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2004年03月06日(土) |
改訂版『エリザベート』初日感想 |
久々に舞台通いを始めたら、 それだけで疲れ果ててしまって感想が書けない(^^; 後から見返したい自分のためにも頑張って、 なるべくサクサク書こうと思ってはいますが。 とりあえず短めに。(と書く前の今は思っている)
<Wキャスト> 内野聖陽、鈴木綜馬、浦井健治、 今拓哉、塩野魁土(子ルドルフ)
大体3時間。短くなったのかな? ちびルド君と皇太后様に歌が増えたりして、 周りの人々も描き、分かりやすくなった感じ。 皇太后様の死でも彼女に共感して泣けそうだし。 どうしてもエリザベート=わがまま女という イメージが強くて感情移入できない私にとっては、 この作品を観るに当たって有り難い方向かも。 (なら観るな、という突っ込みは自分だけで十分)
でも周りを描き込んだ分、エリザベートの 内面の変化が削られてたような気がするのは残念。 好きじゃなくても頭で理解できなくはなかったのに、 今回、なんだか感情の流れが唐突だったのは、 今日が初日だったからとか、♪夢とうつつの狭間に が、カットされたせいだけじゃないような気がする。
大々好きなフランツ陛下も、ちょっと単調気味。 綜馬さんは、今日の舞台で唯一といっていいほど、 初日である影響を全く受けずに素晴らしかったから、 多分、陛下の人間味が削られて分かりやすいキャラに なってしまっているのは確かなんだと思う。
シシイとの出会いで、海を見に行こうとか歌う辺り、 絶対に実現しない夢であっても語ってみてしまう、 彼にも存在していた若さが好きだったのに、カット。 追加された、皇太后に妻の側に立つと宣言する場面は、 皇帝として政務に不利益な方を切り捨てたように見える。 どうも冷たい人化したようで、エリザベートを愛して いたのも、もしかして最初の方だけ?と疑っちゃうくらい。 この夫婦に関しては、今回、共感度↓だと思う。 それでも♪夜のボートの2人の雰囲気は好きですが。
演出はねぇ・・・。 回る鹿→巨大点描鹿、ブランコ→巨大化一路さん。 『Pure Love』見た人には分かる、ドットの粗い電飾、 あれで背景をすませてしまう場面が多すぎ。 普段あまりネタ的な意味で笑ったりしない私ですが、 巨大化して手を振る一路さんの姿には、どうしても 耐え切れず失笑。あれだけでも、やーめーろーーー。 昔懐かし巨大な羽根付きゴンドラで登場する トート閣下も、笑いをこらえるのに苦労しました。
トートといえば、衣装も随分変わっているのですが、 祐一郎さんに恐ろしく似合っていた(と私は思う) 大司教の金の衣装と帽子が赤黒に変わって残念。 結婚式なりヒットラーなり さまざまな場面で、 正面から捉えず斜めに舞台を使うことが増えたのは、 人物の造型が単純化した分を補ってるのかもだけど、 具象化をやめて、赤+黒やオレンジ+青緑といった、 目の痛くなるような衣装やライトで雰囲気を出すという 今回の演出の特徴は、個人的には好きじゃないなぁ。 バートイシュルでのド水色のシシイのドレスも、 意図は分からないではないけど、なんか悪趣味だし。
ソロの演出も随分変わっているけれど、 ♪私だけに の印象的な大扉がなくなったのは残念。 後から「扉は開かれなかったしね」と言われて、 そういう意味合いもあるのなら仕方ないと思ったけど、 ただ「布団を踏んで歩いちゃいけません!」と しつけられて育った身には、大した意味もなく ベッドの上に立つのは すごく抵抗あるんですけど。 いや私も、高い所のものを取る時とかのぼるけどさ・・。
ダンスに関しては良し悪しは分からないけれど、 新しい振付の部分の踊りは、とにかく邪魔。 緩急がないというか、ずーっと動きっぱなしだし。 ミュージカルの中の踊りというより、踊りを見せる ための踊りという感じで、自己主張が強すぎる。 ただ、マイヤーリンクでのルドルフを交えた踊りは その場面の主人公が踊りに参加していただけに、 そこまで邪魔とは思わなかった。まあ、この作品自体 踊り主体の場面がほとんどない以上、場面全体が 作品から浮いていたきらいはあるけれど。
その新ルドルフ君、良かったです。 ちょっとまだ歌が不安定なところはあったし、 マイヤーリンクのダンスは、ダンサーさんに混じるから 足が上がりきってない〜とかが目立ってしまったし、 エリザベートと同じ魂という繊細さは薄かったけど、 賢そうだし、硬さと若さが役柄に似合って好印象でした。 ちびルド君も良かったし、嬉しいかも。
他のキャストは、今日は安定度低し。 1幕は綜馬さん以外ボロボロといってもいいかも。 2幕に入って随分持ち直したけれど、それでも ダメだったのは内野さんかな・・・。歌い方が変。 多分、以前から比べたら上手くなっているんだけど、 そこに無理に自分らしさをつけ加えようとして こねくった結果、テンポに乗り遅れている感じ。 ひどい形容詞を使うなら、酔っ払いの♪My Way。 自分は上手いんだ〜って感じの矯めが逆に、未だ 人に聞かせるほどのレベルではない事を強調してる。 今日一番良かったのは、最も歌い慣れていないはずの ♪私が踊るとき だったというのは、悲しかったかも。
そんな感じ。 全体的に、分かりやすさ重視という感じかなー。 混乱した分かりにくさも、ある意味、この舞台の 魅力だったという気もするんですけれど。 でも、今回の変更で一番好きだったエンディング、 棺に収まったエリザの、目を閉じた静かで美しい表情で 本当に「死」こそが彼女の満足だったんだなと初めて得心。 前回の内野トートが、エリザベートに恋して、フランツと 取り合っているようで、妙に色っぽさ強調していたのが、 今日は、何の色もなく退屈になっていたように感じたのは、 もしかしたら この方向性に向かって矯正中なのかなと 少し考えを改めてみたりもしました。今後に期待、かな。
最後に、上記の内容とは全く関係ないけど、 駒田一さん、誕生日おめでとうございました〜♪
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