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2004年04月17日(土) 芸術劇場で。

スマステの後、『売り言葉』を録画しようとして、
チャンネル確認にガチャガチャ回していたら、
ある舞台の、ちょっと印象的な場面に出会った。
舞台奥を横に広く使って、少しずつ高くなる
植え込みのようなものを前後に何重にも作り、
手前上手端には満開の桜の花。その前に畳と文机。
そこに座る着物姿の男性。歌舞伎を思い出させるセット。

植え込みと植え込みの間に均等に並んだ
黒の着物に身を包んだ男性たちが、抑えた動きで踊る。
日本刀を振り上げたりして、殺陣のような動きが多い。
舞台奥を広く使い、揃った隙のない動きで踊る男たち。
時々 大写しになるのは、細く つり上がった目で、
細身の武士らしい清冽な印象を与える男。

数分ぐらいかな?思わず見とれてしまっていて、
慌ててビデオに残そうと動き始めた時には、
その場面は終わってしまって、とても悔しい思いを。
一応その後も少しだけビデオ録りを始めてみたけれど、
それ以上に印象的な場面はなく、数十分で録画ストップ。
TV欄によれば、23時から始まった芸術劇場での舞台。
私が観たのは始まってから十分強の場面だったらしく、
まさに「つかみは完璧」という印象。もしこれを劇場で
観ていたなら、このオープニングの美しさだけで、
最後まで気持ち つかまれていたかも。

ものは、鈴木忠志演出『シラノ・ド・ベルジュラック』。
出演は、シラノ:新堀清純、ロクサーヌ:イリーナ・リント
クリスチャン:永井健二 ほか。ロクサーヌがロシア人らしく、
全く日本語を話さない。TVではずっと字幕。多分、劇場でも。
どうやら、『シラノ』を、喬三という日本人作家が書いていて、
彼がシラノ自身も演じるという、ラ・マンチャ風の構成らしい。
最初に目を奪われた男性は、クリスチャン役の永井健二。

でも構成を変えた意図はよく分からなかった。全体を通して、
和風の美があふれる舞台であることだけは確かだけれど、
ミニ丈の振袖とか、よく分からないものも多々あったし、
「ただ、きれいだった」で終わってしまったのが残念。
どうやら放映直前に、演出家のインタビューがあったようで、
それを聞いていれば少しは違ったのかなと思いもするけれど。
とりあえず、クリスチャン役の人、また観てみたいなと思う。



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