Comes Tomorrow
ナウシカ



 『可哀想』

”可哀想”
便利な言葉だよね
そう言ってれば、その人は良い人に見える
優しい思いやりに溢れた人に見える

”可哀想”
そう言ってれば、何もしてなくても何か良いことをしたような気分になる
何もしないことの免罪符ののように、風に吹かれて消える
そして忘れる

”可哀想”
その言葉を発する人で、私はろくな人に会ったことがない
”可哀想”
そういう人に限って、ほんと無責任な正義感を押し付けてくる

”可哀想”
そうやって言ってる自分に酔ってるんだよね
感情を高ぶらせてるんだよね
上から見下ろすように、自分が大きくなったように見えるんだよね
偉くなったように見えるんだよね

私は”可哀想”とは言わない
心で”可哀想”と思うことがあっても、それを滅多には口に出さない
口に出す時は、本当に自分が何もしない時
『可哀想だね』 『可哀想だけど』

”可哀想”
私は何もしませんという宣言に聞こえるよね
私は何もしません、できません、だけど可哀想だとは思ってます
言い訳にするには便利な言葉だ

”可哀想”と思うなら、口に出すより何より、何ができるか探す
”可哀想”と思ったら、何もできなくても、何をしていいかわからなくても
それでも何かをしないではいられない

”可哀想”
言葉にしちゃうと、全く意味が違っちゃうんだよ
”可哀想”
言葉にならない、その心が本物なんです


2008年10月30日(木)
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