蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2009年09月02日(水) もう何も言うまい

9月になった。父の様子はあまり変わらない。その傍らで母は疲れと諦めと絶望を日に日にくっきりと刻み、それを見ている私はどうしようもない。妹は生来の生真面目さからか、時折逃げ場を失い、余計にしんどい遠距離介護生活となっている。誰の苦痛も取り除いてやりたいが、私にできること、してやれることは実際にはほとんどなく、私もまた同じように疲れているので、割り当てられた分をこなすだけで精一杯だ。

それに、どうしたってこういう生活をどのように思い、解釈し、自分なりに噛み砕き、飲み込むか(または吐き出すか)は、いくら家族とはいえ人それぞれなのだった。毎回のようにそうを思う。できることなら自分を追い詰めることなく、なんとかしてこの時間を乗り切ってほしい。母に対しても、妹に対しても、そう願う。自分自身はもちろんのこと。

父に対しては言いたいことは山ほどあるが、もう口にするつもりはない。自分で気づくよりない。人に言われてやるようなことではないのだ。いつの日か私が病気か何かになって、四六時中、人の世話になったり迷惑をかけざるを得ない状況になったら、その時には今の父の姿や振る舞いを思い出し、反面教師としたい。これはもう父の課題ではなく、将来の私の課題である。


今日の富士日記
昭和四十二年一月二十二日〜
年が明けて昭和四十二年になった。ページをめくると本文より少し大きめのフォントで「昭和四十二年」と余白たっぷりに印字されている。年の始めの厳かな感じがした。


蜜白玉 |MAILHomePage