帰りの新幹線の窓の外、雲の切れ目に月が見え隠れしているのに気づく。車内の蛍光灯が反射してよく見えないので、窓に顔を近づけて両手でかこってじっと見る。白くてまんまるのお月さま。まるでパンケーキのようだ、って詩か小説にあったな、たしか。今日の富士日記昭和四十二年三月二十九日〜いちばん寒い二月には山荘にいない。