久しぶりに毒はき。
ネットショップでポリエステルの紅梅生地の着物(浴衣)を見つけ 興味が湧いたので、どんな生地なんだろうかと、隣のK市のデパートまで 足を運んでみました。
紅梅というと、今なら綿紅梅の浴衣がほとんどだと思うのですが、有名な メーカーさんは、ポリエステルも出してたりします。 綿よりシワにならないし、乾きも早いので、頻繁に着る人からの需要は 高かったりするからでしょう。
ただ、化繊ということで、夏に問題になるのは、その暑さ。 「ポリエステルは蒸れて暑い」というのは、常識だったり。
一回、手に取って感触も確かめてみたかったのですが、最初に出向いた 百貨店Sには綿の浴衣しかなく・・・。 しかも呉服売り場、すっごい狭かった・・・。
接客してきた年配の女性の方によると、来週から浴衣フェアが始まるので まだ完全な品揃えとは言えないんだとか。 この方、とても着物に詳しくて、たぶん、自分でも着る人なんだろうなあと いうのが、話してみて分かりました。
仕立て上がりの浴衣は、だいたい身丈が163センチ前後、裄が68もしくは69センチ、 袖丈49センチが呉服界の規定のようで、どこで売ってるのでも、たいていは このサイズです。 (専門ショップ除いて)
私もこのサイズは持ってましたが、裄が長いと身幅も大きくなるので とっても着づらく、3枚のうち2枚はボランティア団体に寄付してしまいました。 残った1枚の前幅を計ってみたら、なんと27センチ! マイサイズは23センチぐらいなので、どんだけおっきいんだよ!です。
こういうの、店員さんによると男仕立てというらしい。 Sサイズと呼ばれてた裄66センチのほうは、女仕立てだと教えてくれました。
いくつか見てると試着を勧められたのだけど、規定サイズの不満と 処分した浴衣の話をしたら、 「じゃあ、持ってても着なくなってしまうものね。Sサイズがもっと あれば良かったのだけど・・・」 と言われました。
すごいわかってくれてる!
「時間があったら、来週また来てみて下さい」だって。 押し売りしてこない姿勢に、好感が持てました。 ついでに、博多帯も揃ってたので見せてくれたし。
いろいろ教えてくれて、こちらも勉強になったので、お礼を言って 売り場を出ました。 こういう、専門知識を持った人がいるのが百貨店だと思っていたのですが。
その後、もうひとつの百貨店Tへ。 こちらは最悪でした。
老舗百貨店なんだけど、明らかに派遣らしい店員ばかりで、しかも 買えよ買えよの強気モード。 (私も派遣店員だったのであんまり文句言えないけど)
浴衣売り場の端のほうに、下駄の台と鼻緒が別々に売ってるコーナーがあって 好みのものを選んで挿げてくれるという。 まあ、普通の履き物屋さんみたいな感じですよ。
下駄もいくつか持ってるので普通に見てるだけなのに 浴衣は何色なのか、どんなときに着るのか、サイズは?色の好みは?と 質問のオンパレード。
何か手に取るたびに 「それはサイズがLですよ」とか 「それは塗り下駄ですよ」とか 「それは紳士物ですよ」とか いちいちいちいち、一言添えてくる・・・。
正直、ウザイ。 それにその程度のことなら、見れば分かるし! 紳士物なんか、ぱっと見ただけでも分かるじゃん! これにはさすがに頭にきたので、 「これは自分用に見てるわけじゃないですよ!(アホか!←心の叫び)」と 言い返した。
それでもやたらと下駄と鼻緒の商品を勧めてくるので、よっぽど売りたいのかと 思いきや、買ったとしても、鼻緒は職人さんが挿げるので、すぐには出来ないとか。
「どのぐらい時間がかかるんですか?」と何気なく聞いたら こんな答え↓
「職人さんは土日に来るので、週末お渡しになります!」
・・・・・。 そんな自信たっぷりで答えられても・・・。 じゃあ今日買っても、明日か明後日、もしくは時間のある週末に、鼻緒を 挿げてもらう為に、また持ってこないとダメじゃあん。
これが買ったその場で挿げてくれるとか、当日には受け渡し可能ですよ、とか いうなら分かるけどさ。 何をどうしたいのか、さっぱり分からん。 だったら、浅草とか神楽坂の履き物屋行ったほうが種類も多いし、安いよ。 メンテナンスだってしてくれるし。
なんだか、こんな商売に携わらないといけない職人さんが可愛そうになりました。 時代なんですかねえ・・・。
しかも、この店員。 「挿げる」という言葉を知らなかった。 若い人じゃないですよ、50代ぐらいです。
百貨店低迷の原因って、こんなささいなことだったりするんじゃないですかね。
かんかん照りの真夏日の中、せっかく出向いたのに最後にどっと疲れて 帰って来ました。
ポリステルの紅梅の着物は・・・やっぱりネットショップで注文します。
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