今日二十歳になった、最愛のキミへ。 - 2003年07月15日(火) キミにはじめて会ったのは、まだ僕が子供だったころ。 居並ぶ女の子のなかで、いつもキミの周りには、人垣が絶えなかった。 キミは、みんなのアイドルだったよね。 キミが初めて僕の家にやってきたとき、恥じらいながら一糸纏わぬ姿になったキミに命を吹き込んで、僕はキミを一晩中愛したものだった。 キミは、今までの子とは違って、繊細で、すばしっこくて、美しい声をあげていた。 僕たちは、いつも一緒だった。僕が家に帰ると、いつもキミは待ってくれていた。 ときには、移り気なキミが他の奴と一緒にいるのを指をくわえて眺めていなければならないこともあったなあ。 キミは、気まぐれだった。 僕の何日間もの愛の奇跡を何もなかったように無にしてくれたこともあったし、テストの前の大事な時間に、キミに求められることもあった。 もちろん、僕だってときには苛立って、キミに罵声を浴びせたり、閉じ込めてしまったりもしたこともあったけど。 でもね、僕はキミがいてくれたおかげで、寂しさから離れることができた。 キミは、僕が嬉しいときも、悲しいときも、いつも同じ笑顔で僕を迎えてくれた。 今では、キミは僕の部屋の片隅で、昏々と眠り続けている。 ときどきキミの声を聴いてみたくなるんだけれど、弱虫な僕は、もしキミが死んでしまっていたら…と想像すると、怖くて君を起こすことができないんだ。 今日は、キミの20回目の誕生日。 せめて、Happy Birthdayを言わせておくれ。 20歳おめでとう。 そして、ありがとう、ファミコン。 ...
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