検索HPなどから飛んでこられた方へ。このページは最新です。
お手数ですが目的のものは、日付を確認の上、BNリストからお探しください。
今日の私
BNリスト|昨日|明日
『新市村座』
<場所>ル・テアトル銀座 5列8番 <出演>市村正親 <作・演出>高平哲郎 <演目> 1幕:挨拶替り、口上、(座長着替中)、 音楽講談『噫無情』エポニーヌの巻、西洋奇術、 2幕:芝居仕立人情噺『文七元結』、 大喜利(御存知十八番『俵星玄馬』)、大団円
楽しかった〜! 笑って泣いて、いっぱい楽しんで、弾む足で帰宅したら 「あー疲れた、おやすみ〜」って機嫌よく寝られる舞台。 舞台の上と下の相互作用でどんどん気持ちの熱が上がって、 まさに生の醍醐味!って感じで幸せすぎ。
何だろう?市村さんの「本気」を、ものすごく感じた。 この方、とても器用なエンターテイナーであるだけに、 彼の舞台では時々、小手先で遊ばれているというか、 余裕の市村さんに遊ばされているように感じる時があった。 そのため、観ている途中で我に返ってしまうこともあったのが、 今回、そんな余裕は全くなかった。今できるすべてのことを 全力でぶつけてこられるから、こっちも全力になる。 そうでなければ受け止められない。感覚と感性、フルに 稼動させてガンガン遊んだら、そりゃ疲れるってもんで。
個人的には、2幕が より好きだったかな。 なぜか知っている話だったのですが、この、どこにも 悪人がいなくて人情に厚い話が、今の市村さんに似合う。 先の話も全部知ってるのに、お久の孝行な思いには泣けるわ、 身投げしようって文七を前に、50両握り締めて悩む左官屋の 江戸っ子魂やら何やらごちゃまぜの思いにも真剣に共感するわ。 この場面なんて「かわいい市村正親」が出ちゃいそうなのに、 そういえば、全くそんなものにはお目にかからなかった。今、 感想を書こうという段になるまで、思い出しもしなかった。 見事にすべての人々を生き生きと演じ分けて泣かされた。
♪御存知十八番『俵星玄馬』は、まさに御存知十八番。 でも、歌のドラマ度がさらにアップしたように感じるのは、 私がその世界の言葉を最近は理解できるようになったからだけ? 確かに私が「ヤマガの陣太鼓」を「山鹿の陣太鼓」と変換できる ようになったのは今年になってからという事情はあるけれど、 どこでも絵が見えるようになったのは、市村さんの力だと思う。 最後に颯爽とマイクスタンドを槍のように抱えて去る姿に、 気が遠くなるほどかっこいい!と思ったのは、不思議なほど。
ああ、ホントにいいものを観ました。幸せ。ちょっと 「山鹿の陣太鼓」聞いてみたいかも。市村さんの姿から 聞こえてきたのと、どれほど一緒でどれくらい違うかな? でももしかして、記憶になくても音響さんで入ってたのかも。 今回、和洋折衷太鼓の方の演奏が楽しげで楽しげで、 特に「座長着替中」の時なんて、弟子入りしたくなるくらい、 見惚れてました。またあの人にも会いたいなあ。
|