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うたた寝していて、夢を見ました。 自分は子供で、隣に若い母親がいる。 卵型の顔にツルンとした肌の 若い男が、母に話をしている。 私たちと似た世代の彼の妻子を、なぜ捨てなければならなかったか。 自分はいかに努力したかを、優しげな顔で辛そうに語る彼を、 私は嘘つきだと思っているが、母は完全に信じている。 2人があんまり話を信じているので、私も段々、本当の気もしてくる…。
それが、『模倣犯』のピースだったらしい。 目が覚めてから、すごく悲しくなった。 一緒に信じて騙されてあげたいと思ってしまいそうな私はダメ? 教育的には良くないだろう事は分かるけれど。 つか私、もしや すごーく、模倣犯にハマってるかも(苦笑)
というわけで、閑話休題。
石川禅さんの語りの会に行ってきました。 今の時点で、たくさんの感想はありません。 ただ、本当に、ただ、嬉しかった。それが唯一 最大の感想。
『泥棒と若殿』という演目でした。山本周五郎作。 劇場に入ると、鳥の声が流れ、演台の後ろには青々とした枝。 しばらく居ると、冷房のはずの涼しさが、山奥のように感じられてきて。 以前、禅さんの師匠で聞いた事ある内容が、雰囲気だけ思い出されてくる。
そんな中で始まった語りは、本当に静かでした。 「too much」と言われる事の多い彼の演技を私は好きだけれど、 でもそれが、ある意味で非常に大きなマイナスとも思っていた。 村井さんに昔「役者が泣いたら客は泣かないぞ」とも言われたらしい。 でも今日は、そんな面影が ほとんど消えていました。 特に若殿の台詞は、愛されて育った印象を全編に漂わせながらも 何を考え どう変わっていくかという変化も きっちり見せ、 第一声から意外性にも富んでいて、とても印象的でした。
しょせんファンですから、点は甘いと思います。 泥棒の役作りには、自然さが足りないと感じたし、 忠臣の台詞では、「熱い石川禅」が見えまくったし。 でも、余計なサービスなしでお辞儀して帰った姿にも、 これから、どうあろうとしているかが感じられて、 個人的に本当に嬉しかったです。 …って、今日の私、ファンモード走りすぎ?(^^;
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