タニノギムレットとカスケード。 - 2002年09月05日(木) タニノギムレット、屈腱炎、引退か? この一報を聞いて、残念に思う一方、やっぱりなあ…と思った人も多いのでは。 春シーズンのタニノギムレットは、重賞だけでも、シンザン記念、アーリントンC、スプリングS、皐月賞、NHKマイルカップ、そして日本ダービーと6つのレースに出走、4勝、3着2回(皐月賞、NHKマイルカップ)という、すばらしい成績を残した。 なかでも、皐月賞〜NHKマイル〜ダービーの3歳G1三連戦は、以前にマイネルタンゴもやってはいたのだが、勝ち負けの馬としては、革命的、いや、無謀な挑戦だと僕は思った。 松田国英調教師は「この馬は、ハードなレースをこなしてこそ強くなる」と豪語していたけれど、NHKマイルに本当に出走してきたときは、母父クリスタルグリッターズだし、マイル戦でのあの切れ味をみると陣営もマイラーだと思ってるんだろうな、ここが勝負だ!と思っていたら、大不利を受けて、まさかの3着。 そして、ダービーに出てきたときは、「自棄になってるんじゃないんかなあ、カスケードじゃあるまいし」という声が、ささやかれていた。 要するに、マンガじゃあるまいし、そんなローテーションで勝てるわけないよ、ということだ。 ちなみに、カスケードとは「みどりのマキバオー」に出てくる黒鹿毛の「帝王」と呼ばれる馬で、皐月賞、マイルC、ダービーの3連勝を達成したマキバオー宿命のライバルだ。 ところがところが、実際のレースでは、あまりハイペースにならずに瞬発力勝負という展開の利にも恵まれて、ギムレットはダービー馬に輝いたのだ。まさに驚異のダービー馬。 まあ、僕にとっては、来ると確信していたレースで連を外し、来ないと思っていたレースで勝つという、恨めしい馬でもあったわけだが。 ハードなローテーションは、今回の故障の要因であったことは否定できまい。でも、ダービーを勝ったあとの故障は、カスケードと軌を一つにしている。カスケードは、奇病マリー病という設定で、凱旋門賞で初の敗北を喫するのだが。そんなところまで、真似しなくてもいいのになあ。 しかし、ここでダービー馬として引退できることは、この馬とブライアンズタイム系の将来にとっては、悪いことばかりじゃないだろう。第2の馬生での活躍を祈りたい。 ただひとつ、カスケードと違うところがあるとすれば、マキバオーのようなライバルに恵まれなかったこと。それは、この馬にとって幸運だったのか、不運だったのか。 ギムレット、おつかれさまでした。短かったけど、充実した競争生活だったと思います。 ...
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