蛍桜

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ありきたりな言の葉

親友とか友達とか
そういうふうにランクわけするつもりはない

だけどやっぱり
私には「親友」という言葉が
とても輝いて聞こえて
その言葉を心の中においておきたいと思う
その言葉の相手と出会いたいと思う

決して見つけるわけじゃなくて
出会いたい
自分から探して見つかるんなら
そんなの親友なんて呼べないし
私は呼びたくないから
私は見つけようとはしない
見つけるんじゃなくて出会いたいんだ

よく言う言葉

友達は作るんじゃなくって
自然とできるもんなんだって

それは友達を作ることが出来ない私が
自分を慰めるための言葉だったかもしれない
今思うとそれは本当に
自分のために生み出した言葉かもしれない
だけどその言葉を
ずっと持って居たいとおもう







ヒラリヒラリと舞い遊ぶように
姿見せたアゲハ蝶
夏の夜の真ん中 月の下
喜びとしてのイエロー 憂いを帯びたブルーに
世の果てに似ている漆黒の羽

旅人に尋ねてみた どこまで行くのかと いつになれば終えるのかと

旅人は答えた 終わりなどはないさ 終わらせることはできるけど

そう…じゃあ お気をつけてと見送ったのはずっと前で
ここに未だ還らない
彼が僕自身だと気づいたのは
今更になってだった

あなたに逢えた それだけでよかった
世界に光が満ちた
夢で逢えるだけでよかったのに
愛されたいと願ってしまった
世界が表情を変えた
世の果てでは空と海が交じる

詩人がたったひとひらの言の葉に込めた 意味をついに知ることはない
そう それは友に できるならあなたに届けばいいと思う

もしこれが戯曲なら なんてひどいストーリーだろう
進むことも戻ることもできずに
ただひとり舞台に立っているだけなのだから

あなたが望むのなら この身など
いつでも差し出していい
降り注ぐ火の粉の盾になろう
ただそこに一握り残った僕の想いを
すくい上げて心の隅において

荒野に咲いたアゲハ蝶
揺らぐその景色の向こう
近づくことはできないオアシス
冷たい水をください
できたら愛してください
僕の肩で羽を休めておくれ
2002年05月24日(金)

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