蜜白玉のひとりごと
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仕事で昼間、郵便局に行ったときのこと。
狭い郵便局でかなり混んでて、座るところはない。順番待ちの札をひいて端っこに立って待つ。待ち人数4人。私の後にもどんどん入ってくる。あっという間に待ち人数8人。
そこへつかつかと入ってきたおばさん、番号札もひかずに窓口のお姉さんに話しかける。ああ、ちょっとおばさん、と思ったけれど、少し様子を見る。窓口のお姉さんは何か納得したようで、いま局長をお呼びします、と言って局長なるおじさんを呼んできた。
おばさん、一段と高い声で、もう昨日はホントにありがとうございました、もうホントに助かりました、あのあと息子から電話があって、ああ、これは本当の息子からなんですけど、・・・って。
どうやらおばさんは昨日、あと少しでオレオレ詐欺に引っ掛かるところを、危機一髪、局長なるおじさんが「もしかして詐欺ではないですか?」とか何とか、一言発してくれて助かったということらしい。おばさんはすっかり気が動転していて、焦っていて全然気付かなかったと。その後、おばさんは真相を確かめるべく息子の携帯に電話したが、息子は出ない。ああ、これではお金が間に合わないと、ますます焦るおばさん。結局、夕方遅くになって、(本当の)息子から折り返しの電話。さっきは会議で電話に出られなかったとか。お金なんて頼んでないし、やっぱり詐欺だと判明。おばさんはお金(いくらだか知らないけど)を振り込まずに済んだ、という話だ。
近くの壁際に突っ立っていた私のみならず、あのとき郵便局にいた誰もがことの一部始終を知ったはずだ。それくらいおばさんの声は甲高かった。おばさんは一通り話し終えたら満足した様子で、局長にゼリーの詰め合わせか何かを渡して帰って行った。皆さんで冷やして召し上がってください。
オレオレ詐欺、還付金詐欺、その他、まだまだ流行っている模様。儲け話うまい話は絶対に向こうからはやって来ない。オレオレ対策としては、家族と予め取り決めをしておく。合言葉とかお互いにしかわからないような何か。我が家も以前からいくつか考えてあって、それは私たちしか答えられないクイズで、たぶん、他人が聞いたら何を問われているのか、問題の意味すら不明だろう。この問題を使うときは来なくていいのだけれど、ちょっと使ってみたい気もする。問題を言われて、電話口で「オレオレ君」がうろたえるのを見てみたい(電話だから見えないか)。
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