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2002年12月17日(火) |
中川-楓、井上-明音。(敬称略) |
ちょっと恐ろしい観劇量になっています。 そんなわけで、日記を書く余裕がありません(苦笑) でも感想を書き留めておかないと忘れそうで、 それは すごーーーく勿体ないと思うので、書く。 特に井上ヴォルフは、恐ろしく前回(4〜6段落)と感想が違うので、 意地でも書いておかなくちゃいけない!と思うから。 でもすみません、箇条書きになってしまいます。 年明けにでも書き直せるといいなーと思いつつ。 ・・・・・で、年賀状はいつ書くんだ?私(^^;
あ、そういえば。 中川晃教さん、芸術祭新人賞おめでとうございます〜♪ Niftyでは早速、インタビューを載せてくれてます。 こんなに納得できる新人賞って、初めて見たかも。 確かに、今だからできる!という感じの強い、 演技がどうこうというよりも、現在の彼の完璧な ハマり役だとは思うけれど、素晴らしいのは事実。 心に響いてくる度では、新人に限らなくても今年最高くらいだし、 やっぱり、すごく、嬉しいですね。
<井上ヴォルフ> ・その辺にいる今どきの兄ちゃん。 「こんな奴に何故これほどの才能が!」という苛立ちを、 さぞ呼び起こさせるだろう、いいかげんな学生風。 シカネーダーたちと遊び回るのも、いかにも似合っている。
・音楽を愛していない感じがする。才能を大切にしない。 パパの言う「才能の浪費」感が、非常に強い。 片手で女を抱きながら片手で作曲できてしまいそう。 彼にとっての才能は、もともと自分にあるだけのものだから、 アマデも見えているだけで、その表情には全く頓着しない。 自尊心は高いけれど、自身の音楽への誇りではない。
・「父」の存在感が、あまりにも強い。 逃れたいと思う「影」とは父のことではないかと感じるほど。 享楽的に生きているはずのヴォルフが、父と別れた後から、 悪夢に悩まされるようになり(私が、仮面舞踏会を 夢だとハッキリ感じたのは、今回が初めて) 父の死を聞いた後には、父の教えが頭をグルグル回り、 初めてアマデ(音楽の才能)を見、少しずつ従うように変化。 遊び回っていたヴォルフが、才能に身を捧げようと考える時や、 その後、自分自身には何の価値があるのか、アマデと離れて 考えようとした時。それぞれの落差が激しいため、 「父」のヴォルフへの影響の強さが、非常によく分かる。 同時に、神秘主義への傾倒まで思い出させられた。
・ただ、彼自体は あまりに普通で才能を感じさせないので、 どうしても少し、観る側の想像力を必要とする感じがする。 「モーツァルトの音楽は神がかりに素晴らしい」という 基礎知識が実感されている人にとっては、ヴォルフを 取り巻く人々の苛立ちが、否が応でも共感させられるだろうが、 私などにとっての前半は「皆は何をマジになってるの?」状態。 最後に至ってもなお、彼自身は、作曲一つできない普通の人間。 自分と共にあった才能の本当の素晴らしさを実感すること自体が、 彼にとっての死への道だったという話なのだろうか。
・基本的に、物事を真面目に捉えない性格作りのため、 「レクイエム」を書き始めてからの変化が分かりやすい分、 その前の、母の死の後の♪残酷な人生や、1幕ラストの ♪影を逃れて に、若干 唐突さや軽さを感じた。 ただし、中川ヴォルフを観た直後だからかもしれない。
<明音アマデ> ・井上ヴォルフが、アマデの感情を ほとんど無視する 感じの演技だったため、あまり注意して見ていなかったが、 見る者の思いを映す感じの能面無表情だったはずなのに、 非常に多彩な表情を見せるように変わっていた。 「ヴォルフの心の投影」というようには、もはや全く見えない。 大体は、宿主が思うように動かない苛立ちと感じたと思う。
・なぜか分からないけれど、父との別れの後にいきなり 「アマデはヴォルフの大切なものを奪っていっている」と 感じた。♪乾杯ヴォルフガングで、コンスを見る目の憎悪を、 見たからかもしれないけれど、それは鶴岡アマデにもあった。 理由は何であれ、自分がヴォルフを動かすのに邪魔な者を、 アマデが排除していき、それに失敗して ヴォルフまで失ったという感じは、最後まで消えなかった。
<楓アマデ> ・不明(苦笑)。ニコニコしすぎないでくれぇ〜(泣) 中川ヴォルフは、自分に才能があることが嬉しくて、 音楽も大好きだしアマデとも真正面から付き合うので、 アマデが変わると話そのものが変わってしまう気がする。 私には楓アマデに一貫性が見つけられなかったので、 マチネは舞台そのものが、理解できなかった。 「彼の音楽への愛情」なのかなぁとも思ったのですが。 7日(7,8,10段落)に感じた中川ヴォルフの分かりにくさは、 楓アマデとの組み合わせだったからかもと感じています。
結果。 井上-鶴岡は絶対に観る!と決めました。 アマデを利用するだけ利用して無視する井上ヴォルフが、 鶴岡アマデと組むと、どんな話になるのか興味わきまくり。 中川ヴォルフだと、才能の、もしくは神の過酷さを強く感じ、 それを背負わされた者の悲劇という話だったけれど、 井上ヴォルフだと、人が摂理として解明などできない 神の理不尽さが強く感じられそうな気がして楽しみ。 でも私、コロレードと一緒になって怒っちゃうかも(^^;
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