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2005年07月16日(土) 『マウストラップ』

ミニイベント付きの日とあって、客席はほぼ満員。
イベントは40分ぐらいかな?主にQ&Aと写真撮影。
『蜘蛛の巣』の時のように舞台上で撮影できるのかと
楽しみにしていたのですが、今回は無理でした。

マイクのコードは長いものを使っていたようで、
割と後ろの席の人の所までも戸井さん自身が
マイクを持って走り回る手作り感が、らしかったかな。
挙手形式だったためか、あまり質問は出なくって、
「飾られた絵の1枚だけ大和田さん作。どれ?」とか、
「WEでは、エンディングは誰にも話さないで挨拶を
トロッターがやっていたけれど、やりたくないですか?」
とか、たわいもない話がほとんどだったと思います。
「先に書いてもらえばよかったね」とは戸井さんは弁。


『マウストラップ』

<場所>三百人劇場5列15番(センター)
<演出>大和田伸也
<出演>
  トロッター刑事:戸井勝海
  ジャイルズ・ロールストン:内海光司
  モリー・ロールストン:芳本美代子
  ボイル夫人:淡路恵子、ミス・ケースウェル:前田真里衣
  メトカーフ少佐:大門正明、パラビチーニ:田村連
  クリストファ・レン:岩田翼

異様に寒いと聞いていた劇場も、上着を羽織れば
そこまでではなく、ちょっとホッとしながら観始めて。
客が入ると舞台上も乗るのか、少しテンポアップめ、
みっちょん@モリーの明るさが、いい感じで映える。
前回は絶望的に感じたミス・ケースウェルの台詞も、
サラッと聞き流して諦めがつけられる程度に感じる。
スムーズに進んでいく舞台が、ちょっと嬉しい。

でも戸井さん個人は、ちょっと重めになっていたかも。
多分、シリアスの方が演じやすいんだろうけれど、
初演の演技に寄ってしまった印象があって少し残念。
いや、そういう演技もありなんだろうとは思うし、
大和田演出自体が、粋さや お洒落さはほぼ排除して、
ムダに真面目にミステリを作ろうとしている印象なので、
演出的にはその方が正しいのかもしれないけれど。
せっかくモリーが、明るくチャーミングになったのに、
トロッターがテンポに乗り切れていない感じ。

個人的には、ネタバレは、観劇2回目以降の人たちが、
「こんな所でこんなこともしてたんだ!」と思う程度で、
初見の人は全く気づかない舞台でいいと思うのです。
パンフレットにある、赤川次郎のコメントのように、
小難しいトリックや陰惨な殺人、重苦しい関係ではなく、
ユーモアや会話の妙こそがクリスティの面白みだと思うし、
ネタ云々よりも、その場のテンポを楽しむ舞台にしてほしい。
それこそが、ネタなんて完璧に分かっていてもなお、
何度でも観ようと思えるクリスティの魅力だと思うのに。

けど、終演後のイベントでのQ&Aで、初見の人が
「全然、犯人が分かりませんでした」と言った時の、
「いろんなところで演技してるんだけどね」という返事に
(あれくらいじゃ分からない?もっとやらなきゃ?)という
雰囲気を感じて心配になってしまったのは私だけ?(^^;
演出と好みが合わないってことで、諦めるしかない?
最後の方の深刻な部分は、結構いいと思うんだけど、
犯人が分かりきっていても楽しめる面白さ、ってものが
いまひとつ欠けている気がしてならないんだけどなぁ。
それがあるからこそのロングラン芝居じゃないかなぁ。

・・・と、初演から考えればすごく良くなった舞台を前に、
それでも何か方向性が違うと思うんだけどなぁと、
言っても詮無き繰言をつぶやいてしまう私なのでした。
素直に「趣味じゃない」とだけ言えばいいのかなぁ。
でも、ウェルメイドコメディとしてのクリスティが勿体ないと、
どうしても思ってしまうんで、もう仕方がないですね。
とりあえず、初演から安定してすばらしいボイル夫人や、
「舞台に溶け込んでうるさい」演技を会得したレン君、
噛むほどにおいしくなる少佐らも、とても好きでした。



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