蜜白玉のひとりごと
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金井美恵子著『快適生活研究』『待つこと、忘れること?』『彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄』
年末から立て続けに金井美恵子を読む。と言っても、読書の時間は電車の中(帰省の電車と、休みが明けてからは通勤電車)だけなのでなかなか読み進まない。毎日同じ本をかばんに入れて出かける。読点(、)でつながる長い長い文章。忘れかけた頃にやっと現れる句点(。)を見て、はてこの文のはじまりはどこだっけな、と戻って確かめる。このリズムは金井さんだけのものだ。ときどき無性に読みたくなる。
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絲山秋子著『豚キムチにジンクスはあるのか−絲的炊事記』
図書館で順番待ちして借りる。Hanakoに連載していた料理エッセイをまとめたもの。辛い物や無茶な創作料理ばかりで、私の味覚とは合わず、パラパラと飛ばし読み。どういうコンセプトの連載だったのか、Hanakoを読んでいないのでわからないが、苦しいのに食べ続けたり、あきらかに不味そうとわかっているのに試したり、おいしいもの探しというよりは、苦痛に耐えることの方が前面に出ていてがっかり。絲山さんてこんな方でしたっけ。小説のイメージとは違った。
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エーリヒ・ケストナー著『ふたりのロッテ』
何回読んでも話の詳細を忘れているので、初めて読む時みたいにドキドキする。子どもって、ふつうにしているだけでビリビリしびれるくらい真剣に生きているんだな、と思う。今の子どもたちもそうなのだろうか。もう、自分の子ども時代からもずいぶん経ってしまったし、身の回りに子どもはいないし、よくわからない。金曜日の夜、明日は休みだからと気を緩めて本を読んでいたら、相方が退屈していた。気がつかなかった。申し訳ないことをした。
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