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2005年07月13日(水) |
『うら騒ぎ〜NOISES OFF』 |
新国立劇場シリーズ「笑い」vol.4 『うら騒ぎ〜NOISES OFF』
<作>マイケル・フレイン <演出>白井晃 <場所>新国立小劇場、D2列8番 <時間>19:00〜21:40ぐらい(全2幕or3幕) <出演>沢田亜矢子、井川遥、谷村実紀、山崎美貴、 今井朋彦、羽場裕一、大林洋平、白井晃、森塚敏
いや〜、笑った!すっきりした。 ・・・ってだけで感想終わらせちゃいかんでしょうかね(^^; でも、とにかく観なきゃダメってな舞台だったんで。 気持ちよく笑って、すっきりして帰りましょう〜って。 「笑い」を追求して ここまでいけりゃ、文句なし。 さすが、マイケル・フレイン。人の出入りや小道具の 使い方が、観てて分からなくなるほど細かくて、 本当にきっちり作り込まれていることに、ただ感心。 それを演出しきった白井さんにも、演じきった 役者陣にも、感服&拍手。以下、ネタバレ。
基本は、「NOTHING ON」という芝居を上演する カンパニーの話。観客も一応、それを観に来た という設定なので、幕にも「NOTHING ON」と書かれ、 席に置かれたリーフレットも「NOTHING ON」の解説。 「本リーフレットの内容はフィクションであり、 ほとんど事実と異なる内容となっております。 正しいプロフィール等は劇場ロビーで販売の 公演プログラムをご参照ください」ですけどね。
例えば羽場さんの出世作は「鼻血ぽったぽた」。 ついでに、羽場さん演じる役者「羽場」は、 興奮すると鼻血が出やすい体質で、それもまた、 どんどん混乱していき収拾がつかなくなる舞台の 彩りの一つであったりもして。
1幕の舞台装置は「NOTHING ON」の舞台セット。 初日前日深夜、ゲネプロのつもりだけど場当たり。 台本が遅れたせいで、まだ台詞も段取りもロクに 入っていない役者たちに、演出家・白井はイライラ。 この演出家、客席に設けたディレクターズシートから 演出するのですが、私の目の前が そうだったの(*^^*)
前のめりになったり、背もたれに寄っかかってみたり、 マイクを持っては置き、持ってはダメ出しし、時々 「何やってんだ、あいつは」とつぶやく生声が聞こえ、 くしゃくしゃ髪をかきむしったりする姿に うっとり。 何というか、白井さんって、ダメ色気があるんですよね。 ただ、舞台は、ものすごーく見えにくかったです。 でも、せっかくなので演出家と一緒になって、必死で 人の出入りや小道具に関して細かく見ておいたのは、 2幕3幕で、吉と出る。
1幕終わりで休憩に入るのは、白井さんの 「ここで やめましょう」というゲネ終わりの言葉で。 客席も明るくなるんですが、役者の演技は続くんです。 幕前に現れて怖〜い顔の井川遥とか。白井さんも、 ゲネプロの時は本当に こんなことをしてるんだよ〜とか、 「NOTHING ON」って実は・・・と続け、ついでに「これは、 本当の休憩です」とも言うけれど、トイレに立ちにくい(^^; まあでも一応15分休憩。ここを逃すとヤバいです。
2幕は、公演中日の舞台。セットは舞台裏。 実際に1幕のセットをぐるっと回したんだと白井さんの弁。 裏側の人間関係が、1幕に続けて詳細に見えてくる。 井川遥とつきあっていながら、舞台監督助手役の 谷村実紀さんにも手を出している白井さんに、 沢田さんと今井さんもつきあっていて、 酒好きの老役者・森塚さんは徘徊癖があって、 彼が消えた時の代役・大林君は、使いっ走り。 ごたごたが募ってくると、羽場さんは鼻血を出す。 でもまあ何とか、舞台側での出入りはできていて、 1幕で観た舞台ができたような気がする。
一応「5分の休憩」。でも客席は半明かり。 白井さんと森塚さんの会話があったりもして。 「トイレ行っていいですよ」台詞もまたあるけれど、 誰も立つ気配はないまま3幕に突入。
幕が開くと3幕。1幕と同じ「NOTHING ON」のセット。 千秋楽の公演ですが、もうメチャクチャ。 いや一応、続いてるっちゃ続いてるんですが、 ないはずの小道具があったり、いるはずの人がいなかったり、 あらぬところで、きっかけの台詞を言ってしまったために、 今 来ては困る人が舞台上に出てきてしまったり(^^; 元をしっかり観ているからこそ、収拾しようとする役者と、 アドリブの利かない役者の噛み合わない台詞の応酬や、 どんどん増えていく小道具への対応に爆笑の嵐で。
もうこうなると、ガツガツ笑った者勝ちという感じで、 観ている方も焦り、困り、笑い、楽しみまくりました。 あれが本当に全部台本にあるなんて信じられないけれど、 それこそ、台本を全部把握してなかったらできえない舞台。 本当にものすごくこれは、台本が見たい芝居です。 できれば上演台本と脚本と読み込んだ後でもう一度観たい。 そうすると、すごさがまた実感されるんじゃないかな。 いやしかし、気持ちよかった。よく笑ったな〜!
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