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■ 今そこにある医療危機
今の勤務医がみんな開業したら、街には小さな診療所がいっぱいになります。 うちの近所も歯科医が溢れてます。
でも、歯科は医師は医師でも、一般の医師とはまた違うかな。 自由診療の領域が、一般の医師よりも広いんじゃないでしょうか? 私もよく知らないけど。
『医師がいなくなる』ということは机上の話か?
机上ではなくて、ほんとに現場では困ったとよく聞く話です。 開業医ばかりが増えても困るんです。 ちゃんと緊急の事態に重症患者を診て、ちゃんと処置なり手術なりできる医師、施設がないと。
それに何も大病院を辞めた医師皆が皆、開業するわけではありません。 都会の真ん中で、雇われ医師としてサラリーマンのように医師業を続ける人もいます。
昔みたいに、診療所兼自宅に医師がいて、夜中に『ドンドンドン、先生お願いします』と言って、やってくる急患を診てくれるような街医者は増えてはいません。 自宅は別にあって、通勤で診療所に来て、時間が来たらサッサと帰る…医師にとっては、その方が楽でしょう。
軽症患者を診る医師は増える。 重症患者は高度医療にかかれるでしょうが、それこそ運次第。 昨今の救急医療を見ていてもわかるでしょう。 そこから漏れた人は死ぬのを待つだけになるかもしれない。
中程度の病状の患者さんは、小・中規模病院で診てもらえるかもしれないけど、治療の施しようのないホスピス患者、介護領域の患者さんは順番待ちで、ほんと適切な医療・看護・介護を受けるのも難しくなる。 お金持ちなら、ヘルパーでも何でも雇って見れるでしょう。
どうしても、この現状がそのまま行くと、漏れ出る患者が出てくる。
介護事業所も一時乱立して、だいぶ淘汰されましたけど、だからといって今ちょうどいい感じに充実してるかといったら、そんなことはない。 高齢者、障害者の中でも一番困っているのは、小児の重度障害者。 家族に重く負担がのしかかっています。
医療・介護が、資本主義経済の渦に巻き込まれてしまっています。 でも今と比べて、昔は良かったかというと、そうも言えない現実があります。 試行錯誤しながらでも、少しでも良い方向に行くといいのですが…
医療過誤裁判、私は賛成ですよ。 情報をちゃんと開示して、ちゃんと専門家による検証をして(決して身内を庇うような形にはしないで中立の立場で)本当に裁くべき症例かどうか見極めて決めてほしい。
そうなれば、医師も逃げないで準備をしなければいけませんね。 保険みたいなものあるのでしょうか? 医師も、患者と患者家族も多大な痛みを伴うでしょうが、再び社会が信頼関係を取り戻せるなら、どんどん公正な裁判をしてほしい。 私はそう思います。
2009年04月20日(月)
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