2002年11月30日(土) |
関西遠征記(1):急行銀河〜有田鉄道〜J1・2nd第15節 神戸−清水 (神戸ユニバ) |
今回の旅の目的は三つ。
1)J1最終節 神戸−清水観戦(神戸ユニバ) 2)天皇杯1回戦 マッチーズFC−川崎(皇子山)
そして、三つ目がこの時期の関西遠征を実施した要因だったのだが、 3)有田鉄道(和歌山県)の初乗り&乗り納めである。
有田鉄道はもともとミカン輸送のために建設された鉄道で、JR紀勢本線の藤並駅から金屋口までを結ぶわずか5.6kmの路線。 近年はミカン輸送もトラックに変わり、旅客の方も地方の鉄道の例に漏れず、ほとんどが高校生ばかりのようで、運転は朝と夕方のみ、休日と第二・四土曜日は 運休(!!)となっている。 そんな有田鉄道だが、2002年12月いっぱいでの廃止が決まった。そこで、初乗り&乗り納めという訳である。
<参考> http://www.geocities.co.jp/Technopolis/2515/rail/arida_00.htm http://www.vega.or.jp/~smaeda/SITETU01/ARITA02.htm
時刻表と格闘した結果、土曜朝一番の新幹線では間に合わず、大阪あるいは和歌山あたりで一泊するか、前夜に夜行急行「銀河」に乗らないと間に合わないことが判明。 「銀河」利用だと藤並駅での接続がわずか1分しかないが、いろいろなホームページの写真を検証したところ、中間改札は無く、JRの下りホームの反対側から発着している様であることから、何とかなるだろうと判断。 念のため、第五土曜日となる11月30日に運転するかどうかを、有田鉄道本社に電話をして確認すると、中年女性の明るい声で「運転しますよ。」との返事だった。
結局前夜に東京駅を「銀河」で発った。久しぶりの寝台車である。 さすがに金曜だけあって、23時を過ぎても駅のホームは大勢の人が列車を待っていた。そんな様子をヱビスビールを飲みながら、寝台車の窓越しに眺めるのは気分が良い。もっとも停車中に、列車を待っている人たちと目が合ってしまうと気恥ずかしいが。
横浜からジェフサポーターらしい男女二人組み(夫婦?)が乗り込んで来た。 J1の日程表を確認すると最終節は京都戦らしい。それにしても横浜のジェフサポとは!?
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和歌山で予定通り所用を済ませた後、JRを乗り継いで一路神戸へ向かう。 新長田で地下鉄に乗り継ぎ、神戸ユニバー競技場最寄りの総合運動公園駅へ。和歌山からはほぼ三時間かかり、駅に着いた時にはキックオフ5分前。 初めてやって来た神戸ユニバーは港町神戸というイメージからは程遠い、郊外の山の中にあった。駅を出て左に行くとユニバー競技場、右へ行けばオリックスブルーウェーブの本拠地、神戸グリーンスタジアムである。
スタジアムに着くと選手入場のアナウンスが聞こえた。事前の情報で観客が2万人を超えそうだということは聞いていたが、スタジアムに入ってみると何とほぼ満員。バックスタンドはアウェイ側も当然のように神戸ファンで一杯。二階席に行けば空いているようだったが階段を上がるのも面倒なので、家族連れの隣に空いた一人分に腰を落ち着ける。 来年から神戸はホームスタジアムをW杯の会場だった神戸ウイングスタジアムに変更することになっているので、多分ここでサッカーを観るのも最後になるかと思う。
スタメンはこんな感じ。 清水 −−−アレ−−アン−−− −村松−−−−−−沢登− −−−伊東−−吉田−−− ペツ−大榎−−池田−市川 −−−−−羽田−−−−−
神戸 −−−播戸−−オゼ−−− −薮田−−−−−アリソ− −−−佐伯−−シジク−− 平野−北本−−土屋−ヤス −−−−−掛川−−−−−
スタメンに戸田の名前が無く、代って吉田。 今日勝てば自力でJ1残留が決まる神戸はキックオフから攻勢に出る。播戸とオゼアスの2トップにアリソンがうまく絡んでチャンスを作っていく神戸に対し、清水は中盤でマイボールになってもすぐにカットされ、攻撃の形が作れない。神戸がかなり前がかりなので、清水はどうしても下がらざるを得ず、清水のFW二人は前線で孤立してしまう。
序盤から攻め、シュートを放ち続ける神戸だが羽田のナイスセーブや、オゼアスのシュートがポストに当たったりしてどうしても得点が出来ないまま、前半も30分に近づく。このままで行くと清水のペースになるのだがと考えていた矢先の前半27分、左から上がったクロスをDFがクリア。このボールが山なりにPA前にこぼれ、これをアリソンが拾い、右に開いていた播戸へ。清水DFは誰も播戸についておらず、フリーでシュートを打たせてしまう。シュートコースにペツェルと村松が足を伸ばすも届かず、神戸が先制。
さらに33分、右サイドからシジクレイが入れたクロスをPA前でオゼアスがスルー。奥にいた播戸が池田をかわしシュート。ボールは大榎に当り、コースが変わってゴールイン。
この後も神戸は攻撃の手を緩めることなく、39分には薮田がDFのクリアミスを拾い、ゴール前でフリーでシュートを打つ。三点目を覚悟したがボールは枠の右へ。何とか0-2で前半が終了。
手元の集計では清水の前半のシュート、コーナーキックは共に0。対する神戸はシュート10本、コーナーキック5本。 とにかく神戸に気迫で負けてしまっていて、得点の入る気配が全く無い。ボールを持っても中盤、特に伊東あたりで一回止まってしまうので、その間に神戸に陣形を整えられ、ボールの出しどころが無くなってしまうのだ。2点目の失点はまさに、中盤で伊東がボールを奪われたところから始まっている。それから、神戸はシジクレイと土屋が良く効いていて、清水に攻撃の隙を与えない。そういえば村松はほとんど消えていて存在さえも途中まで気がつかなかった(フォーメーションのメモにも書き忘れていた)ほどだった。
後半に入っても神戸の攻勢は続く。清水も7分にアレックスに代えてバロン、17分には吉田に代えて戸田を投入。3バックに変更し、市川を前へ出した。 戸田が入ると清水が息を吹き返す。攻撃の形も出来、シュートが打てるようになって行く。が、澤登も安もシュートが決まらない。
途中、入場者数が25,837人とされる。後で聞いたところではクラブレコードらしい。試合途中にも迷子のお知らせが合計三人あったのもご愛嬌(本人にとってはそれどころじゃないだろうが)。
神戸も選手交代で流れを取り戻そうとし、28分には吉村(三浦泰)、そして31分には薮田に代えて岡野を投入。この采配がぴたりと決まり、その7分後、右サイドのライン際でボールを持つとドリブルで前線へ。大榎を振り切る。ボールがゴールラインを割りそうになったが、右足で止めるとそのままドリブルでPA中央へ。ペツェルをかわして打ったシュートは右サイドネットを揺らした。これで勝負あり。
40分には播戸に代えて三浦知を投入。神戸ユニバは大盛り上がり。 終了間際にPA正面でFKのチャンスも掛川に阻まれ試合終了。 見るものは何も無く、完敗だった。
試合後、清水側ゴール裏からは選手に対してブーイングが浴びせられ、「ゼムノビッチ辞めろ」コールが発せられた。モチベーションを上げづらい試合だったことはあるが、それにしてもふがいなさ過ぎ。こんな内容の試合を見せることは、遠路はるばるやって来た清水サポに対してはもちろんのこと、プロとして観客に失礼だ。
J1残留を決めた神戸に対してはおめでとうと言いたいが、これくらいの気迫を常日頃から出せていれば、降格の危機に陥ることもなかったのではないだろうか。播戸もセカンドステージは今日が初得点だったようだし。
神戸 3-0 清水
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