大黒摩季が、「リアルタイム」だった頃。 - 2003年08月19日(火) 大黒摩季が、昨日テレビに出ていたそうだ。 僕らの世代(現在30代前半)にとっては、大黒摩季 というのは、一時期「覆面アーティスト」なんじゃないかと噂されていて、実は、バックコーラスの人が歌っているとか言われていたものだった。最近はステージにも立つし、ラジオやテレビにまで出演しているのだが、以前ほど売れなくなってからそんなふうに露出するようになったのは皮肉なものだ(「売れなくなったから」なのかな、本当は)。 僕にとっての大黒摩季のピークは、「ら・ら・ら」前後、ということになるだろう。当時の彼女の歌詞は、当時20歳を過ぎたくらいの僕にとってはものすごくインパクトがあった。 「冗談じゃない、同情のセックス」(曲名忘れた)なんて、歌詞が出てきたら、驚愕したんだよ当時は。部活の後輩(男)と車に乗っているときにカーステレオから流れてくるこの歌に、顔を見合わせたこともあったっけ。 「今、セ、セックス、って、言ったよなあ?」って。 「親も年だし、あなたしかいないし」(たしかこれは「ら・ら・ら」だった)には、「なんてあからさまな歌詞なんだ…」と絶句した。 当時は、純愛や希望や絶望や退廃を歌った歌はあっても、現実を歌った人は、あんまりいなかったし。ユニコーンくらいかな、思い出せるのは。 まあ、今となっては、それも懐かしい記憶でしかなくて、大黒摩季にも以前ほどの神通力はなくなってしまったような気がする。 彼女の芸風はあんまり変わってないみたいだし、現在では、その程度の歌詞は珍しくないだろうから(いや、けっこう珍しいかな、やっぱり)。 それでも、僕にはあのときのインパクトは残っているし、今、これを書きながら「ら・ら・ら」を聴きたくなってしょうがないくらいなのだ。 そういうのは、あの若いお姉さん(大黒摩季 )の本音をまだ若かった僕らが聴いた、っていうピンポイントの邂逅、なのかもしれないけれど。 例えば、モーニング娘。の福田明日香の「抱いてHold On Me!」を聴いても、この年(当時14歳)の女の子に「抱いて!」なんて歌われてもねえ…とか思ってしまっていたのは、僕だけかなあ。 それが、時代のリアルだ、と言われてしまえば、それまでなんですが。 ...
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