏡張り舞台。全面に映った
客席に、おお〜っ!と観客がどよめいたところで、
鏡の向こうにある桜と手前のクラヴィアが透けてきて、
洋装の子供たちが♪O come Emmanuelを歌い始める。
ハンサムな大篠左大臣と従者が花道を歩いて登場。
鏡のおかげで2階席からでも観えるのが嬉しい。
(ただ、曲と桜で、季節感を悩まされたのも確か。
そんなところで引っ掛かる必要はないのかな?)

続く嵐の場面では、まずは舳先に立つ凛々しい膳之助。
舳先の美青年というのは、それだけで見惚れるのに、
船長に「妹を頼む」と奥に消えたと思えばすぐさま、
早変わりして、なおやかな琵琶姫で現れる。
目的に沿って、冒頭からしっかり、菊ちゃん堪能(^^)
魅せてナンボ、楽しませてナンボのエンターテイメントだと
分かって作ってくれてるのかなという感じが嬉しい。

けれど、ちょっと困るのは、分かりやすさを
追求してくれたおかげか、ゲームなどにかぶること。
各々の部屋に入ると必ず、テーマ曲が流れたりすると、
『アンジェリーク』を思い出したり、「紀伊といえば鯨」の
単純なつながりには『遥か〜』シリーズを思い出したり。
サー・安藤の格好も、ゲームや漫画のなんちゃって平安。
でもシェイクスピアも歌舞伎もゲームも、時代時代の
エンターテイメントだから、そこを追求すると似るのかな、
とか考え始めると今度は、♪「ちょっぴり おつむに訴えて、
ちょっぴりハートにアピール」なんかが頭の中で流れ出したり。
いや、結構まじめに観てるんですけどね。

役者さんは、目的その2だった菊五郎さんが、
台詞を結構かみかみだったのが、気になりました。
稽古10日で幕を開けたんじゃ仕方ないのかもだけど、
せめて阿呆役の時は、滑らかにしゃべってほしいなと。
でも、チケットをお願いした時点ではオーシーノ役での
色気を期待していたので、役柄としては残念だったのに、
間を取る巧さには、さすが!と思わされてしまったなぁ。
笑いでも何でも、魅せてくれるから大好き。

他にお気に入りだったのは、麻阿まあ。
安藤と洞院とつるんでいて、いつも目が引かれました。
動きが分かりやすくて、かわいらしかったな〜。
織笛姫は、雰囲気可愛いけど、声がイマイチ。
オフで声だけ聞こえてから出てくることが多いせいか、
凛々しくてきれいなんだけど、もう一歩だったかな。

でも大きな文句といえば、最後の再会シーンだけで、
基本はとてもとても楽しませてもらった舞台でした。
最後はどうするんだろうとは思っていたけれど、でも、
せめて、もう少し似ている人はいなかったのかなぁ?
あんなところで笑いが起きるって、どうなのよ(苦笑)



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