Comes Tomorrow
ナウシカ



 お受験シーズンですね

うちの職場のドクターがオペ日やというのに、小学校受験で親子面接があるとかで、オペ終了後、慌てて飛んでいきましたわ。

受験というと、私には苦い思い出がある。

小学校5年生の時、クラスの何人かが塾通いを始めたりして、今まで一緒に遊んでいたのが『塾があるから』と断られることが増えてきて、その同じ塾に通う子たちが楽しそうに塾での様子を固まって話しているのを聞いて、私も行ってみたい気がした。
親(特に母)に頼んでみたけど、『お金がかかるし、勉強なんか自分さえやる気になったら、塾なんか行かんでもできる!』と言われ、仕方なく諦めた。

そして6年生になって、あれは夏の終わり頃だったかな?、母が急に私に家庭教師をつけると言い出した、S学園を受けろと。
5年生の時、別に私は中学受験をしようと思っていたわけではなかったけど、あの時、あれだけ塾に行かせてと言っていたのに、あれは何やったんやろう?と思いながら、『友達と離れるのは嫌やから受けへん、受けたくない』と言ったけど、そんなことは聞き入れてもらえず、とにかく説得されて受けることになった。

家庭教師といっても、それはちゃんとした家庭教師ではなく、うちの親がやっていた居酒屋(喫茶店から引っ越して居酒屋をしていた)のお客さんが義理で教えてくれるというものだった。
確か東大かどこか有名な大学出身の人で、まだ大学卒業したてかなと思われる若い兄ちゃんだった。

たぶん安いバイト料で雇われたんでしょう。
のそぉ〜とした、ボソボソ小さい声でしゃべるような、どこかやる気のなさそうな人だった。
私は部屋にその若い男性と2人きりにされて、ほんと緊張したのを覚えている。
小学校6年生、そろそろ意識し出す頃で(初潮も始まっていたし)

家庭教師といっても、ほんの数回来てただけで、ほんと勉強を教えてもらったという感覚はなかった。
ただ、その受験する中学の過去問を解くだけ。
『結構、難しいな…えっと…』
そう言って、その男性は1人でその問題と格闘し、私にその答えを言うだけ。
自分だけわかって、『こうなるねん、わかった?』
今考えても、あれは教えてるとは言わんよ。
親には『おとなしい子やね、あまりしゃべらんから…』とか何とか言ってたらしい。

過去問はそんな感じで、全然理解できないまま。
小学校の今まで一緒に遊んでいた友達も、私が中学受験すると言ったら、『どうせ、私らとは一緒に通わんねんやろ?』と言って、急によそよそしくなって気まずい雰囲気だった。
『中学に行っても仲良くしよなぁ〜』と言い合ってる友達の横で、私はたまらなく寂しく悲しい気持ちだった。

もう私には居場所がない…
かといって、過去問が全然解けないのに受かる気もしない、どうしよう…
そんな中、母だけハイテンションで、学園に受かった後のことをあれこれ考えウキウキしているようだった。

『ママ、だんだん確信湧いてきたわ〜アンタが学園絶対受かるって、絶対大丈夫やわ♪』
私は逆にどんどんテンションが下がっていった。
『祈ったら絶対叶う、受かる』、そう言って一緒に仏壇の前に座らされたりもした。

そして受験。
案の定、あまりできなかった。
面接でも、その自信のなさが出ていたと思う。
ハキハキ明るく受け答えする子たちの中で、私は1人暗かった。

合格発表の日、記憶は定かではないけど、確か学園まで見に行ったんちゃうかな?
結果は不合格。
試験ができていなかったことは、自分が一番よくわかっていたけど、それでもショックだった。
小学校の友達に不合格を告げるのもバツが悪いし、また受け入れてくるかどうかも不安でたまらなかった。

それだけなら普通に落ち込んでしまいやけど、さらに追い討ちが…
合格発表の結果を見るまでハイテンションだった母が一変!

『ママ、せっかくアンタが合格すると思って、一生懸命祈っていたのに!
アンタが勉強ちゃんとしやへんから!
アンタは何やらせても、まともにできひんな!
ほんとガッカリや!
アンタ、ろくな人生歩めへんわ!
最低の人生歩むわ!
学園に入っていたらS大まで行って、それで最高幹部になって、最高の幸福境涯になっていたのに!
もう、アンタは知らんわ!』

そうやって、母は私が不合格になった途端、落ち込む私に向かって、さらに頭の上から罵り続けました。
受けるの嫌や嫌やと最初抵抗していたのに、それでも仕方なく、であっても、私も受けるからには受かりたくなって、その気に少しはなっていて、でも自信はなかったけど…
あの時の気持ちってなかったです…涙も出なかった。

あとは友達の反応が怖かったけど、ダメだったと伝えると…
『残念やったなぁ〜でもまた私らと一緒に学校通えるやん。
良かったって言ったらあれやけど、また仲良くしよな♪』
そう言ってもらえて、私はいくらか救われました。
でも母から言われた言葉は今でも、頭を離れない…

あの時から、私は些細なことでも何でも失敗したり、上手くいかないことがあると、母から言われたあの時の言葉を思い出して、落ち込みが激しくなって鬱状態になることが多かった。
そこから立ち直るのに、ものすごいエネルギーと時間を要した。
頑張っても頑張っても、出た結果の喜びよりも疲れがドッと出て、何に対しても達成感はなかったなぁ…

今は少しずつ、そんな自分ともお別れしつつあります。
普通に自信と達成感と喜びと、そういう感情を感じていきたい、これからは…


2008年10月06日(月)
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