マニアックな憂鬱〜雌伏篇...ふじぽん

 

 

クリスマス・イヴの留守番電話 - 2003年12月24日(水)

 今日はクリスマス・イヴ。
 僕の人生には、残念ながら劇的なクリスマスの思い出というのはあまりないんだけど、ひとつ心に浮かぶかとがある。
 まあ、とてもささいなことだ。

 もう10年近く前のクリスマス・イヴのことだ。
 僕はその日、後輩の女の子と2人で映画を観に行った。
 その子は実家からだったので、映画が終わってから食事だけして別れたのだ。その頃はまだ正式につきあってもいなかったし、この日に映画を観にいったのも、お互いになんとなく、という感じだった(もちろん、お互いに憎からず思ってはいたわけだけど)
 映画が終わって、少し高揚感を持ちながら家の留守電を聞いたら(当時は、携帯なんてない時代だったから)、そこには、聞きなれた後輩(女の子)の声が。
 「もしもし、今、みんなでパーティやってるんですけど、先輩も来ませんか?…もしかして、○○ちゃん(映画を観に行った女の子)と一緒ですか?」

 当時、サークル内では、僕と○○ちゃんは確かに仲が良かったけれど、まさか、みんなからそんなに見られているとは思わなかった。傍目八目、とは言うけれど。
 そして、電話をかけてきた女の子は、当時、僕が○○ちゃんと同じくらい好きだった子だった。
 「同じくらい」というのは、不実なのかもしれないが、そういうふうにしか、言いようがなくて。

 結局、僕は○○ちゃんと付き合うことになったのだが、今でも思う。
 もし、2人に誘われる順番が逆だったら、どうだっただろう?なんて。

 「いちばん好きな人が、結婚した後に現れることだってある」と言う人もいる。確かに、そうかもしれない。
 僕だってファミレスの感じのいいお姉さんやバイト先の病院の看護師さんに対して「この人と先に出会ってたら、好きになっていたかも」なんて妄想することもある(ほんとに「妄想」ですね)。
 でも、僕はそういう「順番」も運命なんじゃないかと自分に言い聞かせている。
 もちろん、「後からもっといい人が出てきたら、そちらに乗り換える」という主義の人もいるだろうし、それは、個人個人のポリシーの違いでしかないのだろう。
 どちらが正しい、とか言える筋合いではないのかもしれない。

 ただ、そういうのって、「歩き出すのはいつも左足から」というようなのと同じで、僕にとってはすごく大事で、譲れないことなのだ。

 それでも、クリスマスイヴになると、毎年なんとなく、あの一本の留守電のことを思い出してしまうんだよなあ。
 


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