マニアックな憂鬱〜雌伏篇...ふじぽん

 

 

「機械の体」と「自衛隊のイラク派遣」 - 2003年12月21日(日)

 「銀河鉄道999」というマンガを御記憶だろうか?
 まあ、御記憶以前に、そんなマンガ知らん!という人は、今回はごめんなさい。

 (注意・以下ネタバレですので、銀河鉄道999のストーリーを知らなくて、これから読もう、もしくは読む可能性のある方にはオススメしません)


 「銀河鉄道999」は、生身の人間である星野鉄郎少年が、永遠の命を得られるという「機械の体」をタダでくれるという星を目指して、銀河鉄道で長い長い旅をする話なのだ。
 そして、この物語では、永遠の命を得てしまったがために、命を軽んじるようになってしまった機械人間たちの堕落した姿が描かれていく。
 鉄郎が出した結論は、「人間は、命に限りがあるから、一生懸命に生きようとするし、他人に優しくもなれる。そして、親から子へと生命が受け継がれていくのもまた、『永遠の命』なのだ」というものだった。
 当時小学生だった僕にとっては、この結論には、すごく説得力があると同時に、ひどく不可解なものであったことをよく記憶している。

 最近の自衛隊のイラク派遣について、こんなことを言う人がいる。
 「今回は『平和目的』なのかもしれないが、こうやって『派兵』を行うことが常になれば、必ず将来的に自衛隊の海外進出に繋がるはずだ」
 確かに、そうかもしれないな、と僕も思う。
 太平洋戦争の時代の日本軍だって、心情としては、「日本を守るために、海外に進出していた」のだろうから。
 「専守防衛」とはいっても、例えば「防衛のために、敵のミサイル基地をあらかじめたたいておく」という名目で海外派兵するというようことだって、起こりかねない。
 実際、大陸間弾道ミサイルなんて、発射されるのを待ってどうにかしようなんてのは、ナンセンスな気もするし。
 では、「将来的に、海外派兵に繋がる可能性があるから、今回の復興支援もダメ!」と言っていいものなのだろうか?

 話が脱線しすぎた。
 「銀河鉄道999」で鉄郎が出した結論に僕がいまひとつ納得できないのは、「機械の体』をうまく使えるのなら、別に『限りある命』にこだわる必要なんてないんじゃない?」と思ってしまうからだ。
 できれば、僕だって死にたくないし。
 「永遠の命」と「堕落すること」というのは、はたして100%の因果関係があるのかどうか?

 正直、僕にはよくわからない。
 結局、「人間は愚かだから、少しでもリスクがあるほうには、向かわないようにしたほうが得策」なのだろうか?
 永遠の命があれば、人間は必ず堕落していくし、自衛隊がイラクに支援活動に行けば、将来必ず海外派兵へ繋がっていくのだろうか?

 そういう「負の方面への連鎖」みたいなものを信じるのが、果たして正しいのか?

 …でも、「人間なんて、そんなもんだよ」と言われたときに、僕には「違う!」と言い切る自信がないのも事実なのですけど。
 


...




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home