マニアックな憂鬱〜雌伏篇...ふじぽん

 

 

演じ続ける人々の「告白」する人生。 - 2003年05月01日(木)

書店には「告白本」が溢れ、ネット上は他人の「秘密」で埋め尽くされている。
僕は人並み以上に本を読んでいると思うのだけれど、この手の「告白本」には、
まったく興味が無い。
あんなの読むなんて、時間のムダだとしか思えないし。

なんだか、いままでの経験を告白しているのではなくて、
「告白するための人生」を送っているような気がしてならないのだ。
だいたい「聞いて聞いて!」っていう前置きで始まる「告白」が、
面白かったことはないもんなあ。
わざわざ本を完成させてから離婚するなよバカ、とか思うし。

「リアルに回帰せよ」と言いたいところなのだけれど、ほんとうのリアルというのは、
たぶん原始時代の人類がやってきたような、狩猟と農耕と生殖の人生なのだろう。
それもちょっと、ついていけそうにない。

結局、僕たちがリアルではない、と考えているものこそが今のリアルで、
本当の自分じゃなくて、演じている自分だ、と思っているものが僕たちの人格なのだ。
そして、みんな死んでしまう瞬間までそのことに気付かない。

そう書きながら、「本当はこれも夢かも…」とかふと思う自分が哀しい。



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