マニアックな憂鬱〜雌伏篇...ふじぽん

 

 

矢面に立たされる女たち - 2004年08月16日(月)

 女性の社会進出、なんていうのは別に今に始まったことではないのだけれど、先日車の事故に遭ったときから、若い女性と話す機会が多くなったような気がする。
 保険会社のサービスセンターで電話を受ける人は若い女性で、まず「お体の具合はいかがでしょうか?」と聞いてきた(これは自分のほうの保険会社でも相手のほうでもそうだった)。それはもう、「あなたは今回の事故とは直接関係ないでしょう?」と言いたくなってしまうくらいに慇懃に。「今回の事故の件、申し訳ありませんでした」って、別にあなたが謝るべきことではないだろうけどね。

 まあ、下手に出ておけば、当事者は少し高ぶった気分が宥められるのだろうし、彼女たちだって「仕事だから」謝っているだけなのだが。「ポテトはいかがですか?」って言っているハンバーガーショップの店員と同じで、別に、彼女たちがポテトを心からオススメしているわけじゃあない。

 しかし、レストランの「看板娘」として女の子が出てくるのは、話としてわかりやすいのだけれど、考えてみると、最近、若い女性が「矢面」に立っていることの多さに、僕はなんだか落ち着かなさを感じる。
 たとえば、消費者金融のCMで「私たちが、ご返済の相談に乗ります!」なんて言っている女性たちは、たぶん、何かを隠そうとしているのではないか、と。
 
 実際のところ、若い女の子に対応してもらうと、なんだか「怒り難い雰囲気」にはなると思う。僕は今回の事故に関しては、「身体に今のところ大きなトラブルがなくて良かった」という、「不幸中の幸い感」が強いし、ちゃんと払うものを払ってさえもらえれば、怒鳴ったり恫喝したりする気はない。むしろ、「面倒なことに巻き込まれちまったなあ…」というのが本心だ。こういう、「原状回復のための努力」ほど、意気消沈させられるものはないし。

 しかしながら、保険会社のコールセンターとか、消費者金融の相談窓口とか、そういう「修羅場になる可能性のある場所」に若い女性を配置するというのは、なんとなくズルいなあ、という気がするのも事実だ。
 いつかの「武富士事件」のように、暴虐な犯人の犠牲になる可能性だってある。
 やっぱり、お金をやりとりする場所というのは、「鉄火場」だからさ。

 「それも女性の武器なのだし、働く側だってそれを利用している部分があるんじゃない?」と言われれば、確かにそうだと思う。
 僕だって「ナニワ金融道」に出てくるようなパンチパーマのお兄さんが出てくるようなところよりは、小野真弓が応対してくれるようなところのほうが、借りやすいと感じるしね。

 でも、その一方で、「こういうふうに女性を矢面に立たせるっていうのは、なんだかちょっとズルいよなあ」とか、考えてしまうのだ。
 それとも、そういう場所での「男女平等」もまた正義なのか。

 …と言った先から、相手の保険会社の担当者の若い男からの横柄な電話に、むかついてみたりもするわけだが。



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